停電時の太陽光発電の使用方法とは?蓄電池と併用するメリットや注意点を解説
最終更新日:2025.07.16 太陽光発電

日本は地震大国であり、台風やゲリラ雷雨などさまざまな災害リスクもあります。災害などで停電してしまった場合、避難所で避難生活もしくは自宅で在宅避難を選択する必要があります。在宅で避難生活を続ける場合は、情報収集や食事などのために電気も重要です。
太陽光発電は停電時に活用できるため、防災対策としても役に立ちます。
そこで今回は、太陽光発電を停電時に利用する方法や特徴、蓄電池の重要性について詳しくご紹介していきます。
防災対策として太陽光発電を検討している方や停電時に電気を使用するための方法を調べている方などは、参考にしてみてください。

目次
太陽光発電は停電時に稼働できる

冒頭でも触れたように太陽光発では、停電時でも稼働させることが可能です。しかし、どのような仕組みで稼働できるか、何Wまで使用できるか分からない部分も多いかと思います。
そこでまずは、停電時に太陽光発電を稼働させる方法と供給能力について確認していきます。
パワーコンディショナの機能によって停電時も運転可能
太陽光発電設備は、パワーコンディショナの機能によって停電時も稼働させられます。
パワーコンディショナは、太陽光パネルから発電された直流の電気を交流へ変換させて自宅や外部の送電設備へ流したり太陽光発電を制御したりといった役割を持っています。
さらに自立運転モードという機能が搭載されていて、停電時の稼働に大きく関わります。パワーコンディショナの自立運転モードは、太陽光パネルから発電された電気でシステムを稼働させながら、自家消費も行える機能です。
通常、太陽光発電は、電力会社から送電された電気を用いながらシステムを維持しています。そのため、停電時には、システムを稼働させることができません。
自立運転モードへ切り替えると、停電時でも稼働および自家消費できるようになります。
自家消費可能な電力は100V・1,500W以内まで
住宅用太陽光発電を自立運転モードへ切り替えた場合、一般的に100V・1,500Wまでの電力が使用できます。
スマートフォンやパソコンの充電、テレビ、冷蔵庫、LED照明など、消費電力の少ない機器類であれば同時に稼働させることが可能です。
ただし、自立運転時の発電量は天候に大きく左右されます。曇りや雨の日には発電量が低下し、使用できる電力が不安定になることも。また、太陽が出ていない夜間は発電できないため、電気を使用できません。
蓄電池を併用している場合でも、蓄えた電気がなくなれば供給は止まります。そのため、医療機器やデータの保存が必要なパソコンなど、突然電源が切れると深刻なダメージを受ける製品の使用は避けた方が賢明です。
また、消費電力の大きい電気ヒーターや電気ポット、ドライヤーなどは他の機器と同時に使用するのが難しく、エコキュートやIHクッキングヒーターといった200V対応機器は基本的に使用できない点にも注意が必要です。
停電時に太陽光発電を稼働させる方法

停電時の機能について確認したあとは、太陽光発電を自立運転モードへ切り替える方法や電気の取り出し方、復旧後の操作について具体的に見ていきましょう。
自立運転モードへ切り替える
停電が発生したら、まず安全のために主電源と太陽光発電のブレーカーを切ります。電気が流れていないことを確認してから、パワーコンディショナ本体のスイッチやリモコンで自立運転モードへ切り替えます。
メーカーや機種によって操作方法が異なるため、あらかじめ取扱説明書を確認したり、設置時に施工業者に手順を教わったりしておくと、いざという時に慌てず安心です。
非常用(自立運転用)コンセントから電気を取り出す
自立運転モードへ切り替えると、発電した電気がパワーコンディショナに付いている、もしくは近くに設置された非常用(自立運転用)コンセントへ供給されます。
あとは、そのコンセントへ使いたい家電製品のプラグを差し込むだけで、電気を使用できます。
太陽光発電の設置時に、リビングの照明やコンセントなど特定の設備へ直接配線しておくことも可能です。設計段階で施工業者へ希望を伝えておきましょう。
停電から復旧した場合は連系運転へ戻す
停電が復旧したら、自立運転モードから通常の連系運転モードへ戻す必要があります。
まず、非常用コンセントに接続している機器のプラグをすべて抜きます。次に、自立運転モードをOFFにし、太陽光発電のブレーカー、主電源のブレーカーの順にONにします。これで、通常通り電力会社からの電気と連携した運転が再開されます。
この操作もメーカーによって手順が異なる場合があるため、事前に確認しておきましょう。
太陽光発電を停電時に効率よく活用するには蓄電池が重要

