PVは光起電力!太陽光発電となぜ呼び名が違う?
最終更新日:2024.11.27 太陽光発電
近年、電力自由化やFIT制度の設立など、電力に関する環境は大きく変わっています。このような状況の変化から、新電力や太陽光発電を調べている方も多いのではないでしょうか?
そこで時折見かける専門用語のひとつといえばPVです。しかし、PVと調べても他の用語に関する意味が出てきたり、電力におけるPVの意味を確認できなかったりすることも珍しくないかと思います。
そこで今回は、電力におけるPVの意味と太陽光発電との関係性、導入時に覚えておくべき用語について解説します。
住宅用太陽光発電に関心を持っている方や電気代負担に悩んでいる方などは、ぜひ参考にしてみてください。
目次
PVは光起電力の略称!意味や特徴
太陽光発電に関するコラムや施工販売店HPなどを見てみると、PVといった表記も見かけることがあります。
それでは、まずPVの意味と特徴についてわかりやすく解説します。
photovoltaicsの略称
電力関連の用語で見かけるPVは、photovoltaics(フォトヴォルテイクス)の略称です。
photovoltaicsは、日本語で光起電力もしくは光起電性と呼び、いわゆる太陽電池を指しています。太陽電池は、太陽光発電システムの太陽光パネルに搭載されている発電装置で、光を吸収・電気へ変換してくれます。
また、海外では、PVという呼び方で太陽電池を扱っているため、国内の太陽光発電に関するコラム記事やサービスサイトなどでも時々見かけることがあります。日本では、そのまま太陽電池と呼ばれていたりソーラーセル、セルと呼ばれたりしています。
PVシステムは太陽光発電の総称
太陽光発電関連のサイトやコラム記事で時々見かけるPVシステムは、前段で紹介した太陽電池+システムを組み合わせた用語です。
つまり、太陽光発電システムとPVシステムは、広義では同じ意味になります。ただし、住宅用太陽光発電とは構成機器に違いがあるため、完全に一致しているわけではありません。
PVシステムの構成機器は、太陽光パネルとパワーコンディショナ、充放電にかかわる制御機器、蓄電池、負荷(家電製品など電気を消費するもの)です。
まず太陽光パネルは、光を直流電力へ変換します。各太陽光パネルから変換された直流電力は、接続箱に集められてパワーコンディショナへ送電されます。また、太陽光パネルから送電された電気は、充放電コントローラを通じて蓄電池に送電される仕組みです。
パワーコンディショナは、直流電力を交流電力へ変換したり電力の制御などを行ったりしているのが特徴です。具体的な機能については後半で紹介します。
PVシステムの種類
太陽光発電システムの総称を指すPVシステムには、独立型と系統連系型にわけられています。
それでは、PVシステムの種類と構造について詳しく解説します。
独立型のPVシステム
独立型のPVシステムは、電力系統から切り離された太陽光発電システムを指しています。また、独立型は直流型と交流型にわかれています
電力系統とは、電力会社の発電所、送電設備、変電所、配電設備、需要家設備といった発電および送電関連システム全体のことです。つまり、大手電力会社10社が管理している送配電網が電力系統です。
独立型のPVシステムは、電柱などから送電されている電力システムと接続されていない太陽光発電システムを指しています。
また、直流型の場合は、太陽光パネルから発電された電気を充放電に関する制御機器へ直接送電されるシステムです。パワーコンディショナが搭載されていないため、直流電力を活用することになります。
一方、交流型は、太陽光パネルから送電された直流電力をパワーコンディショナで交流電力へ変換したのち、交流電力用の機器へ供給されます。
系統連系型のPVシステム
系統連系型のPVシステムは、電力系統と接続された太陽光発電を指しています。
つまり、太陽光パネルで発電した電気を電力会社側へ送電できるのが大きな特徴で、住宅用太陽光発電や産業用太陽光発電で活用されています。太陽光発電で売電したい時は、系統連系型のシステムを理解した上で運用することも大切です。
住宅用太陽光発電関連で覚えておくべき用語!
