V2Hとは?便利・お得になる仕組みやメリット、価格などを徹底解説!
最終更新日:2025.08.21 V2H

「V2H」という単語を見たり聞いたりしたことはありますか?
V2Hは、電気自動車やPHEV(以下EV)を走行用だけでなく、移動できる蓄電池としても活用することができる近未来の設備となっています。
今回は、V2Hがどのような仕組みの製品なのか、また、お得に利用するためにはどのようにすればいいのか?
また、実勢に設置するときに価格はいくらくらいなのか?など、気になる点を紹介していこうと思います。

目次
V2Hとは
V2Hとはビークルトゥーホーム(Vehicle to Home)の略称です。
車から家へ、家から車へ電力を供給できるシステムのことを指します。

EVの充電は、専用の充電コンセント(100V/200V)から車両へ電気を充電し、主に走行することなどに使用されます。
しかし、V2HがあればEVから家へ電気を送ることができます。
また、多くのV2Hは通常のEV用充電コンセントよりも早い充電(急速充電)に対応しています。
V2Hの機能
EVのバッテリーから電力を取り出して家庭内に給電
V2Hは、EVへの充電機能だけでなく、EVのバッテリーに貯められた電力を自宅へ流す給電機能も搭載されています。
前段でも触れたようにEVのバッテリーに貯められた直流電力は、そのままの状態では家庭内のコンセントや住宅設備へ供給できません。
下記のように、直流電力を交流電力へ変換しなければコンセントや住宅設備などで使用できない状態です。

V2Hには、直流電力を交流電力へ変換し、家庭内へ電力供給する機能があるため、EVを家庭用蓄電池のように自家消費に活用できるようになります。
充電時間の短縮が可能

EVへの充電時間は、充電器の電力を変換する能力によって異なります。
たとえば、普通充電器と比較した場合、V2Hの方が約2倍のスピードで充電が可能です。
※製品により異なります
EV車を利用していくにあたり、充電に時間がかかることが課題として挙げられることは多いです。
V2H設置によって、この問題も十分に改善することができます。
特に、通勤や急な用事でEVを使用する際は、運転しない時間帯に充電を完了させておきたいところです。
スピーディに充電できる設備が欲しい方にも、V2Hはおすすめの設備といえます。
家庭用蓄電池と比べて費用対効果が高い
V2HをEVと組み合わせて蓄電池のように活用する場合、1台で2役こなせるEVはコストパフォーマンスに優れた商品といえます。
たとえば、太陽光発電システムと連携可能な家庭用蓄電池の価格は、1台あたり130~280万円程度で販売しています。
一方、V2H対応の車両価格は200万円程度から販売されており、V2Hは100~150万円程度で導入可能です。
家庭用蓄電池とガソリン車をそれぞれ購入するより、初期費用を抑えられる可能性があります。
また、ガソリン車では家庭内の電力をカバーできないため、EV+V2Hの方が電気料金に関する経済的メリットを得られる可能性もあります。
他にも、電気料金プランの中で時間帯別プランに加入している方は、EVの充電時に電力量料金単価の安い深夜電力など活用することで、充電コストを削減できます。
ガソリン価格が高騰している昨今では、ガソリン車よりもEV車の方が維持管理費を抑えることが可能です。
さらに、太陽光発電システムを導入している場合なら、自家消費しきれず余った電気をEVの充電に利用することで、EVへの充電費用を0円に抑えることも可能です。
このように、V2HとEVは、家庭用蓄電池のように活用できますし、ガソリン車よりコストを抑えられる家計に優しい設備といえます。
V2Hシステムと他機器の違いとは?
V2Hと蓄電池やその他充電設備の違い

