太陽光発電はインボイス制度の影響を受ける?消費税の仕組みについても解説
最終更新日:2023.12.06 太陽光発電
2023年(令和5年)10月1日から始まるインボイス制度は、多くの事業者に影響を与えている制度です。太陽光発電事業者や太陽光発電を所有している個人にとっても関係があるため、早めに内容や影響を確認しておくことをおすすめします。
そこで今回は、インボイス制度の仕組みや太陽光発電への影響についてわかりやすく紹介します。住宅用太陽光発電を所有している個人の方や住宅用太陽光発電を導入したいものの消費税の負担がかかるのか知りたい方などは、参考にしてみてください。
消費税の仕組みについておさらい
事業者が納付する税金
そもそも消費税は、事業者が納付しなければいけない税金の一種です。
さまざまな商品やサービスに課されているのが特徴で、太陽光発電の売電収入にも含まれています。消費税を負担しているのは、各商品やサービスを利用している消費者です。
たとえば、スーパーの野菜には、消費税が上乗せされています。野菜を購入する際に消費者は価格+消費税を支払うため、あくまで負担者は消費者という仕組みです。
消費税を受け取った事業者は、確定申告の際に納付します。
課税事業者と免税事業者は納付義務が異なる
消費税を納付義務が課されているのは、課税事業者に区分されている法人や個人です。
課税事業者には消費税の納付義務が課されていて、免税事業者には課税義務がありません。
年間の課税売上が1,000万円を超えている事業者は、消費税の課税事業者として区分されます。たとえば、2023年の売上1,000万円を超えた免税事業者は、消費税課税事業者届出書(基準期間用)を管轄の税務署へ提出し、課税事業者として消費税の納付を行う必要があります。
年間の課税売上1,000万円以下の場合は、免税事業者として事業を継続することが可能です。また、何らかの理由で課税事業者へ登録したい場合は、売上1,000万円以下でも免税事業者から課税事業者へ変更できます。
特に消費税還付を受けたい時は、課税売上1,000万円以下の状態でも課税事業者へ登録することで手続きを進めることが可能です。(消費税還付:受け取った消費税より支払った消費税が多い場合に還付金を受けられる)
仕入れの際に支払った消費税を控除できる
消費税の課税事業者として事業活動を行う際は、仕入れの際に支払った消費税を控除できます。
消費税の計算を行う際は、以下のような式で課税額を求めます。
消費税の課税額=売上に含まれる消費税(受け取った消費税)–仕入れの際に支払った消費税
たとえば、売上に含まれる消費税1,000円、仕入れの際に支払った消費税500円という場合は、消費税の納付額1,000円-500円=500円という計算です。
仕入れの際に負担した消費税を控除(差し引く)できるのは、課税事業者にとってメリットのあるポイントといえます。
また、今回のテーマでもあるインボイス制度は仕入れ額控除に関する内容なので、消費税の計算や控除に関する部分を覚えておきましょう。
インボイス制度とは何?
続いては、インボイス制度の目的や仕組みについてわかりやすく紹介していきます。
消費税額の仕入れ控除に関する要件に関する制度
インボイス制度は、適格請求書発行事業者になるための制度です。制度の開始時期は、2023年10月1日とされています。
対象事業者は消費税の課税事業者で、インボイス制度の登録手続きを進めると消費税額の仕入れ控除に関する手続きを進められます。
なお、免税事業者の中でインボイス制度を受けたい事業者は、まず課税事業者としての登録を行わなければいけません。
インボイス制度の登録事業者は、適格請求書発行事業者と呼ばれます。
2023年10月1日以降、仕入れ額に含まれる消費税を控除に活用したい場合は、インボイス制度登録事業者から商品を仕入れなければ申請できません。
適格請求書発行事業者未登録の事業者から11,000円(税込)の商品を仕入れた場合、消費税額1,000円を確定申告の控除に活用できないということです。一方、適格請求書発行事業者登録済みの事業者から仕入れた場合は、仕入れ額に含まれる消費税を控除に活用できます。
また、適格請求書発行事業者として登録していれば、消費税額の仕入れ控除を行うことが可能です。
太陽光発電システム検索
「タイプ」「メーカー」で絞り込み検索ができます。
適格請求書発行事業者になるには登録が必要
インボイス制度の適格請求書発行事業者になるには、国税庁HPから専用の様式をダウンロードし、電子申請もしくは紙による郵送どちらかの方法で提出します。
電子申請を行いたい場合は、国税庁へ提出する必要があります。紙書類による提出を希望している場合は、管轄のインボイス登録センターへ提出する流れです。
インボイス制度の登録完了後は、適格請求書発行事業者の登録番号が交付されます。仕入れに関する請求書を作成する際は、適格請求書という仕入れ額や消費税を示した書類に登録番号も記載します。
買い手は、消費税の確定申告の際に適格請求書から登録番号を確認および提出します。
インボイス制度開始日の2023年10月1日までに適格請求書発行事業者へ登録したい場合は、2023年3月31日までに手続きを済ませる必要がありました。つまり、2023年4月以降に登録手続きを行う場合は、インボイス制度開始以降に適格請求書発行事業者として登録されます。
インボイス制度未登録のままでは買い手から取引を見直される可能性も
インボイス制度未登録の課税事業者や消費税の課税事業者ではない免税事業者は、買い手から取引や仕入れ額などの見直しによるリスクを負う可能性があります。
適格請求書発行事業者ではない課税事業者や免税事業者からの仕入れは、仕入れ額控除を受けられないコストの大きな取引としてみなされます。そのため、仕入れ業者は、インボイス制度へ登録している事業者からの仕入れを検討し始める可能性があります。
このようなリスクが生じることから免税事業者をはじめとした中小事業者は、インボイス制度への登録を検討したり申請したりしている状況です。
FIT型太陽光発電所有者はインボイス制度の影響を受ける?