PVやPVシステムの意味、電力との関係性について把握したあとは、住宅用太陽光発電に関する用語を覚えておきましょう。
住宅用太陽光発電は、一般住宅用に設計開発された太陽光発電システムで、住宅の屋根に太陽光パネルを設置します。
太陽電池セル、モジュール
セルもしくは太陽電池セルは、太陽電池における最小単位を指す用語です。
太陽光パネルには、多数のセルが搭載されていて、各セルから発電された電気をひとつにまとめています。
また、複数のセルを組み合わせた太陽光パネル1枚の単位は、モジュールと呼ばれています。カタログなどでモジュールと見かけた場合は、太陽光パネル1枚のこととして認識しましょう。
さらに、モジュールを直列に接続させたまとまりをストリングと呼び、太陽光発電を設置する際はストリングを複数並べていきます。
ストリングの枚数設計は、太陽光発電の発電量や発電効率に大きく関わる重要なポイントです。たとえば、モジュールを可能なかぎり接続させた場合は、電圧を高めて発電量を増やすことが可能です。
しかし、モジュールを接続させすぎると影の影響を受けやすく、発電損失のリスクが上がります。
一方、モジュールの接続を抑えつつ、かつストリングの枚数を揃えた場合は、各回路の電圧を揃えられます。すると、一部のストリングで影による発電損失が発生したとしても、別のストリングによって発電量をカバーできます。
施工販売業者へ相談する際は、太陽光パネルの設置・接続方法についても確認しておくことが大切です。
接続箱
太陽光発電システムにおける接続箱は、複数の太陽光パネルから流れてきた直流電力をひとつにまとめたのち、パワーコンディショナへ送電する役割を持っています。また、出力10kW未満の住宅用太陽光発電では、接続箱がパワーコンディショナと一体化されているケースもあり、コンパクトにまとめやすいといえます。
一方、出力10kW以上の産業用太陽光発電は、メガソーラーなど大規模なシステムもあり、必ずしも接続箱のみで多数の回路をまとめきれません。その場合は、複数の接続箱から流れてきた電気を集電箱でまとめたのち、パワーコンディショナへ送電します。
集電箱は2種類にわかれていて、低圧と高圧で異なるのが特徴です。
低圧(出力50kW未満)の太陽光発電では、交流集電箱という集電箱が活用されます。
仕組みとしては、まずストリングから流れてきた直流電力をパワーコンディショナで交流電力へ変換します。複数のパワーコンディショナから送電された交流電力は、交流集電箱でひとつにまとめられ、売電用のシステムへ供給という流れです。
高圧(出力50kW以上)の太陽光発電では、直流集電箱が使用されます。
まず、各ストリングから流れてきた直流電力が、いくつかの接続箱でまとめられます。その後、複数の接続箱から送電された直流電力を直流集電箱でひとつに集約し、パワーコンディショナへ送電する仕組みです。
パワーコンディショナ
パワーコンディショナは、インバータ回路が搭載された制御用のシステムです。
インバータ回路は、直流電力を交流電力へ変換するための回路です。
家庭用のコンセントや住宅設備に供給されている電力は、全て交流電力となっています。また、電力会社の送配電網から流れている電力も交流です。
一方、太陽光パネルから発電された電気は直流電力のため、そのまま家庭用コンセントや住宅設備へ供給できません。また、送配電網を経由して売電することも難しい状態です。
そこでパワーコンディショナが必要になります。
太陽光パネルから発電された直流電力は、パワーコンディショナによって交流電力へ変換してくれます。その結果、太陽光発電システムの電気を自家消費(家庭内で消費)したり売電したりすることができるようになります。
また、パワーコンディショナは電力の変換機能だけでなく、適切な電圧へ調整しながら売電を行う機能、発電量の最大化(電圧と電流の調整によって発電量を増やす)、系統連系保護機能(事故防止のための回路遮断機能)など、さまざまな機能が搭載されています。
架台
太陽光発電における架台は、太陽光パネルを固定する金属製の土台です。
代表的な架台は、ステンレス製やアルミニウム製、スチール製となっています。
ステンレス製架台は重いものの、錆びにくく高い強度を持っているのが特徴です。ただし費用の高い材質でもあるため、コスト面の負担に気を付ける必要があります。
