太陽光発電の仕組みや知っておくべき基本の知識
最終更新日:2024.10.25 太陽光発電
近年、環境への配慮や自家消費を目的として、住宅用太陽光発電を設置する一般のご家庭や企業が増えてきました。
太陽光発電が太陽の光で発電ができる仕組みだということは広く知られていますが、詳しい発電方法や仕組みについてはまだまだ知られていません。
人によっては、住宅用太陽光発電についてよくわからないために導入をためらっている方も多いかと思います。
そこで今回は、太陽光発電の仕組みと基礎知識について詳しく解説します。
これから太陽光発電の導入をしたいと考えている人は、ぜひ目を通してみてください。
目次
太陽光発電の仕組み
太陽光発電で発電する仕組みを覚えるには、主にどのような機器で構成されているのか確認しておくのが大切です。
それでは、主な構成機器と仕組みについてわかりやすく解説していきます。
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光を電気へ変換する太陽光パネル
太陽光発電を支える主な機器の1つが、太陽光パネルです。
太陽光パネルは、光電効果という光を電気へ変換する機能があります。住宅の屋根やカーポートなど影の作らない場所に取り付けると日光を吸収し、電気に変換および発電してくれます。
光を電気に変換できる理由は、半導体が組み込まれているからです。
太陽光パネルの内部には、太陽電池という半導体が組み込まれています。また、太陽電池には、N型シリコン半導体とP型シリコン半導体という2種類の半導体があります。各半導体の間(PN接合面)に光を当てると、N型半導体に電子、P型半導体に正孔が集まり、電気を発生させます。
つまり、光を当て続けると発電し続けるのが、太陽光パネルの機能であり役割でもあります。
太陽光パネル内に搭載されている太陽電池はセルという単位で呼ばれています。また、セルを複数並べたものをモジュール単位と呼び、太陽光パネル1枚分=モジュールになります。
さらに、モジュールを複数接続した状態は、アレイと呼びます。
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太陽光パネルを固定する架台
太陽光パネルに日光を効率よく当てるには、太陽に対して設置角度や向きを調整する必要があります。しかし、太陽光パネル本体は文字通りパネル形状なので、固定するための部品などが含まれていません。
そこで必要になるのが、架台という部品です。
架台は、太陽光パネルを支える固定用の部品で、アルミニウムやスチール、ステンレスなど製品によって材質が異なります。また、架台に固定する際に太陽光パネルの設置角度を調整できるため、光の当たりやすい位置で運用することが可能です。
特にアルミニウム製の架台は、他の材質より安いのが特徴です。一方、強度面では、スチールやステンレス製の方が強い傾向といえます。
太陽光発電を設置する際は、太陽光パネルだけでなく架台の種類や強度も含めて施工販売店へ相談することをおすすめします。
電気の制御を担うパワーコンディショナ
太陽光パネルと同じく太陽光発電で重要な機器の1つが、パワーコンディショナです。
パワーコンディショナは、太陽光パネルから流れてきた直流の電気を交流へ変換し、自宅のコンセントや住宅設備へ供給および電力の制御を行ってもらえる機器を指しています。
普段、私たちが使用している電子レンジやエアコン、冷蔵庫、テレビなどあらゆる家電製品や精密機器は、どれも交流という電気で動いています。また、照明やIHクッキングヒーターなど住宅設備も交流の電気で動くため、太陽光パネルから発電された直流の電気で稼働できません。
つまり、太陽光パネルだけでは、電気を活用できない状態です。
パワーコンディショナは電気の直流・交流変換を行い、なおかつ系統連系保護とMPPTという機能によって出力の調整を行います。
系統連系保護とは、急激な電圧上昇、停電といった突発的な変動の際に太陽光発電システムを外部や自宅の電力から切り離し、故障などを防ぐ機能です。
MPPTは、太陽光パネルの電圧と電流を一致させて、発電量を最大化させる機能で、より多くの電力を取り出すために必要です。
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分電盤
分電盤は、パワーコンディショナから変換された交流電力をコンセントや住宅設備に供給する機器を指しています。また、太陽光発電で発電した電気を売電する時は、分電盤から送電線に送り出します。
そのため、分電盤が正常に機能していなければ、自家消費や売電を行えないといえます。
なお、住宅用太陽光発電の設置時は、自宅に取り付けられている分電盤とは別に太陽光発電用の分電盤が導入されます。
その他周辺機器
前述で紹介した機器の他には、電気を送るための配線類が挙げられます。
配線類に傷が入っていると漏電やショートといった事故につながるため、施工業者による定期点検の必要な箇所でもあります。
また、太陽光発電では、複数の太陽光パネルを設置するため、各パネルから電流が流れます。そのままでは、パワーコンディショナで処理できないため、接続箱という機器で直流の電力を1つにまとめます。