太陽光発電だけでも停電時に役立ちますが、蓄電池を併用することで、その能力を最大限に引き出すことができます。ここでは、蓄電池を組み合わせるメリットをご紹介します。
夜間も電気を使用できるようになる
蓄電池を併用する最大のメリットは、夜間でも電気が使えるようになることです。
太陽光発電は日中しか発電できません。そのため、停電が夜間に及ぶと、照明や情報収集のためのテレビなどが使えず、不安な時間を過ごすことになります。
蓄電池があれば、日中に発電して使い切れなかった電気を貯めておき、夜間に使用できます。明かりがあるだけで安心感が高まり、食事の準備やスマートフォンの充電も可能になるため、避難生活の質が大きく向上します。
出力を引き上げることが可能
蓄電池を連携させると、停電時に使用できる電力(出力)を大きくできます。
太陽光発電単体の自立運転出力は1,500Wが上限ですが、蓄電池にはより大きな出力を持つモデルが多くあります。たとえば、自立運転出力3kVA(3,000W)の蓄電池なら、停電時でも電子レンジとテレビを同時に使うといったことが可能になります。
ニチコン製の蓄電システムのように、停電時でも太陽光発電を連系モードのまま稼働させ、高い出力を維持できる製品もあります。より多くの家電を不自由なく使いたい場合、蓄電池の設置は非常に有効です。
200V対応機器へ給電可能な蓄電池も多い
蓄電池の中には、パワフルな200V機器に対応しているモデルもあります。
エコキュートやIHクッキングヒーター、床暖房、大型エアコンなど、200V電源が必要な設備を導入しているご家庭にとって、これは大きなメリットです。ニチコンの「ESS-U4X1」のような蓄電システムは、停電時でも200V機器への給電に対応しており、普段に近い生活を送る助けになります。
エコでんちでは、多数の蓄電池から、お客様のご家庭の設備状況やご要望に合わせて最適な一台をご提案します。停電時にも役立つ蓄電池をお探しの方は、ぜひ一度お問い合わせください。
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全負荷(全量負荷)と特定負荷で給電範囲が異なる
蓄電池を選ぶ際は、「全負荷型」と「特定負荷型」の違いを理解しておくことが大切です。
全負荷型と特定負荷型の違い
●全負荷型
家中のすべての分電盤に電気を供給するタイプ。停電時も、家中のどの部屋のコンセントや照明も普段通り使えます。
●特定負荷型
あらかじめ指定した特定の部屋やコンセント、設備にのみ電気を供給するタイプ。リビングやキッチンなど、生活に必要な場所を限定してバックアップします。
家全体をカバーしたいなら全負荷型、コストを抑えつつ必要最低限の備えをしたいなら特定負荷型がおすすめです。どちらがご家庭のライフスタイルに合っているか、専門アドバイザーに相談してみましょう。
停電時に太陽光発電と併用する蓄電池の選び方と設置方法

