太陽電池モジュールとは何?ソーラーパネルとの違いや仕組み、構造をわかりやすく解説
最終更新日:2025.12.16 太陽光発電

太陽光発電システムの導入を検討している方にとって、「太陽電池モジュール」という言葉はよく耳にするかもしれません。しかし、「ソーラーパネル」と何が違うのか、その具体的な仕組みや種類について詳しく知る機会は少ないのではないでしょうか。
この記事では、太陽電池モジュールとは何かを基本から解説し、構成単位やソーラーパネルとの違い、さらには発電の仕組みや選び方のポイントまで、初心者の方にも分かりやすくご紹介します。太陽光発電の導入を考える上で役立つ知識を身につけ、最適なシステム選びの助けになればと思います。
目次
太陽電池モジュールとは?

太陽電池モジュールは、太陽光発電システムを構成する基本的な要素です。光エネルギーを電気エネルギーに変換する役割を担い、その構成単位からシステム全体を表す言葉まで、いくつかの段階があります。ここでは、太陽電池の構成単位や全体を表す言葉の種類について詳しく解説します。
セル
太陽電池の「セル」とは、光を電気に変換する最小単位のことです。一般的には数cm四方程度のシリコンなどの薄い半導体でできており、この小さなセルが光を受け取ることで電気を発生させます。一つのセルが生み出す電圧は小さいため、複数のセルを直列につなぎ合わせることで、より実用的な電圧を得られるように設計されています。

モジュール
「太陽電池モジュール」とは、複数のセルを密閉して一枚のパネルにしたものです。「太陽光発電のパネル一枚に対する呼び方」がこれに該当します。モジュールは、雨風や衝撃からセルを保護し、安定した発電性能を維持するために、強化ガラスやバックシート、フレームなどで構成されています。モジュールの説明欄に記載されている「240W」といった表記は、モジュール1枚当たりの最大出力を表しています。

ストリング
「ストリング」とは、複数の太陽電池モジュールを直列に接続した一連の配列を指します。一つ一つのモジュールでは得られる電圧が限られているため、ストリングとして直列につなぐことで、システムに必要な高い電圧を確保します。例えば、10枚のモジュールを直列につなげば、それが1ストリングとなります。このストリング単位で発電された電力は、後述するパワーコンディショナに送られます。

アレイ
「アレイ」とは、複数のストリングを接続して構成される太陽電池パネル全体の集合体のことです。屋根や地面に設置された、目で見て確認できる太陽光発電システムの総称がアレイにあたります。複数のモジュールを組み合わせて接続することで一つの太陽光発電システムができあがり、モジュールの設置枚数によって太陽光発電のシステム容量が決まります。(例:240W×20枚=4.8kWシステム)
このアレイ全体で発電された直流電力は、パワーコンディショナによって交流電力に変換され、家庭内で使用されたり、電力会社に売電されたりします。

太陽電池モジュールとソーラーパネルの違い

「太陽電池モジュール」と「ソーラーパネル」という言葉はしばしば混同されますが、基本的には同じものを指す場合が多いです。しかし、厳密に区別すると、太陽光発電業界においては以下のようなニュアンスの違いがあります。
太陽電池モジュール
より技術的な視点から、光を電気に変換する「発電機能を持つ部品」としての側面を強調する際に使われることが多いです。前述したように、複数のセルを集合させ、耐久性を高めるための構造(ガラス、フレームなど)を持つ「一枚のパネル」を指します。
ソーラーパネル
一般的に広く普及している呼び方で、太陽光発電システムを構成する「パネル全般」を指すことが多いです。屋根の上に設置されているパネル全体を指す場合や、モジュール単体を指す場合もあります。技術的な専門性よりも、視覚的なイメージや日常的な会話で使われる傾向があります。
つまり、太陽電池モジュールはソーラーパネルの一種であり、技術的な正確性を求める場合は「太陽電池モジュール」と呼ぶのが適切ですが、一般的には「ソーラーパネル」と呼んでも問題ありません。この記事では、専門的な解説を主とするため、「太陽電池モジュール」という呼称を主に用いています。
太陽電池モジュールの価格相場

