ペロブスカイト太陽電池とは?仕組みやメリット・デメリット、開発動向についてわかりやすく解説!
最終更新日:2024.09.04 太陽光発電
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2050年のカーボンニュートラルを目指して国では、再生可能エネルギーの普及促進に向けた政策を進めています。太陽光発電に関しては、ペロブスカイト太陽電池の研究開発に力が入れられており、実用化に向けた動きも見せています。
そこで今回は、ペロブスカイト太陽電池の特徴とメリット、デメリット、開発動向について解説します。
最新の太陽光パネルを導入したい方やペロブスカイト太陽電池の意味について知りたい方などは、ぜひ参考にしてみてください。
目次
ペロブスカイト太陽電池とは
ペロブスカイト太陽電池とは、ペロブスカイト結晶構造を持つ材料で製造された太陽電池のことです。ペロブスカイト結晶構造は、立方体のような形状の中に3種類の異なる性質を持つイオンや原子が配置されたものを指しています。
また、ペロブスカイトは灰チタン石を指していたものの、灰チタン石以外の物質で構成された結晶構造も出てきました。そのため、ペロブスカイトは、必ずしも灰チタン石を指すものではありません。
そして、ペロブスカイト太陽電池の構造は、上面からフィルム・発電層・電極・フィルムという順番で作られているのが特徴です。発電層の内部については、中央にペロブスカイト層、両端にホール輸送層という構造です。さらに、発電層を挟みこむ形で電極が組み込まれています。
光を吸収したペロブスカイト太陽電池は、発電層で電子と正孔を生み出し、かつ電荷の移動を生じさせて発電する仕組みです。
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ペロブスカイト太陽電池と従来の太陽地電池との違い
ペロブスカイト太陽電池は、シリコン系太陽電池や化合物系太陽電池よりもスピーディに製造できるのが特徴といえます。
また、主流でもあるシリコン系太陽電池と比較した場合、ペロブスカイト太陽電池の方が軽量で、なおかつ薄型の形状で構成されています。さらにシートのように曲げられるため、さまざまな形で固定できるのが、既存の太陽電池との大きな違いです。
また、発電効率については、シリコン系太陽電池や化合物系太陽電池に匹敵する性能を持っています。
このように軽量・薄型・発電効率の高さが、既存の太陽電池と異なるポイントです。
ペロブスカイト太陽電池のメリット
続いては、ペロブスカイト太陽電池の主なメリットをわかりやすく解説していきます。
軽量薄型で形状を調整しやすい
ペロブスカイト太陽電池のペロブスカイト膜は、印刷のようなイメージで塗布できるため、既存の太陽電池よりも軽量かつ薄型の状態で製造できるようになっています。シリコン系太陽電池と比較した場合、約100分の1の薄さです。
現在、主流のシリコン系太陽電池は、曲げてしまうと割れてしまいます。また、本体の割れを防ぐためにガラスで保護されているため、そもそも曲げや複雑形状に対応していません。
一方、ペロブスカイト太陽電池は、基盤にペロブスカイト膜を塗布したもので、本体を曲げられる構造です。そのため、複雑な形状の場所に設置できるのが、大きなメリットといえます。
高い発電効率を持つ
ペロブスカイト太陽電池の研究開発は進み、シリコン系太陽電池などと同様に変換効率15~20%前後を記録しているのも強みの1つです。
ペロブスカイト太陽電池は、元々数%程度の発電効率しかありませんでした。その後、技術開発によって少しずつ発電効率が改善していき、10%を超えるレベルまで性能を保っています。
ただし、面積を大きくしてしまうと各箇所の変換効率にばらつきが生じてしまうため、今後の技術開発・改善に注目です。
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低コストで生産可能
ペロブスカイト太陽電池は、低コストで生産できる可能性があります。
前半でも触れたようにペロブスカイト太陽電池は、既存の印刷技術を用いてペロブスカイト膜を塗布できるため、複雑な生産設備の導入不要で生産できます。
また、ペロブスカイト太陽電池は軽量・薄型設計の構造で、なおかつレアメタル不要で生産できます。既存のシリコン系太陽電池と比較して材料のコストを削減できるのが、大きなメリットです。
さらに、主要な原料のヨウ素は世界シェア2位の日本で調達できるため、国内メーカーにとってコストを抑えながら生産しやすい新しい太陽電池といえます。
低照度でも発電可能
曇りの日や雨の日、早朝・夕方といった低照度の環境でも発電できるのは、ペロブスカイト太陽電池のメリットといえます。
通常、シリコン系太陽電池で構成された太陽光パネルは、雨の日や曇りの日に発電量が低下してしまいます。また、夕方や早朝といった低照度の環境では、発電の難しい状況です。最近では、低照度環境でも発電可能なN型太陽光パネルも製造されているものの、軽量薄型とはいえません。