ここでは、停電対策として蓄電池を導入する際に知っておきたい、具体的な選び方のポイントと設置までの流れを解説します。
蓄電池の主な種類
家庭用蓄電池は、パワーコンディショナの機能によって主に3つの種類に分けられます。
蓄電池の主な種類
●単機能型蓄電池
太陽光発電のパワーコンディショナとは別に、蓄電池専用のパワーコンディショナを設置するタイプです。すでに太陽光発電を設置しているご家庭でも、メーカーを問わず後付けしやすいのがメリットです。
●ハイブリッド型蓄電池
太陽光発電用と蓄電池用のパワーコンディショナの機能が一体化したタイプです。電力の変換ロスが少なく、効率的に電気を使えるのが特徴。これから太陽光発電と蓄電池を同時に設置する方におすすめです。
●トライブリッド型蓄電池
ハイブリッド型の機能に加え、電気自動車(EV)への充放電もコントロールできるタイプです。太陽光で発電した電気を、家庭用とEV用の両方で無駄なく活用できます。
蓄電池を設置する方法
蓄電池の設置は、一般的に以下の流れで進みます。
1.専門業者へ相談・見積もり依頼
まずはエコでんちのような専門業者に連絡し、希望や現在の光熱費などを伝えます。
2.現地調査
専門スタッフが自宅を訪問し、設置場所や分電盤の状況などを確認します。
3.機種選定・契約
現地調査の結果とヒアリング内容をもとに、最適な機種の提案を受け、契約を結びます。
4.設置工事
専門の施工スタッフが蓄電池本体や配線などの設置工事を行います。工事は1〜2日で完了することがほとんどです。
信頼できる業者を選ぶことが、安心して長く使い続けるための重要なポイントです。
停電時の太陽光発電を活用した防災対策
太陽光発電と蓄電池は、単に電気を供給するだけでなく、在宅避難を支える強力な防災インフラとなります。ここでは、より実践的な防災対策としての活用法をご紹介します。
在宅避難時の電源供給
災害発生時、自宅が安全な場合は「在宅避難」が推奨されます。ハザードマップで浸水や土砂災害のリスクが低いことを確認し、建物の倒壊の危険がなければ、住み慣れた家で避難生活を送ることができます。
在宅避難において、電源の確保は生活の質を大きく左右します。
太陽光発電と蓄電池があれば、
●情報収集
テレビやスマートフォンで最新の災害情報や安否確認ができます。
●食料の確保
冷蔵庫が使えるため、食料の腐敗を防げます。
●照明の確保
夜間の不安を和らげ、安全に行動できます。
●暑さ・寒さ対策
エアコンや扇風機、電気毛布などが使え、体調管理に役立ちます。
このように、電気が使えることは、心身の健康を維持する上で非常に重要です。
在宅避難時に使用する家電製品の優先順位を決めておく
停電時に使える電気の量には限りがあるため、どの家電を優先して使うか、あらかじめ家族で話し合っておくことが重要です。優先順位を決めておくことで、限られた電力を効率的に使えます。
<家電製品の消費電力の目安>
家電製品 | 消費電力の目安 |
インバータエアコン(暖房時) | 6.6A |
照明(合計) | 2A |
テレビ(液晶42V型) | 2.1A |
冷蔵庫 | 2.5A |
IHジャー炊飯器(炊飯時) | 13A |
IHクッキングヒーター | 30A |
出典:東京電力エナジーパートナー「引越しこそチャンス!契約アンペア数を見直して賢く電気を利用する方法(くらしのアイデア)」
<優先順位の例>
最優先: スマートフォンの充電(情報収集)、冷蔵庫(食料保存)
優先: 照明、テレビ・ラジオ
必要に応じて: 炊飯器、電子レンジ、エアコン・扇風機
電力確保以外の防災対策や防災グッズ
電気の備えと同じくらい、水や食料などの備蓄も重要です。以下の防災グッズも合わせて準備しておきましょう。
備えおきたい防災グッズの例
●飲料水・食料
最低3日分、できれば1週間分。レトルト食品、缶詰、カップ麺など、調理が簡単なものが便利です。
●生活用水
お風呂の残り湯などを溜めておくと、トイレなどに活用できます。
●衛生用品
簡易トイレ、トイレットペーパー、ウェットティッシュ、常備薬など。
●熱源
カセットコンロとボンベ。お湯を沸かしたり、簡単な調理をしたりできます。
●情報収集ツール
電池式のラジオやモバイルバッテリー。
●その他
懐中電灯、軍手、救急セット、現金など。
日頃からこれらの備えをしておくことで、万が一の際も落ち着いて行動できます。
停電に備えて太陽光発電や蓄電池を導入する際に知っておきたい補助金情報

太陽光発電や蓄電池の導入には、国や自治体が実施する補助金制度を活用できる場合があります。これらの制度をうまく利用すれば、初期費用を大幅に抑えることが可能です。
国が実施している代表的な補助金には、電力の需給ひっ迫時に蓄電池の放電を促す「DR補助金」や、省エネ性能の高い住宅設備を支援する「子育てエコホーム支援事業」などがあります(※年度によって制度は異なります)。
また、お住まいの都道府県や市区町村が独自の補助金制度を設けているケースも少なくありません。
これらの補助金は予算や公募期間が限られているため、常に最新の情報を確認することが重要です。エコでんちでは、お客様が活用できる補助金制度の調査から申請サポートまで一貫して行っています。導入コストが気になる方は、ぜひお気軽にご相談ください。
停電時に在宅避難する時は太陽光発電と蓄電池がおすすめ!
この記事では、停電時における太陽光発電の活用方法から、蓄電池を併用するメリット、防災対策としての重要性までを解説しました。
太陽光発電は停電時に自立運転モードで電気を供給でき、蓄電池を併用すれば夜間や悪天候時も安心して電気を使えるようになります。さらに、200V機器への対応や出力の向上など、そのメリットは計り知れません。
災害への備えがますます重要になる今、太陽光発電と蓄電池の導入は、ご家族の安全と安心を守るための非常に有効な選択肢です。
エコでんちでは、各種メーカーの施工IDを所有する技術力の高い施工店のみと提携し、厳しい自社基準のもとで設置工事を行っています。
さらに、環境省認定の公的資格「うちエコ診断士」を取得した専門アドバイザーが、多数の製品からお客様のライフスタイルに最適な一台を選定・ご提案いたします。ご家庭の省エネや光熱費削減に関するアドバイスもお任せください。
どの太陽光発電や蓄電池を選べばいいか分からないという方は、ぜひ一度エコでんちへお問い合わせください。



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