インボイス制度の特徴や状況を把握したあとは、住宅用太陽光発電の導入時にインボイス制度の影響を受けるのか、会社員や主婦も適格請求書発行事業者にならなければいけないのか、といった点について確認していきましょう。
2023年5月時点で免税事業者でも固定買取価格に変更はない
2023年5月時点でFIT型住宅用太陽光発電を導入している・これから導入する方は、インボイス制度の登録状況にかかわらず規制を受けることはありません。
経済産業省の資源エネルギー庁では、免税事業者に対して課税事業者への登録およびインボイス制度の申請を求めていません。
一般的に会社員や主婦といった方は消費税の課税事業者ではないので、特にインボイス制度へ対応しなくとも問題ないということです。また、FIT制度の固定買取価格が引き下げられることもないので、これまで通りの単価で売電収入を得られます。
このように住宅用太陽光発電を検討している個人の方は、インボイス制度への対応について考慮不要です。
出典:資源エネルギー庁ウェブサイト(インボイス制度関連|FIT・FIP制度|なっとく!再生可能エネルギー (meti.go.jp))
課税事業者でも住宅用太陽光発電は消費税の課税対象外
FIT型住宅用太陽光発電の余剰買取で得た売電収入は、消費税の対象外とされています。
また、免税事業者はもちろん、消費税の課税事業者として働いている事業者や会社員などは、住宅用太陽光発電の売電収入に含まれる消費税の仕訳などが不要です。
そのため、住宅用太陽光発電に関しては、インボイス制度の影響を受けずに始められる再生可能エネルギー設備といえます。
太陽光発電システム検索
「タイプ」「メーカー」で絞り込み検索ができます。
課税事業者かつ住宅用太陽光発電以外は買取義務者へ報告が必要な場合も
消費税の課税事業者として事業を行っている個人事業主や企業は、適格請求書発行事業者への登録が求められています。また、産業用太陽光発電を運用している場合は、インボイス制度に沿って消費税の仕分けを行う必要があります。
経済産業省の資源エネルギー庁HPによると、産業用太陽光発電などで売電を行う際は、インボイス制度の登録手続きと登録番号を買取義務者へ提出が求められます。買取義務者は、管轄の電力会社を指しています。FIT制度を活用して売電を行う場合は、大手電力会社10社のうち1社に電力を買い取ってもらえます。
たとえば、東京電力エリアでFIT認定を受けた場合は、東京電力パワーグリッド株式会社へ登録番号を提出します。
また、2023年度以降にFIT認定を受けながら産業用太陽光発電で売電収入を得たい場合は、インボイス制度へ登録しなければいけない可能性があります。なぜなら、インボイス制度の登録が、FIT認定の要件に盛り込まれる予定のためです。
これから産業用太陽光発電を導入する場合は、FIT認定要件とインボイス制度の影響や最新情報について適宜確認することが大切です。
出典:資源エネルギー庁ウェブサイト(インボイス制度関連|FIT・FIP制度|なっとく!再生可能エネルギー (meti.go.jp))
住宅用太陽光発電ならインボイス制度の影響はなし!
インボイス制度は、消費税の仕入れ額控除を受けるために必要な新制度で、2023年10月1日から始まります。住宅太陽光発電の売電収入については、消費税の課税対象外とされています。そのため、複雑な手続きを行いたくないという方も住宅用太陽光発電に関しては、これまで通り消費税の負担を考えずに運用し続けることが可能です。
電気料金を削減したい方やエネルギーの自給自足を求めている方は、今回の記事を参考にしながら住宅用太陽光発電や家庭用蓄電池の比較検討を進めてみてはいかがでしょうか。
エコでんちは、家庭用蓄電池を中心に住宅用太陽光発電やV2Hの施工販売、光熱費削減へ向けた家計診断サービスを行っています。
設置後のアフターフォローサポートでは、年に1度太陽光発電や蓄電池の機器点検をはじめ、外壁や屋根の点検に対応しています。
お電話やメールフォームの他、公式LINEからもお気軽にご相談ください。
お問い合わせはこちらから
ご相談したい内容を
下記よりお選びください
(複数選択可)
残念ながら安さを売りにするあまり
工事品質・サポート・保証を削って
安くしている販売店が一括見積サイトや
激安店には多くみられます。
エコでんちなら、安心と品質を
最優先にした設置とサポートで、
お客様の期待を超えるサービスを
最安値クラスでご提供します。
-
業界最大級の実績!
月間12万人がサイト利用グループ会社で多数の工事実績とメーカーとの
研修で知識も経験も豊富。 -
信頼の施工体制で
安全と品質を約束各種メーカーの施工ID保有の部材に
こだわったメーカー認定施工店のみと提携。 -
安心の全国対応!
コールセンター完備で
充実サポートメーカーがお休みの
土日祝日も営業。
導入後のサポート体制も万全。
- どんな内容の相談でも大丈夫ですか?
- はい、大丈夫です。太陽光や蓄電池、V2Hの設置に関するお悩みをご相談ください。
- 費用が発生したり、後でしつこい営業されませんか?
- ご安心ください。完全無料でメールやLINE、電話、オンラインでのご案内になります。ご自宅への訪問やしつこい営業は一切しておりません。