他には、太陽光発電の発電量や消費電力量、異常の有無を知らせるモニターが、自宅に設置されます。
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太陽光発電で発電する流れと仕組みを解説
太陽光発電の各種機器と発電の基本的な仕組みを把握したあとは、どのような流れで発電および自家消費・売電を行うのか一連の流れを見ていきましょう。
1.太陽光パネルで光を吸収
2.太陽光パネルから直流電力を発電
3.各パネルから流れてきた直流の電力を接続箱で1つにまとめる
4.接続箱から流れてきた直流電力をパワーコンディショナで交流電力に変換
5.分電盤を通して各部屋のコンセントや住宅設備、蓄電池などへ供給
6.発電量などの情報を専用のモニターで監視
7.スマートメーターで売電量などを常時計測
なお、太陽光発電設備によっては、HEMSという機器と合わせて導入できるケースがあります。HEMSとは、自宅の家電製品や照明などをライフスタイルに合わせて自動でコントロールし、無駄な消費電力を減らしてくれる機器のことです。
スマートメーターは、電力会社が随時切り替えているインターネットに接続された電力量計で、太陽光発電の設置にかかわらず無料で工事が進んでいます。
太陽光で発電できる電気の量
実際に太陽光発電を導入すると、どれくらいの電力が発電できるのかについて気になっている人も多いでしょう。
太陽光発電協会(JPEA)によれば、設置容量1kWあたりで年間約1,000kWhの太陽光発電ができると発表されています。※1
もちろん、天候や設置条件によって異なるため一概に言えませんが、4.5kWの発電設備を設置すると、年間4,500kWhの発電が期待できることになるのです。一般的な家庭の平均年間電力消費量を約5,000kWhだと仮定すると、9割もの電力が太陽光でまかなえることになります。
実際は、発電の行われる日中に全ての電気を自家消費できるわけではないので、9割未満にはなるものの、余った電力を売電することが可能です。FIT制度の固定買取価格で売電できれば、固定の単価で10年間売電収入を得られます。(出力10kW未満の場合)
このように、太陽光発電は意外にも多くの電力を発電してくれるシステムです。太陽光発電を導入することで、家庭で使う電気の多くをまかなえるケースもあります。
※1 太陽光発電協会(JPEA)|太陽光発電により、家庭で使用する電気を全部まかなえますか?
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太陽光発電の5つの特徴
ここからはより太陽光発について知るために、特徴について詳しく見ていきましょう。
1.環境への負荷を減らせてエコ
太陽光発電は光エネルギーで発電できるため、CO2の排出を排出しない次世代型の発電方法といえます。
なお、CO2排出のない発電方法は、再生可能エネルギーと呼びます。
現在、ベースロード電源(一定の発電量を常時見込める設備)として活用されている火力発電は、24時間一定の発電量を見込めるものの、温室効果ガスの排出という点で環境に負荷がかかります。また、火力発電に必要な化石燃料は有限なので、いずれ枯渇してしまう点も課題の1つといえます。
一方、太陽光発電に必要な太陽光は、化石燃料とは異なり燃料枯渇の心配がありません。また、繰り返し発電できますし、CO2を含む温室ガスの排出量のないクリーンなエネルギーです。
地球温暖化の抑制が課題になっているこれからの時代、太陽光発電を含む再生可能エネルギーは、より重宝される発電方法になっていくでしょう。
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2.さまざまな場所に設置可能
太陽光発電の場合は、エンジンやタービンといった部品を必要としません。そのため、
シンプルな構造でメンテナンスしやすく、設置場所に困らないというメリットがあります。
とくに摩耗が少ない太陽電池モジュールは、環境によっては20~30年使用できるといった報告もあります。
近年ではホコリや汚れが付着しにくい、防汚コーティングの施された太陽光パネルも販売されているので、洗浄の頻度を減らしても発電量の低下リスクを抑えやすい状況になりつつあります。
ただし、太陽光発電は「4年に1度以上」のメンテナンスが推奨されています。
長期間メンテナンスせずに使用し続けると、発電量の低下や故障を招くので、定期的な点検は欠かさずに行いましょう。※2
※2 太陽光発電協会(JPEA)|太陽光発電システム保守点検ガイドライン【住宅用】
また、改正FIT法によって住宅用太陽光発電も、メンテナンス義務化の対象設備としてみなされています。施工業者やメンテナンス専門業者へ点検を依頼し、早めに修理や交換を進めていくのが大切です。
3.住宅用太陽光発電なら土地の購入不要
住宅用太陽光発電を設置する場合は、事業用太陽光発電と異なり別途土地を取得せずに運用することが可能です。
住宅用太陽光発電の設置場所は、一般的に自宅の屋根です。そのため、別途山間部など広い土地を購入せずに済むため、土地の購入費用や維持管理を避けられます。