一方、ペロブスカイト太陽電池は、N型太陽光パネルのように早朝や夕方でも発電できます。さらに、室内の照明でも発電できる性能を持っているのが、大きな特長です。
今後、量産化された場合は、住宅用・事業用太陽光発電のほか、小型機器などにも応用される可能性があり、注目の太陽電池といえるでしょう。
ペロブスカイト太陽電池のデメリット
さまざまなメリットを持つペロブスカイト太陽電池ですが、技術的課題やデメリットも存在しています。
それでは、ペロブスカイト太陽電池のデメリット、技術的課題について解説していきます。
大きな面積で安定的に発電することが難しい
現在流通しているシリコン系太陽光パネルのようなサイズで製造した場合、発電効率にばらつきが生じてしまいます。
太陽光発電で重要なポイントは、一定の発電効率を保つことです。しかし、ペロブスカイト太陽電池の発電効率は不安定のため、小さな面積でしか一定の発電量を期待できません。
今後、商用利用するためには、発電効率の安定性を確立させる必要があります。
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耐用年数が短い
ペロブスカイト太陽電池の耐用年数は、一般的に5~10年とシリコン系太陽光パネルより短い傾向です。
太陽光発電の費用回収期間は、住宅用で10年程度、産業用で12年程度とされています。また、費用回収後も10年以上運用するのが一般的です。そのため、ペロブスカイト太陽電池は、住宅用・産業用太陽光発電で運用しにくい状況といえます。
一方で、積水化学工業株式会社は、2025年までに耐用年数20年を目指す方針を示すなど、事業用として活用するための研究開発が進んでいます。
数年後、ペロブスカイト太陽電池は、シリコン系太陽光パネルと同様に20年以上稼働できる可能性もあり、注目の製品です。
紫外線などの影響を受けやすい
ペロブスカイト太陽電池は、湿度や紫外線などの影響を受けやすいといったデメリットがあります。屋外で長期間稼働させる太陽光発電システムへ導入するには、大きな課題といえます。
太陽光発電システムは気温や湿度、紫外線、風や雨の影響を受けるため、一定の耐久性が必要です。実用化のためには、ペロブスカイト太陽電池の耐久性向上が求められています。
なお、市場に流通しているシリコン系太陽光パネルは、30年以上稼働可能で、なおかつ気温30℃以上・0℃近い環境でも発電できます。また、製品によっては、積雪荷重や風圧に強い仕様の太陽光パネルも販売されています。
エコでんちでは、さまざまな種類の太陽光パネルを取り扱っています。風・雪・気温・湿度などの影響が気になる方も、ぜひお気軽にご相談ください。
ペロブスカイト太陽電池の開発動向
前段でも紹介したように積水化学工業株式会社では、ペロブスカイト太陽電池の研究開発を進めていて、2025年頃の実用化に向けた実証実験を行っています。
また、パナソニックHDでは、建材にペロブスカイト太陽電池を組み込んだガラス建材を開発し、壁面への設置および実証実験を行っています。他の太陽光パネルとは異なり、ガラスの代替品として活用可能な点が特徴の1つです。
東芝エネルギーシステムズ株式会社は、2024年5月31日に福島県大熊町と共同で実証実験をスタートしています。大熊町役場内には、約30cm×100cmのペロブスカイト太陽電池が4枚設置され、照明などに給電される予定です。
いずれのケースも2025年頃・以降の実用化を目指しているのが、注目すべきポイントといえます。つまり、近い将来一般ユーザーもペロブスカイト型太陽光発電システムを導入できる可能性があります。
ペロブスカイト太陽電池の固定買取価格
2024年3月7日、経済産業省では、ペロブスカイト太陽電池をFIT制度の対象設備に加える方針を示しました。さらに、ペロブスカイト型太陽光パネルの固定買取価格は、既存の太陽光パネルよりも高い水準で設定される予定となっています。
今後、ペロブスカイト型太陽光パネルが実用化された場合は、FIT制度の売電収入を伸ばしやすくなる可能性があります。
これから住宅用太陽光発電の導入を検討する方は、ペロブスカイト型太陽光パネルとFIT制度の動向を注目するのがおすすめです。
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まとめ
ペロブスカイト太陽電池は、これまでの太陽電池と異なり印刷技術などで生産可能な軽量・薄型の特徴を持っています。また、太陽電池本体を曲げることが可能なので、曲面部分や複雑な形状の壁や床などに設置できます。
実用化は2025年以降とされているので、現状ではシリコン系太陽光パネルを活用するのが現実的な選択肢です。
光熱費を削減したい方や住宅用太陽光発電の比較方法について悩んでいる方は、今回の記事を参考にしながらエコでんちで住宅用太陽光発電システムを検討してみてはいかがでしょうか。
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