電気料金の燃料費調整額とは何?2023年の電気料金高騰による影響についても解説
最終更新日:2023.07.21 お役立ち情報
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コロナ禍によるタンカー貨物輸送量の減少や、ロシアによるウクライナ侵攻の影響などで火力発電所の燃料となる原油や石炭、LNG(液化天然ガス)の資源価格が高騰しており、電気料金の値上げ傾向は2023年になっても収まっていません。
日本国内の電力会社は、ほとんどが大きな赤字を抱えている状況で、電力会社によっては今まで国によって上限が規制されていた「燃料費調整額」の上限撤廃を検討、もしくはすでに実施しています。
しかし、電気料金については請求書が来るままに支払い、その詳細について確認する機会は少ないでしょう。電気料金の何がどのように変わってきているのか、分からない方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、電気料金の「燃料費調整額」の仕組みと、上限撤廃の詳細について分かりやすく紹介します。
家計の電気料金負担を抑えるために、電気料金の仕組みについて詳しく知りたい方や、ご自宅の契約プランが上限撤廃に該当しているか気になる方などは、この記事を参考にしてみてください。
目次
電気料金の燃料費調整額に上限が定められている
「燃料費調整額」は、ほとんどの電気料金プランに含まれているものです。その金額は毎月変動しているのが特徴です。
まずは、電気料金の「燃料費調整額」の仕組みについて確認していきましょう。
燃料調達費の一部を国民が負担
燃料費調整額は、原油や石炭、LNG(液化天然ガス)など火力発電所の燃料調達にかかったコストの一部を使用者が負担するものです。
燃料費調整額は、電気料金の中に組み込まれており、その算出方法は下記のように表されます。
燃料費調整額(円)=毎月の電力使用量(kWh)×燃料費調整単価(円)
燃料費調整単価は平時の調達コストを基に、電気料金契約の中で事前に定められています。
実際に燃料の調達に掛かったコストが安ければ燃料費調整単価が下がり、その分が電気料金から差し引かれますし、反対に高ければ上乗せされます。
2022年は、冒頭でも触れたようにロシアによるウクライナ侵攻や、円安傾向が続く為替の影響などで燃料調達コストが高騰しているため、燃料費調整額の上乗せが続いています。
燃料費調整額は電力会社によって異なる
電気料金に含まれている燃料費調整額は、電力会社によって異なります。
大手電力会社の場合は、1kWhにつき3円台のケースもあれば30円以上で設定されているケースもあります。また、関西電力など一部の電力会社は、電力使用量10数kWhまで高い単価、10数kWhを超えると数円単位まで安くなるケースがあります。
燃料費調整額は、電気料金負担に関わる重要な項目です。電気料金プランの切り替えを検討している方は、基本料金や電力量料金の他、燃料費調整額の単価を確認してみましょう。
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燃料費調整額の上限が撤廃?
燃料費調整額の上限撤廃について、その意味することを解説していきます。
自由料金プランの一部は上限が撤廃されている
電気料金プランの中でも「自由料金プラン」の一部は、燃料費調整額の上限がもともと定められていないか、すでに上限が撤廃されています。(「自由料金プラン」とは、2016年4月の電力自由化以降に作られた電気料金プランのことです)
燃料費調整額の上限がないプランを契約している場合、燃料費高騰による値上げの影響を大きく受けてしまいます。電力使用量が毎月変わらなくても、燃料費調整額の加算によって電気料が値上がりしてしまうことになります。
規制料金は上限が設けられている
国によって価格に規制が掛けられている「規制料金プラン」の場合は、先述の「自由料金プラン」と異なり、燃料費調整額を含む各項目の値上げに関して一定の制限・上限が設けられています。
「規制料金プラン」とは、電力自由化前に作られている電気料金プランのことで、大手電力会社の従量電灯制などが該当します。基本料金や電力量料金の変更には国の許可が必要なため、価格が比較的安定したプランとなっています。
「規制料金プラン」での電力契約は、大きく値下がりしにくい替わりに、燃料費高騰などによる影響を受けづらく、燃料費が高騰している現在では新電力や自由料金プランよりも価格が安い傾向へと変わっています。
規制料金と自由料金ではどれくらいの価格差がある?
