太陽光発電のメンテナンス義務化について詳しく解説!
最終更新日:2023.08.04太陽光発電
住宅用太陽光発電の導入を決めた場合は、太陽光発電関連の規制や条例などについて一定程度把握しておく必要があります。中でもメンテナンス義務化に関する内容は、これから住宅用太陽光発電を扱う上で特に重要です。
そこで今回の記事では、太陽光発電のメンテナンス義務化やメンテナンス内容についてわかりやすくご紹介していきます。住宅用太陽光発電を初めて導入する方や住宅用太陽光発電関連で気を付けておくべきポイントを知っておきたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
太陽光発電のメンテナンス義務化とは?
太陽光発電におけるメンテナンス義務化とは、FIT法に定められた法的な義務に関する内容のことです。
FIT法は、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法の略称で、2012年に施行されました。FIT制度(固定買取価格制度)に関するさまざまな内容が定められています。
また、2017年4月に改正された改正FIT法では、(再生可能エネルギー特別措置法の一部を改正する法律)メンテナンス義務化対象の設備に関する内容が変更されます。
これまでメンテナンス義務化対象とされる太陽光発電は、FIT認定を受けた出力50kW以上のみでした。ただし、改正後は、FIT認定を受けた出力10kW未満の住宅用太陽光発電もメンテナンス義務化の対象とされています。
そのため、これから住宅用太陽光発電を導入する方の中でFIT制度を活用する方は、メンテナンス義務化の内容に沿って維持管理していく必要があります。
なお、FIT認定を受けていない太陽光発電でも出力50kW以上の場合は、電気事業法によってメンテナンス義務化対象です。
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太陽光発電のメンテナンスは専門業者が対応
太陽光発電のメンテナンス対応は、太陽光発電専門の施工販売業者やO&M業者で行ってくれます。
通電状態や絶縁抵抗値といった電気的な計測の他、固定金具などの状態確認、部品交換といった作業は、専門資格を取得した業者でなければ対応してはいけません。そのため、住宅用太陽光発電のメンテナンス作業については、専門業者へ任せることが可能です。
太陽光発電のメンテナンス時期
太陽光発電のメンテナンス時期に関する法的な規制はないため、ガイドラインなどについて熟知している施工販売業者へ相談するのがおすすめです。
太陽光発電のメンテナンス時期に関する目安は以下の通りです。
メンテナンス時期 |
概要 |
設置から1年目 |
初期不要の有無を確認など |
設置から5年目 |
経年劣化や破損している部分の確認や精密点検など |
設置から9年目以降は、4年ごとに電気的な計測や経年劣化の状況、破損箇所の有無などを確認してもらいましょう。
その他にも日常点検として毎月1回程度は、設備を所有している方や専門業者が目視点検を行います。また、災害などで破損もしくは発電に異常が発生した場合は、速やかに専門業者へメンテナンスを依頼するのが大切です。
太陽光発電に必要とされているメンテナンス内容
太陽光発電のメンテナンス作業は専門業者で対応します。そのため、専門的なレベルのメンテナンス内容を把握する必要はありません。
ただし、住宅用太陽光発電の異常に気付いたり優良業者を見つけたりするには、ある程度メンテナンス内容についても理解しておくのが大切です。
続いては、太陽光発電の主なメンテナンス内容についてわかりやすく解説していきます。
洗浄や清掃作業
太陽光発電は外に設置しなければいけないため、太陽光パネルや配線ケーブルなどにホコリや砂、その他汚れが付着してしまいます。特に太陽光パネルの汚れは、発電量の低下につながります。
また、太陽光パネルに汚れが付着していると、ホットスポットの発生につながる可能性もあります。ホットスポットは、パネルの一部分のみ影や汚れなどで発電できない状態で、なおかつ他の部分から発電された電気を流せません。そのため、影のできた部分のみ発熱してしまい、故障や火災などに発展する場合があります。
