太陽光発電の変換効率とは?効率アップの方法と変動原因について解説
最終更新日:2025.06.30 お役立ち情報

太陽光発電は太陽光を電気へと変換する発電方法です。電気を作り出すことで電力会社に販売したり、自宅用の電気として使ったりできます。
最近では再生可能エネルギーの一種としても注目されています。何かと注目が集まる太陽光発電ですが、取り付けたのに思ったように発電しないこともあるでしょう。想定よりも電気を得られないのは、発電効率が悪いからです。しかし発電効率はさまざまなことが要因となって変動します。知識がない人からすると、発電効率のこともよくわからないはずです。
そこでこの記事では、太陽光発電の変換効率の意味や求め方を解説していきます。変換効率が悪くなる理由も取り上げているのでぜひ参考にしてください。
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目次
太陽光発電の変換効率って何?
太陽光発電の変換効率は「太陽光パネルがどのくらいの太陽光を電気に変えているか」を指します。変換効率が優れているほど、より多くの電気を生み出せる仕組みです。
太陽光発電の変換効率には2つの指標が採用されています。
モジュール変換効率について
モジュール変換効率についてモジュール変換効率とは、1平方メートル当たりの太陽光パネルが電気に変換できる数字を表したものです。以下の計算式で求められます。
●モジュール公称最大出力(W)÷モジュール面積(㎡)÷太陽光エネルギー1,000(W/m²)×100
セル変換効率について
セル変換効率とは、降り注がれた太陽光のうち、何%を電力に変えられるかを示した数字です。以下の計算式に当てはめると求められます。
●セル変換効率=出力電気エネルギー÷太陽光エネルギー×100
セル変換効率は計算式の問題で、比較的に数字が大きくなります。悪徳業者はセル変換効率を利用して性能の高さをアピールしてくるので気を付けましょう。
変換効率の数値が意味するもの
太陽光発電における変換効率は、より効率的に発電できるかどうかという点を確認する上で重要な数値です。
前段で触れたようにモジュール変換効率は、1平方メートルにつき光をどれだけ電気へ変換できるのかということを示しています。つまり、モジュール変換効率の高い太陽光パネルは、同じ面積の太陽光パネルでかつ変換効率の低い製品と比較して、より多くの電気を発電することが可能です。
たとえば、出力150W、面積0.6㎡の太陽光パネルと出力200W、面積1.2㎡の太陽光パネルでは、後者の方が高出力で発電量を伸ばしやすいように見えます。しかし、モジュール変換効率で見てみると、出力150Wのパネルは約21%、出力200Wのパネルは約16%となります。
効率的に発電できるかどうかという点を比較したい場合は、太陽光パネルの変換効率を確認しましょう。
太陽光発電の平均的な変換効率の目安
太陽光パネルの変換効率は、一般的に20%前後とされています。
ただし、メーカーや太陽光パネルの種類によって異なるため、それぞれの違いを把握しておく必要もあります。
たとえば、単結晶シリコン型の変換効率は、15~20%前後とされています。一方、多結晶シリコン型の変換効率は、15%前後と単結晶シリコンより低い傾向です。
そして、メーカー別で見た場合は、変換効率20%前後で推移しています。
長州産業のGシリーズ(348W・232W)は、変換効率20.4%です。また、Bシリーズ(340W・223W)の変換効率は、20.0%となっています。パナソニックのMS265αは、変換効率22.0%です。MS470αの場合は、変換効率23.5%と高めの数値です。
太陽光発電の変換効率が変動する理由
続いて太陽光発電の変換効率が落ちる理由を紹介していきます。思ったより発電しないとお悩みの方は以下の理由が原因かもしれません。
なお、太陽光発電量については、以下記事でも詳しく解説しています。気になる方は、ぜひこちらも参考にしてみてください。
関連記事:太陽光発電の発電量は地域や季節でどう変わる?驚きの実態を解説! | エコでんち
設置場所が悪い
太陽光パネルの理想的な位置な太陽がよく当たる南側です。太陽光が当たりにくい場所は、あまり発電されません。
天気が悪い
以下の気候の場合は変換効率に悪影響を及ぼします。
●気温が25℃を超える
●降雪が激しい
太陽光パネルは温度が上がりすぎると出力が低下します。25℃以上になると出力が0.5%下がると言われているので、夏場は発電力が落ちすいです。気温の操作は難しいですが、一方で積雪は取り除けます。太陽光パネルに雪が積もっている場合は除去しましょう。
パネルに異常が見られる
太陽光パネルが汚れていたり、故障していたりすると正常に発電を行えません。異常がある場合は業者に依頼してメンテナンスしましょう。
パネル温度上昇による効率低下
太陽光パネルの変換効率は、温度上昇によって低下する場合があり、注意の必要なポイントです。
太陽光パネルに搭載されている太陽電池は、表面温度の影響を受けます。具体的には、太陽光パネルの表面温度が上昇すればするほど、変換効率は低下していきます。