V2Hは、家庭用蓄電池・普通充電器・急速充電器と機能などに大きな違いがあります。
家庭用蓄電池には、本体の蓄電ユニットに電気を貯める機能が搭載されています。
また、充電だけでなく放電や電気の使い方に関する制御機能も搭載されているのが、主な特徴のひとつです。
一方、V2Hには電気を貯めるシステムは搭載されていません。
あくまで、直流・交流変換および、電力の供給に関する機能が主な役割です。
普通充電器や急速充電器とV2Hの主な違いは、直流・交流変換機能の有無と、双方向で充電できるかどうかという点です。
急速充電器とV2Hでは充電設備側で交流・直流変換を行い、普通充電器には変換機能がありません。
また、どの設備も充電できることには変わりないですが、普通充電器と急速充電器はV2Hのようにバッテリーの電力を家へ流すことが出来ません。
つまり、普通充電器や急速充電器は、あくまで車両へ電気を供給するのが役割で、車両に貯めた電気を住宅へ送電することはできません。
一方、V2Hの場合、車両に貯めた直流の電気を交流へ変換したのち、住宅へ送電することも可能です。
まとめ
普通充電器・急速充電器
→車に充電
(電気の流れが一方通行)
V2H
→車に充電+車から家へ給電
(電気の流れが双方向)
家庭用蓄電池との違い
V2Hと家庭用蓄電池の大きな違いは、設備本体に充放電機能が備わっているかどうかという点です。
家庭用蓄電池には、電力会社から供給された電気や、太陽光発電で作った電気を充放電できる機能が備わっています。
一方、V2Hに蓄電機能はないため、V2H本体に電気を貯めることはできません。
簡単に言うと、V2Hは EVを家庭用蓄電池としても利用できるようにするための拡張システム です。
このように、V2HはEVから家の中に電気を送ること、太陽光発電システムや電力会社から送電された電気をEVへ急速充電するための機器であり、電気を貯めることのできる蓄電装置ではない点に気を付けましょう。
では、家庭用蓄電池とV2H+EVの違いは何でしょうか?
下記の比較表を参照してください。
住宅用蓄電池 | V2H(+EV) | |
容量 | 4kWh ~ 20kWh | 20kWh ~ 116kWh |
コストパフォーマンス (電池容量) | △ | 〇 |
補助金額 | 最大60万円 ※SII R6補正 DR家庭用蓄電池 | 最大65万円 ※CEV R6補正+R7 V2H充放電設備補助金 |
停電時の切替え機能 | 〇 | △ ※機種により手動or自動 |
EVへの充電時間 | △ 普通 | 〇 早い |
車を利用した買い物や通勤が必要な場合、EVとV2Hを組み合わせるメリットもあります。
また、停電対策としてもEVとV2Hは、家庭用蓄電池と同じく役立ちます。
一般家庭は普通充電器

現在日本で一番多く存在しているのが普通充電器です。
V2Hとの大きな違いは、直流・交流変換機能および、EVから自宅へ給電するための機能があるかどうかという点です。
普通充電器は、200Vと100V対応型の2種類にわかれているのが特徴です。
一般的な普通充電器(200V/15A・20A対応製品)だと、30分~1時間程度の充電で約10~15km程度の走行分しか充電することができません。
ただし、休日や夜間などに数時間以上充電できる時間を確保できれば、そこまで大きな問題ではありません。
また、日常の買い物を行っている時や、病院などといった待ち時間の多い場面で充電できれば、少しずつ充電量を増やすことが可能です。
特に、太陽光発電システムで得られる電力の自家消費を検討していない場合、基本的にこの普通充電器でも問題なく活用することができます。
ただし、EVに貯めた電気を家庭内で消費したり、停電時に蓄電池代わりとして活用したいときはV2Hが必須です。
前段でも紹介したように、V2Hには直流・交流変換機能があり、EVに貯めた直流の電気を家庭で使用できる交流に変換し、自宅のコンセントや住宅設備などへ供給できます。
急速充電スタンド