そこで太陽光発電の専門業者は、定期点検などの際に太陽光パネルや周辺機器の洗浄作業を行っています。
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目視点検による異常確認
目視点検では、以下のような作業が行われています。太陽光パネルだけでなく、設備全体の異常について確認してもらえるのが特徴です。
・太陽光パネルのホットスポットに関する有無の確認
・パワーコンディショナの目詰まりなどの確認
・配線ケーブルの傷や劣化を確認
・接続部分のゆるみや外れ、劣化や破損の確認
その他には、架台や太陽光パネル、パワーコンディショナの固定状態を確認してもらえます。万が一各機器の固定金具がゆるんでいると落下事故につながるため、専門業者では固定金具についても確認しています。
また、各目視点検の際に破損などが見つかった場合、修理や交換作業を進めてもらえます。
精密点検による機器内部の異常確認
精密点検では、目視点検で把握しきれない部分を専用機器で測定および確認してもらえます。
たとえば、漏電チェックでは、絶縁抵抗計という機器で電流値を測定してもらいます。また、ホットスポットの有無を確認する方法として最近では、ドローンによる赤外線測定なども行われています。
住宅用太陽光発電の所有者で対応できる日常的な確認作業
住宅用太陽光発電の所有者で対応できる日常的な確認作業は、主に発電量のチェックです。
住宅用太陽光発電システムには、太陽光パネルやパワーコンディショナ、配線ケーブルや接続箱の他、発電量を把握できる専用のモニタが付属しています。
モニタは自宅内に設置されるので、いつでもリアルタイムで発電量を確認することが可能です。特に注意すべき事象は、晴れの日にもかかわらず通常より発電していない・発電量0といったパターンです。少なくとも正常な発電状態と言えないため、速やかに専門業者へ確認してもらいましょう。
ちなみに太陽光発電用のモニタでは、電力会社から購入した電力量や売電量についても計測されているので、自宅の消費電力量を把握する際にも役立ちます。
住宅用太陽光発電のメンテナンス費用相場
住宅用太陽光発電のメンテナンス費用は、一般的に年間5~10万円程度とされています。
また、経済産業省の「令和5年度以降の調達価格等に関する意見」によると住宅用太陽光発電の維持管理費用は、1kWあたり4,670円程度とされています。また、出力5kWのメンテナンス費用については、1回あたり約3.5万円程度です。
一般的な住宅用太陽光発電は出力4.5kWや5kW程度なので、年間約2万円~2万3,000円のメンテナンスおよび維持管理費用と言えます。
なお、修理交換の際は、太陽光パネルの交換で1枚あたり10万円程度、パワーコンディショナなどの周辺機器で5~40万円程度の費用がかかります。
出典:経済産業省ウェブサイト(20230208_1.pdf (meti.go.jp))
住宅用太陽光発電のメンテナンスはなぜ必要?
住宅用太陽光発電のメンテナンス義務に関する内容、費用について確認した方の中には、費用負担などから導入を悩んでいる方やメンテナンス頻度を抑えたいと考えている方もいるかと思います。
そこでここでは、住宅用太陽光発電のメンテナンスがなぜ必要なのかという点ついてわかりやすく解説していきます。
メンテナンスを怠るとFIT認定を受けられない
メンテナンスが義務化されていなかったとしても定期的なメンテナンスや修理交換などは、費用回収および電気料金削減効果といった点で欠かすことのできない作業です。
そもそも太陽光発電は、メンテナンスフリーではありません。定期的に架台や太陽光パネル、パワーコンディショナ、接続箱、配線ケーブルといった各機器や部材の状態をチェックし、状況に応じて修理交換しなければ正常に稼働しません。
また、メンテナンスや修理せずに稼働し続けた場合、故障や発電量の低下、破損箇所や状況によっては火災事故などに発展する可能性もあります。
特に鳥のフンや落ち葉などが太陽光パネルに付着したまま放置するとパネルの一部分が発熱するホットスポット現象を引き起こすことが分かっています。
「ホットスポット」とは、太陽光パネルが”局所的に発熱して高温になる不具合”、またはその”発熱した部分”を指します。