一般的には、気温25℃を超え始めると、徐々に変換効率が低下してしまいます。
結晶シリコン型の太陽光パネルでは、1℃上昇につき0.4%程度低下していく傾向です。
対策としては、まず太陽光パネルと屋根の間に空間を作ることが大切です。空気が流れる状態を作ることによって、パネルの温度上昇を抑えます。
また、水や空気による専用の冷却装置を用いた方法で、太陽光パネルの表面を冷却することも可能です。ほかには、遮熱塗料を活用することで、パネルの反射光による屋根からの照り返しを防ぎ、温度上昇を抑えられる場合があります。
周辺環境による影響
周辺環境の状況によっては、変換効率に変化が生じます。
たとえば、周辺の建物から発生した影が、太陽光パネルにかかってしまうこともあります。影のかかった部分では、発電を行うことができません。つまり、全体の変換効率が低下してしまうほか、発電量の低下につながる大きな問題です。
ほかにも樹木が周辺にあると、影による影響を受けてしまうこともあります。そのため、太陽光発電を設置する場合は、あらかじめ周辺の建物や樹木の位置関係、影の発生状況を確認しておくことが大切です。
また、影の影響以外には、反射光も注意すべきポイントのひとつです。パネル表面のカバーガラスの状態によっては、光を反射してしまうことがあります。すると、その分吸収できる光が減少してしまい、変換効率の低下につながります。
反射光の問題を抑えるためには、コーティングの施された太陽光パネルを導入するのがおすすめです。
再生可能エネルギーで太陽光発電が選ばれる理由
再生可能エネルギーとは、永続的に利用できるエネルギーのことです。例えば、以下のものが該当します。
再生可能エネルギーに該当するもの
再生可能エネルギーに該当する一例
・太陽光
・風力
・地熱
・水力
・大気中やその他の自然界に存在する熱
・バイオマス
こちらは一部ですが、その他にもたくさんの種類があります。その中でも太陽光発電が選ばれているのは、3つの理由があるからです。
場所を取らない
太陽光パネルは屋根や壁などの本来は使わないスペースを使います。新たに土地を用意する必要もないので環境にやさしいです。
地域を選ばずに設置できる
太陽光はどこに住んでいても降り注いでいます。太陽光の強さに差はありますが、北海道から沖縄まで利用できるのも優秀な部分です。
非常時に電源として使える
太陽光発電は事前に電気をためておけば、電力会社からの供給がなくなっても利用できます。停電や災害の際にも役立つのもメリットです。
太陽光発電の変換効率を上げる方法
太陽光パネルの変換効率を上げたい場合は、以下の方法を取り入れてみましょう。
太陽光パネルの変換率を上げるための方法
●高効率な太陽光パネルを導入する
●太陽光発電に適した設置場所と角度を見つける
●定期的なメンテナンスを欠かさない
変換効率を上げたい場合は、まず高効率な太陽光パネルを導入することが大切です。高効率な太陽光パネルは、変換効率の高いパネルを指します。平均的な変換効率は20%程度とされています。製品によっては、21%以上の変換効率を持つ太陽光パネルもあり、より効率的に発電できます。
また、変換効率を低下させないためには、あらかじめ設置場所と設置角度にも注意する必要があります。太陽光発電に適しているのは、一定の日射量があり、かつ影の影響も少ない・ない場所です。また、地域によって適切な設置角度は異なります。
ほかにもメンテナンスは、変換効率を保つ上で欠かせないポイントです。
発電量を最大化するためのポイントについては、以下記事でも解説しています。気になる方は、こちらもぜひ参考にしてみてください。
関連記事:太陽光発電の発電量は地域や季節でどう変わる?驚きの実態を解説! | エコでんち
高効率パネルの選び方
太陽光パネルの変換効率を少しでも上げたいときは、まず高効率の太陽光パネルを選ぶ必要があります。
前段でも触れたように太陽光パネルの平均的な変換効率は、20%程度です。つまり、20%を超える太陽光パネルは、一般的に高効率なパネルといえます。
変換効率の高い太陽光パネルは、単結晶シリコン型です。単結晶シリコン型の太陽光パネルは、20%前後の変換効率とされています。中には、20%を超えるタイプも製造されています。一方、多結晶シリコン型の場合は、15%前後と単結晶シリコン型より5%程度低いのが特徴です。また、アモルファスシリコンなどの薄膜系は13%前後と、多結晶シリコンより低い傾向です。
そのため、太陽光パネルの変換効率を重視する場合は、単結晶シリコン型のパネルから比較検討してみましょう。
太陽光パネルの変換効率については、以下記事でも詳しく解説しています。気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:太陽光パネルのストリングで発電効率が変わる!意味や特徴、設置方法に関するポイントも解説 | エコでんち
最適な設置場所と角度の条件