太陽電池モジュールの価格は、その種類、メーカー、出力(W)、変換効率、保証内容などによって大きく変動します。具体的な価格相場は時期によっても変わりますが、導入費用に占めるモジュールの割合は大きく、製品選びの重要なポイントとなります。
一般的に、太陽電池モジュール単体の価格は1枚あたり数万円から十数万円が目安とされています。例えば、出力が250W〜300W程度の標準的な結晶シリコン系モジュールであれば、1枚あたり3万円〜8万円程度が相場となることが多いです。高効率タイプや特定のメーカーの製品では、さらに高価になる傾向があります。
また、太陽光発電システムの導入費用は、モジュール単体の価格だけでなく、設置工事費、パワーコンディショナや架台などの周辺機器費用も含まれるため、全体のコストで比較検討することが重要です。
太陽電池モジュール以外に知っておくべき基本知識

太陽電池モジュールについて理解を深めたところで、さらに太陽光発電システム全体を把握するために、太陽電池の種類、発電の仕組み、変換効率の計算方法といった基本知識も押さえておきましょう。
太陽電池の主な種類
太陽電池は、使用される材料によっていくつかの種類に分類されます。それぞれの材料が持つ特性により、発電効率やコスト、用途が異なります。
| 種類 | 主な材料 |
| シリコン系 | 結晶シリコン・アモルファスシリコン |
| 化合物系 | Ⅲ-Ⅴ族多接合(GaAs等)・CIS系・CdTe |
| 有機系 | 色素増感・ペロブスカイト・有機半導体 |
シリコン系
シリコン系太陽電池は、現在の市場で最も広く普及しているタイプです。主に結晶シリコンを材料としており、その中でも単結晶シリコン太陽電池は古くから利用され、高い発電効率を誇ります。
一方、多結晶シリコンは、単結晶と比較して変換効率がわずかに劣るものの、製造コストを抑えられるため、現在では主流の選択肢となっています。また、薄く柔軟な特性を持つアモルファスシリコンも存在し、特殊な用途で活用されています。
化合物系
化合物系太陽電池は、シリコンではなく複数の無機化合物を組み合わせて作られています。代表的なものとして「CIGS太陽電池」が挙げられます。このタイプの太陽電池は、薄膜で製造できる点が特徴であり、使用する材料や製造プロセスにおいて幅広い選択肢があります。CIGS太陽電池は、その特性から主に衛星等の高付加価値を求められる分野で利用されています。
有機系
有機系太陽電池は、その名の通り有機物を利用して発電する次世代型の太陽電池です。製造コストの低減が期待されており、現在も開発が活発に進められています。例えば「ペロブスカイト型太陽電池」は有機系太陽電池の一種であり、薄型で柔軟性があり、さまざまな場所に設置可能であることから、実用化に向けて大きな期待が寄せられています。
太陽電池による発電の仕組み
太陽電池が発電する仕組みは、「光電効果」という物理現象に基づいています。
太陽電池モジュールの内部にある半導体(例えばシリコン)は、主にN型半導体とP型半導体という2種類の層で構成されています。これらが接合している部分に太陽光が当たると、光のエネルギーによって半導体中の電子が励起され、自由な電子と正孔(電子の抜け穴)が生成されます。
N型半導体は電子が、P型半導体は正孔が動きやすい性質を持っており、接合部分にできた電界によって、電子はN型側へ、正孔はP型側へと分離されます。この電子と正孔の分離によって電位差(電圧)が生じ、外部に回路をつなぐと、電子が回路を通ってN型からP型へと移動することで電流が流れます。この一連の流れが太陽光発電の基本的な仕組みです。
太陽電池における変換効率の計算方法
太陽電池の性能を示す重要な指標の一つが「変換効率」です。これは、太陽電池が受け取った太陽光エネルギーをどれだけ電気エネルギーに変換できるかを示す割合を指します。変換効率が高いほど、同じ面積でより多くの電力を発電できることになります。
変換効率の計算式は主に以下の通りです。
●モジュール変換効率(%) = (太陽電池モジュールの最大出力(W) ÷ 太陽電池モジュールの面積(㎡) ÷ 1000W/㎡) × 100
ここでいう1000W/㎡とは、国際標準で定められた「標準試験条件(STC: Standard Test Conditions)」における太陽光の強度を指します。
太陽電池の変換効率には、以下の2つの種類があります。
●セル変換効率:太陽電池を構成する最小単位であるセル単体での変換効率です。研究開発段階や製品の基礎性能を示す際に用いられます。
●モジュール変換効率:複数のセルを組み合わせて製造されたモジュール製品としての変換効率です。セルをモジュール化する際に、配線やフレームなど発電に寄与しない部分も含まれるため、セル変換効率よりも低い値になります。実際に太陽光発電システムを導入する際に考慮すべきは、このモジュール変換効率です。
高い変換効率のモジュールを選ぶことで、限られた設置面積でも効率的に発電を行うことが可能になります。
太陽電池モジュールを選ぶ際のポイント