参考に、東京電力エナジーパートナーの自由料金プラン「スタンダードS」と規制料金プランである「従量電灯B」で比較してみます。
両者は原則として同等の電気料になるように料金単価が設定されていますが、燃料費調整額を決める要因となる「平均燃料価格」の上限があるかないかが大きく違う点です。
平均燃料価格と燃料費調整単価は下記の計算式で決まります。
平均燃料価格=A×0.1970+B×0.4435+C×0.2512
A=各平均燃料価格算定期間における 1 キロリットル当たりの平均原油価格
B=各平均燃料価格算定期間における 1 トン当たりの平均液化天然ガス価格
C=各平均燃料価格算定期間における 1 トン当たりの平均石炭価格
燃料費調整単価=(44,200円-平均燃料価格)×基準単価/ 1,000
規制料金プランである「従量電灯B」は、供給約款に「1キロリットル当たりの平均燃料価格が66,300円を上回る場合、平均燃料価格は66,300円といたします」との一文があり、これが燃料費調整額の上限を規制するものです。
2023年3月の燃料費調整単価は、「従量電灯B」が5.13円/kWhであるのに対し、「スタンダードS」は11.69円/kWhと、倍以上の価格差があります。
電気使用量が月400kWhの4人世帯のご家庭で燃料費調整額の価格差を試算してみました。
(11.69円/kWhー5.13円/kWh)×400kWh=2,624円
このように、燃料費調整額が撤廃された自由料金プランでは、電気料が2,624円も高くなることになります。
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燃料費調整額の上限撤廃は2023年も加速
さまざまな要因から燃料費調整額の上限撤廃に切り替えられたプランが各電力会社から出ています。
ここからは、燃料費調整額の上限撤廃に至る背景と現状、大手電力会社の動向について解説していきます。
原油や石炭、LNGの調達価格が高騰
電力会社が燃料費調整額の上限撤廃に至る理由の1つは、燃料費調達コストの高騰が止まらない点です。
国内の主な発電所は火力発電所ですので、燃料となる原油や石炭、LNGを調達する必要があります。しかし、日本は自国に油田といった資源がないため、海外から輸入しなければいけません。
海外の市場で燃料を購入しようとすると、各国の政治や紛争、戦争、為替相場などの要因が複雑に絡まり、燃料費の大幅な変動に巻き込まれます。
特に2022年は、ロシアによるウクライナ侵攻や急激な円安によって燃料費が高騰し続けている状況です。日本も例外ではなく、燃料調達費が値上がりし続けていて、電気料金の値上げに反映されています。
新電力会社は続々と上限の撤廃やプランの廃止など
新電力の場合は、燃料費高騰の影響を受けて燃料費調整額の上限撤廃やさらなる値上げ、式加入者の停止といったさまざまな対応に追われている状況です。
2021年頃から事業撤退する電力会社も出ています。撤退の理由としては、記録的な寒波と燃料制約により電力事業の採算が取れなくなっているためです。
2020年と2021年の冬は、数年に1度レベルの寒波で電力需要が急激に高まりました。さらに関西電力の所有している石炭火力発電所とLNG生産国の供給設備故障が発生してしまい、電力の需給バランスも崩れそうになりました。
政府は、燃料制約という大手電力会社の発電量を抑え、燃料の在庫を確保する政策へ舵を切ります。燃料制約は、燃料価格高騰というデメリットもあります。
すると新電力の中でも自社で発電所を所有していない新電力は、燃料価格高騰の影響を抑えられず事業運営が困難になります。
そのため、2021年頃から新電力の多くは、事業撤退もしくは電気料金の値上げや燃料費調整額の上限撤廃といった方向で動いている状況です。
大手電力会社は自由料金のプランで上限を撤廃
大手電力会社の場合は安定した事業運営を継続しているものの、事業採算の悪化によって自由料金プランの上限撤廃やプラン廃止といった施策を実施しています。
たとえば、北海道電力と東北電力、中部電力、四国電力、九州電力では、自由料金プランの燃料費調整額を2022年10月~12月に上限撤廃しています。
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規制料金メニューは値上がりの可能性
従量電灯制といった従来から存在する契約に適用されている規制料金は、2023年春頃に値上げされる可能性があります。
東京電力など大手電力会社10社中7社が、規制料金の値上げ検討および2023年春頃の値上げ実施に関するプレスリリースを発表しました。