高効率な太陽光パネルを見つけたあとは、設置場所と設置角度といった設置環境について調べておくことが大切です。
太陽光発電の発電量は、日射量やパネルの性能だけでなく、設置場所の環境、パネルの設置角度と向き、温度などによっても変わります。
太陽光パネルの設置場所を選定する際は、周辺の建物や樹木の有無を確認しておきましょう。設置予定場所に影がかかってしまうと、発電量の低下につながってしまうため、特に注意の必要なポイントです。
設置場所を決めたあとは、太陽光パネルの設置角度と向きにも気を付ける必要があります。一般的に発電量を伸ばせる方角は、南向きとされています。南向きの設置が難しい場合は、南東や南西、もしくは東・西方向に設置しましょう。
最適な設置角度については、一般的に30度とされています。ただし、地域によって異なるため、太陽光発電の施工業者へ設置角度についても調べてもらうのが大切です。
ほかには、設置予定場所の温度変化も注意すべきポイントです。気温25℃を超えると、太陽光パネルの変換効率は低下していきます。そのため、気温変化によってどれだけ変換効率が変化するのか確認したり、冷却方法について調べたりしておきましょう。
定期的なメンテナンスのポイント
変換効率を低下させないためには、定期的にメンテナンスを実施してもらう必要があります。
パネル表面の汚れを放置した場合、発電量の低下やその他トラブルにつながります。とくに木の葉や鳥のフンといった汚れは、部分的に影を形成してしまうため、発電量の低下を招きます。また、長期間部分的な影を形成してしまうと、太陽光パネルの発熱を引き起こし、発火や故障といったトラブルにつながり危険です。
そのため、定期的なパネル清掃・洗浄を依頼することは、故障を防ぐ上でも重要です。
点検の際は、電気点検、機械点検なども行ってもらいましょう。配線ケーブルの破損といった故障、経年劣化は発電量の大幅な低下を招くため、早めに発見・対処する必要があります。
点検については、少なくとも半年~1年に1回程度依頼するのが一般的です。なお、太陽光発電を運用していく際は、オーナー側でもモニタでエラーコードの表示・急激な発電量低下などがないか確認しましょう。
太陽光発電に最適な屋根の勾配と方角
太陽光発電を取り付ける時に気になるのが「どうすればより多く発電できるのか」でしょう。
太陽光発電は電力を生み出すのが役割なので、なるべく発電量を増やしたいはずです。
そこで注目すべきポイントのひとつが、屋根の勾配と方角です。太陽光発電の発電効率は、方角によっても変わります。とくに発電効率を伸ばしやすいのは、南向きです。
また、南向きを100とした場合、南西と南東が96%前後、東と西向きは85%前後とされています。北向きは最も低く、60%台です。
設置角度については、一般的に30度が理想とされています。ただし、地域によって最適な設置角度は異なるため、あらかじめ施工業者に確認してもらいましょう。たとえば、北海道札幌市であれば40度台、沖縄県那覇市では26度台と、最適な設置角度が大きく異なります。
こちらの記事は太陽光発電に適した屋根や勾配を紹介していきます。急勾配に太陽光発電を設置するメリット・デメリットも解説しているので参考にしてください。
関連記事: 太陽光発電に向いた屋根の勾配とは?理想的な設置場所を紹介| エコでんち
屋根の形状別の設置効率
屋根の形状によっては、太陽光発電の発電効率が変わることもあります。
住宅の屋根は、寄棟屋根や方形屋根、陸屋根など、さまざまな形状にわかれています。
寄棟屋根と方形屋根は、ピラミッドのような形状で、東西南北全ての方角に太陽光パネルを設置できるのがメリットといえます。ただし、日光の当たりにくい北面にも設置しなければいけないため、どの程度発電量が低下するのか、影響を受けるのか調べておきましょう。また、角部分が三角形状のため、三角形のパネルも取り入れる必要があります。
陸屋根は平面形状なので、南向きに設置しやすくメンテナンスしやすいのがメリットです。ただし、屋根面の傷などによって雨漏りしてしまう可能性もあるため、太陽光発電の設置時に防水処理も必要となります。
切妻屋根はへの字形状で、正方形・長方形のパネルのみで全面に敷き詰められるのもメリットといえます。片面が南向きであれば、1面のみにパネルを設置します。また、東西方向に屋根が向いている場合は、2面にパネルを設置するのが一般的です。
片流れ屋根は、1枚の長方形・正方形でできた屋根です。比較的屋根面積が広いため、太陽光パネルを多数設置しやすいのもメリットといえます。ただし、1箇所の雨どいに雨水が集まりやすいため、詰まらないよう定期的な確認やパネル洗浄なども必要です。
太陽光発電は変換効率がキーポイントになる
いかがでしたでしょうか?この記事を読んでいただくことで、太陽光発電の変換効率がご理解いただけたと思います。変換効率を考慮しなければ、効率よく電気を蓄えられません。ただ、変換効率の計算は難しいです。無理をせず、その道のプロに相談しましょう。
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