太陽電池モジュールの導入を検討する際、多くの製品の中からご自身の状況に最適なものを選ぶためには、いくつかのポイントを考慮する必要があります。ここでは、特に重要な3つの選定基準について解説します。
①発電効率

発電効率は、太陽電池モジュールを選ぶ上で最も重要な要素の一つです。前述の通り、変換効率が高いモジュールほど、同じ面積からより多くの電力を生み出すことができます。
特に屋根の面積が限られている場合や、より多くの発電量を期待したい場合には、高効率なモジュールを選ぶメリットは大きいでしょう。ただし、一般的に発電効率が高いモジュールほど価格も高くなる傾向があるため、予算とのバランスを考慮して検討することが重要です。
②設置場所と条件

太陽電池モジュールの選定は、設置する場所の特性や条件に大きく左右されます。
1.屋根の形状・面積
切妻屋根や寄棟屋根など、屋根の形状によって設置できるモジュールの枚数や種類が異なります。限られたスペースを最大限に活用できるモジュールサイズや、フレキシブルな設置が可能なモジュールを選ぶ必要があるかもしれません。
2.方角・傾斜角
日射効率を最大化するためには、南向きかつ勾配30度程度が理想とされますが、それが難しい場合でも、多結晶シリコンなど日射の弱い条件でも発電しやすいモジュールや、影に強い設計のモジュールを検討する価値があります。
3.積雪地域
積雪の多い地域では、雪に強い構造を持つモジュールや、積雪時に発電性能が低下しにくい工夫が施されたモジュールを選ぶことが大切です。また、豪雪地帯では積雪荷重に耐えうる強度も考慮する必要があります。
4.周辺環境
近くに高い建物や木があり影になる時間帯が多い場合は、部分的な影の影響を受けにくい「ハーフカットセル」などの技術を採用したモジュールや、パワーコンディショナの選定も重要になります。
③費用

太陽電池モジュールだけでなく、システム全体の費用を考慮に入れることが重要です。初期費用だけでなく、長期的な視点で費用対効果を評価しましょう。
1.初期費用
モジュール単価だけでなく、工事費用、パワーコンディショナ、架台、ケーブルなどの周辺機器費用を含めた総額を確認します。
2.補助金制度
国や地方自治体によっては、太陽光発電システムの導入に対する補助金制度が設けられている場合があります。これらの制度を積極的に活用することで、初期費用を抑えることが可能です。最新の補助金情報を確認し、適用条件をチェックしましょう。
3.投資回収期間
初期費用がどのくらいの期間で電気代削減効果や売電収入によって回収できるのか、シミュレーションを行うことが大切です。
4.保証内容
製品保証や出力保証など、メーカーが提供する保証期間や内容も重要な検討要素です。長期的な安心を確保するためにも、手厚い保証がある製品を選ぶことをおすすめします。
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まとめ
この記事では、太陽電池モジュールの基本的な知識から、ソーラーパネルとの違い、構成要素、種類、発電の仕組み、そして変換効率の計算方法、さらには導入する際の選定ポイントまで、幅広く解説しました。
太陽電池モジュールは、太陽光発電システムの核となる重要な部品です。ご自身の住宅環境やライフスタイルに最適なモジュールを選ぶためには、発電効率、設置場所の条件、そして費用対効果を総合的に検討することが重要です。
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