また、最近では、カーポートの屋根に取り付けるソーラーカーポートというタイプも販売されているので、景観やその他理由から自宅の屋根に取り付けられない・自宅の屋根に取り付けたものの更に発電量が欲しいという場合にもおすすめです。
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4.停電時でも発電可能
太陽光発電には自立運転モードという仕組みがあるので、停電時でも発電を継続できます。
通常、太陽光発電は、連系運転という電力会社の電力網と接続された状態で発電しています。そのため、太陽光発電の仕組み上、停電してしまうと発電を継続できないのが特徴です。
そこで手動もしくは自動で自立運転モードへ切り替わると、電力会社の電力網から切り離された状態になり、太陽光発電のみで発電・送電できるようになります。
そのため、日中に日光が差し込んでいれば発電できますし、出力の範囲内で複数の家電製品を使用することが可能です。
自立運転モードの出力は、通常1,500Wです。つまり、家電製品や照明などの合計消費電力1,500W以下なら、同時に使用できるということです。
自宅での避難生活を送る上で大切な電気を確保できるのは、太陽光発電の大きなメリットといえます。
5.家庭用蓄電池と併用できる
蓄電池とは、充電をすることで繰り返して使用できる二次電池のことです。
また、家庭用蓄電池は、太陽光発電と連携可能でなおかつ屋外もしくは屋内に固定させるタイプの蓄電池を指しています。
蓄電容量は、4kWh程度の小型タイプから10kWh以上の大型タイプまで幅広く、メーカーや製品によって異なります。
家庭用蓄電池を併用すると、太陽光発電で発電した電気を貯められるようになります。
たとえば、日中に発電した電気を家庭用蓄電池へ貯めておき、夜間や消費電力の多い時間帯に消費すれば、電気代削減効果を伸ばすことが可能です。
また、家庭用蓄電池にも自立運転モードがあるので、停電時に発電した電気を貯められますし、いつでも消費できます。発電ができない夕方や夜間、早朝でも電気を使用できるようになるのは、家庭用蓄電池の大きなメリットです。
防災対策、電気代削減効果という点でも太陽光発電と蓄電池の併用は、おすすめの運用方法です。
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太陽光発電で発電した電気は売電できる
太陽光発電の仕組みで悩んでいる方の中には、発電した電気をどのように活用できるのかという点ではないでしょうか。
太陽光発電で発電した電気は、全量自家消費もしくは自家消費と余剰電力の売電いずれかの方式で活用できるようになります。
太陽光発電も対象のFIT制度と(固定価格買取制度)いう国の制度は、一定期間固定の単価で売電を継続できるのが特徴です。出力10kW未満の住宅用太陽光発電なら、10年間固定の単価で余剰電力を売電することが可能です。
ちなみに売電を行える期間は、経済産業省によって定められています。※3
● 10kW未満:10年間
● 10kW以上:20年間
また、余剰電力の売電は、自家消費=発電した電気を自宅で消費したあと、余った電力を売電できるという意味です。
つまり、住宅用太陽光発電の導入時にFIT制度の認定を受ければ、自家消費によって電力の購入量を削減=電気代を削減できますし、使いきれなかった電力を売電することで収入も得られます。
FIT制度の適用期間が終了したあとは、発電した電気を全て自宅で消費する全量自家消費という方式で運用できますし、電力会社で提供されている売電プランを結び、新たに売電を始めることも可能です。
このように発電した電気の消費による電気代削減、売電による収入の確保という2つのメリットを得られるのは、太陽光発電の強みといえます。
なお、FIT制度については今後制度が見直される可能性もあるので、希望する人はできるだけ早い段階で参入しておくことが大切です。
【まとめ】太陽光発電の仕組みを理解してお得に生活しよう!
太陽光発電は、光エネルギーを利用して発電する仕組みになっています。
そのため、ガソリンやガスなどの燃料は不要なので、燃料コストのかからない発電設備です。また、CO2を排出しない再生可能エネルギーで、環境汚染が深刻化する今後はさらに太陽光発電が注目されていくでしょう。
発電した電気については、FIT制度の認定状況によって変わります。認定を受けている場合は、先に自家消費を行い、使いきれず余った電力を売電していく仕組みです。
FIT制度を受けていないもしくは適用期間が終了した場合は、発電した電気を全て自家消費したり余った電力を蓄電池に貯めたりしながら活用したりすることも可能です。また、新たに電力会社と契約し、卒FIT後も売電を継続できるようになっています。
光熱費の負担が気になっている方や停電時の電気をどう確保すべきか悩んでいる方は、今回の記事を参考にしながら住宅用太陽光発電を検討してみてはいかがでしょうか。
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