アルミニウム製架台は安価で軽く施工性の高さといった強みを持っているものの、他の材質より強度が少し弱い傾向です。また、スチール製架台は重く費用が高いものの、高い強度を誇っています。
各材質にメリット・デメリットはあるので、予算や設置環境に合わせながら検討していくのが大切です。
太陽光パネルの多結晶・単結晶
太陽光パネルには、さまざまな半導体が用いられています。中でも多結晶・単結晶シリコン型太陽光パネルは、多くのメーカーが取り扱われています。
単結晶シリコン型太陽光パネルは、シリコンの原子を規則的に並べたもので、20%前後と高い変換効率を持っています。ただし、多結晶シリコン型よりもコストの高い点が、デメリットのひとつです。予算に余裕がある方の中で発電量をとにかく増やしたい方は、おすすめの太陽光パネルといえます。
多結晶シリコン型太陽光パネルは、さまざまなシリコン原子を組み合わせたり再利用したりしたもので、低価格で製造されています。変換効率は15%程度と単結晶より少し低いため、変換効率より価格重視の方であればメリットを感じやすいといえます。
PVシステムにおける発電量は、太陽光パネルに用いられている半導体によっても変わるため、各メーカー・シリーズの特徴を把握した上で比較検討しましょう。
PVシステムの住宅用太陽光発電を運用する方法
PVシステムの中でも住宅用太陽光発電は、自宅に設置可能な小型の太陽光発電システムです。自家消費によって電気代を削減できるほか、非常用電源としても活用できます。また、FIT制度を活用すれば、余った電気を売電することが可能です。
そこで最後は、PVシステムの住宅用太陽光発電に関する運用方法を紹介します。
FIT制度を活用した余剰買取&自家消費
住宅用太陽光発電を導入した場合は、一般的にFIT認定を受けて自家消費と売電を行っていきます。
FIT制度は、再生可能エネルギーの導入を支援する国の制度です。FIT制度の認定を受けた場合は、一定期間固定の単価で電力を買い取ってもらえます。また、電力会社は、電力の買取義務が発生します。
対象の設備には、水力発電や風力発電のほか、太陽光発電も含まれています。
住宅用太陽光発電の導入時にFIT認定を受けた場合は、10年間、自家消費ののちに余った電力を売電することが可能です。また、固定買取単価は、FIT認定を受けた年によって変わります。
たとえば、2024年にFIT認定を受けた場合は、1kWhあたり16円の単価で10年間売電を行えます。
出典:資源エネルギー庁ウェブサイト(買取価格・期間等|FIT・FIP制度|なっとく!再生可能エネルギー (meti.go.jp))
卒FIT後は全量自家消費もしくは売電
FIT制度には期間があるため、一定期間を経過してしまうと同制度の適用が終了してしまいます。
住宅用太陽光発電でFIT認定を受けた場合は、認定年から10年間、固定の単価で売電できます。つまり、11年目に卒FIT=FIT制度の適用期間終了となるため、運用方法に関していくつかの選択肢から比較検討する必要があります。
卒FIT後の運用方法として挙げられるのは、以下の3パターンです。
- 住宅用太陽光発電を解体、撤去する
- 蓄電池を併用し、発電した電気を全て自家消費する
- 電力会社の卒FIT向けサービスへ加入し、引き続き余剰買取を行う
特におすすめの方法は、蓄電池を併用した全量自家消費です。全量自家消費とは、発電した電気を家庭内で全て消費していく運用方法のことです。
卒FIT向けの買取単価は、電気料金の電力量料金単価よりも安く設定されています。そのため、売電量を増やしても、効率的に電気代を削減することが難しい状況です。
一方、全量自家消費は買電量(電力の購入量)を直接削減できるため、燃料費調整額から再エネ賦課金を含め電気代負担を抑えられます。そのため、電気代削減効果という点では、基本的に全量自家消費を目指すのがおすすめです。
まとめ
PV( photovoltaics:フォトヴォルテイクス)は、日本語で光起電力もしくは光起電性と呼び、いわゆる太陽電池を指しています。また、PVシステムは太陽光発電システムを指しています。
これから太陽光発電を導入する場合は、住宅用太陽光発電に関する用語や各製品の特徴を把握してことが大切です。
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