太陽光パネルが発電しているときの温度は、通常時で約50℃〜70℃程度、真夏の30℃を超えるようなときでは70℃〜80℃です。
80℃でも十分に高温に思えるかもしれませんが、例えば東芝の太陽光パネルの動作温度は-40℃〜85℃となっており、十分作動可能な範囲内です。
ところが、「ホットスポット」の温度は100℃以上になり故障や火災のリスクが上がります。なかには300℃近くになるといった事例もあります。
ホットスポットは、何らかの理由で電気抵抗が大きくなり、電流が流れにくくなった場所に発生します。
つまり、ホットスポットとなっている部分は、何らかの原因で電流がロスしていることを意味します。その時点で、すでに通常より発電量が低下している状態です。
さらに、ホットスポットが深刻化すると太陽光パネルは故障して、発電機能を失ってしまいます。そうなるとそのパネル1枚だけの問題ではなくなり、ホットスポットが発生したパネルのある回路ごと発電不良に陥ってしまいます。
ホットスポットが招く問題は、発電量の低下だけではありません。最悪の場合、火災を引き起こすこともあります。
太陽光パネルがホットスポットで発熱して100℃を超える高温になれば、パネル自体が発火したり焼損してしまいます。実際にホットスポットが原因で、太陽光パネルが焦げたり燃えて穴が空いてしまった事例が報告されています。
太陽光パネルは、燃えにくい難燃素材を使用したり構造上の工夫されているため、パネルの一部が燃えたとしてもパネル全体に燃え広がらないような対策がなされています。
しかしながら、太陽光発電設備が設置されている周囲環境によっては、発電設備自体が火災してしまうこともあります。
例えば、パネル上に落ちた落ち葉や溜まったゴミ、伸びた雑草などの燃えやすいものが火災の原因となります。燃えやすいものと高温なホットスポット部分が接触した状態で長時間放置されると、そこから発火し火災が発生、太陽光発電設備に火が移り燃え広がります。
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経年劣化によるホットスポット
太陽光パネルは、長期使用によって劣化していきます。劣化の状況次第では、ホットスポット現象が発生することもあります。
具体的には、長期間の使用に加えて振動や温度、湿度といったさまざまな影響を受けることで、セルがひび割れてホットスポットにつながる仕組みです。
マイクロクラックという細かなひび割れが発生した場合、電極も切断されてしまうことがあります。また電極が切断すると、発電効率の低下や電気抵抗の上昇といった不
具合が起こる可能性があります。
また、木造住宅に太陽光発電設備が設置されている場合は、パネルの発火が原因で屋根材を燃焼して火災になる見解が消費者庁の資料で示されています。火災になると太陽光発電設備を失うだけでなく、近隣の建物や土地に延焼することで損害賠償請求される可能性すらあり得ます。
このように、ホットスポットは発電量低下だけでなく、火災という事故にも繋がる危険性のある不具合なのです。
つまり定期点検やメンテナンスは、設備を安全に稼働させる上でも重要な作業なのです。
第三者へ損害を与えてしまうリスクが上がる
メンテナンスを怠ってしまうと、太陽光発電設備の不具合を原因とした第三者への損害といったリスクにつながります。
たとえば、固定金具の破損でパネルや部材ごと飛んだり落下したりしてしまい、通行人や近隣の住宅へ直撃してしまう可能性もあります。また、第三者への損害によって損害賠償責任が発生するので、メンテナンス頻度の低下や放置は危険です。
まとめ
住宅用太陽光発電は、発電量の改善や維持、安全な稼働といった意味でも定期メンテナンスの必要な住宅設備です。また、改正FIT法によってFIT認定を受けた住宅用太陽光発電は、メンテナンス義務化の対象とされています。
家計負担に悩んでいる方や省エネや節電だけで電気料金負担を抑えられない方は、今回の記事を参考にしながら住宅用太陽光発電設備の比較検討を進めてみてはいかがでしょうか。
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