値上げの主な検討理由は、燃料調達コストの高騰による経営悪化を防ぐためとしています。
電力会社 |
値上げ幅 |
値上げ予定時期 |
北海道電力 |
平均34.87% |
2023年6月 |
東北電力 |
平均32.94% |
2023年4月 |
東京電力EP |
平均29.31% |
2023年6月 |
北陸電力 |
平均45.84% |
2023年4月 |
中国電力 |
平均31.33% |
2023年4月 |
四国電力 |
平均28.08% |
2023年4月 |
沖縄電力 |
平均39.3% |
2023年4月 |
※各社HP発表による
規制料金であるため燃料費調整額の上限撤廃がなく、自由料金プランより負担が抑えられる可能性もありますが、それでも大幅な値上げとなり家計には大きなダメージとなります。
ただし、燃料費調整額の高騰と各電力会社の値上げ方針を受けて、政府の介入により2023年1月から規制料金の燃料費調整額の緩和措置が設けられています。
この措置により、2023年1月から8月までは7円、9月は3.5円が燃料費調整単価から引かれることになります。(低圧受電の場合の値引き額・2023年9月以降は未定)
※詳細については契約している電力会社へお問い合わせください。
参照:経済産業省HP 電気・ガス価格激変緩和対策の実施のため、電気・ガス料金の値引きを行うことができる特例認可を行いました
https://www.meti.go.jp/press/2022/12/20221216004/20221216004.html
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電気料金の上限撤廃による負担増加を抑えるには
最後に、電気料金の燃料費調整額の値上げや上限撤廃による家計負担増加を抑えるために押さえておくべきポイントを紹介します。
節電だけでは厳しい
節電のみで今後の電気料金値上げや燃料費調整額の上限撤廃に対応することは、極めて難しいでしょう。
燃料費調整額が値上げされてしまうと、毎月の電気使用量は変わらなくとも電気料金の負担増加に歯止めをかけられません。また、基本料金や電力量料金の値上げまで実施されてしまうと、さらに負担が増えてしまいます。
暖房や冷房の温度設定を抑えたり照明の使用頻度を下げたりといった節電には限界があり、なおかつ無理な活動で体調不良につながる場合もあります。
そのため、無理なく電気料金負担を抑えるには、節電+別の方法を検討するのが効果的です。
太陽光発電や蓄電池の導入で大幅な電気料金削減が可能
無理なく電気料金負担を抑えるには、太陽光発電や蓄電池の導入がおすすめです。
住宅用太陽光発電を自宅の屋根やカーポートなどに設置すれば、発電した電気を自宅の家電製品や生活家電に使用できますし、余った電気を電力会社で買い取ってもらえます。
さらに蓄電池+太陽光発電の生活なら、余った電気を貯めておき、発電できない夜間や電力使用量の多い時間帯に効率よく自家消費することが可能です。
特にハイブリッド型の家庭用蓄電池(太陽光発電向けの蓄電池)は、高い変換効率を期待できますし、売電収入優先(蓄電を抑える)や自家消費優先(電気をより多く貯めて消費する)モードなど目的に応じて機能を切り替えられるのが強みです。
一般的なご家庭で太陽光発電と蓄電池を設置するための初期費用は、合計200万円前後を見込んでおく必要があります。
メーカー間の価格競争と技術の進歩によって設置費用は下がっており、太陽光発電向けの低金利ローンも用意されているなど、設置のハードルは年々下がっています。
固定価格買取制度(FIT)による売電収入と、発電分の自家消費や蓄電池を利用した電気料金の削減によって、たった10年程度で投資金額を回収できる可能性もあります。
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電気料金の上限撤廃に対応するには蓄電池や太陽光発電の導入がおすすめ
電気料金の燃料費調整額は、燃料調達コストに応じて増減されています。2023年も調達コストは高騰しているため、燃料費調整額の上限が撤廃された自由料金プランも増えており、規制料金プランにおいても大幅な値上げを予定している電力会社も多くあります。
今後の電気料金の値上げに対抗し、少しでも家計負担を軽くしたい方や、節電だけでは電気料金を抑えられない方は、今回の記事を参考にしながら太陽光発電や蓄電池の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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