高速道路などに設置されているものは、普通充電器よりも速く充電できる急速充電スタンドです。
三相3線式AC200Vという電源方式で、普通充電スタンドよりもハイパワーで素早い充電が可能です。
一般的には、出力50KWの急速充電スタンドが多く提供されています。
特筆すべきポイントといえば、やはり充電スピードです。
わずか5分程度の短時間で、30km程走行できるほどの電力を充電することが可能です。
そのため、至急充電しなければいけない場合や、スピーディに充電したい場合に役立ちます。
急速充電スタンド(出力50kW以上)は、充電設備の本体価格だけで200~300万円以上かかります。
高圧受変電設備の工事費300~600万円ほどが必要なため、個人向けではありません。
大型の商業施設などでも数台しか設置されていないため、外出先で確実に利用するのが難しいというデメリットもあります。
ご家庭でこまめに充電したい、充電時間を短縮させたい時には、V2Hの導入を検討するのがおススメです。
V2Hを導入するメリット
自宅の充電コンセントより短時間で充電できる
V2Hを活用してEVの充電を行った場合、普通充電器による充電時間と比較して約2倍の速さで充電できます。
EVでドライブや通勤する際に、十分な充電ができていなかったら…というリスクを減らすことができます。
例として、ニチコンのV2Hと、日産リーフを組み合わせたV2Hの活用シーンを解説します。

ニチコン製V2H「EVパワー・ステーション」は、あらかじめ電力会社との契約アンペアを設定することで、家庭で使われている消費電力をリアルタイムにモニターし、日産リーフに充電可能な電力量を自動的に制御します。
この機能により、契約電力の範囲内で充電ができるようになり、充電中のブレーカー落ち(停電)を防ぐことが可能です。

※1 EVパワー・ステーションの倍速充電機能を十分にお使いいただくためには、EVパワー・ステーション用に200V 30Aが必要になります
契約電力の範囲内で家電機器を動作させながら充電するため、使用する家電機器の負荷が大きくなると、充電にまわす電力が減少し、充電時間が延びる可能性があります
※2 バッテリー残量警告灯の点灯から満充電まで
※3 V2H非対応の車両には対応していません
※4 日産リーフへの充電中に基準値以上の過電流負荷が投入された場合などにおいて、ごく稀にブレーカーが遮断される場合があります
深夜電力と余剰電力の活用で電気代料金を削減
EVとV2Hのある家庭のうち、時間帯別プランに加入していれば、夜間の安い電力を活用することで電気料金負担の軽減を目指せます。
時間帯別プランは、夜間など特定の時間帯のみ電力量料金単価が安くなっているプランで、主に夜間帯の料金が安くなっています。
そのため、電力量金単価の安い時間帯にV2Hでの充電を行っておけば、充電に利用する電気料金負担を軽減できます。
なお、時間帯別プランに加入していない方や、より大幅な電気料金削減効果を目指している方は、太陽光発電システムとの併用がおすすめです。
では、太陽光発電由来の電力をV2H経由で給電すると、どのようなメリットを得られるでしょうか。
太陽光発電で作った電気は、まず自宅での消費に使用されます。
全て使いきれなかった場合、売電もしくはV2H経由でEVへ充電することが可能になります。
また、発電できない夜間や消費電力の多い時間帯は、EVに貯めておいた電力をV2H経由で自家消費できるため、太陽光発電システムの弱点である、太陽が出ていないときの電気負担をカバーし、効率的に電気料金を削減することも可能です。
ガソリン車と比較して毎月の家計負担を抑えやすい
EVを使い始めると、ガソリン代は0になります。
ガソリン価格の高騰している昨今において、非常に大きなメリットといえます。
太陽光発電システムと連携していない場合、充電の際に電気料金がかかるものの、ガソリン車と比較すると燃料コスト(ガソリン/電気)は半分以下です。
※筆者実体験
以下に、自動車の走行距離を年間1万kmで考えた場合にいくら電気料金が増えるのか紹介します。

【電気料金のシミュレーション】
1. EVの走行距離1kWhにつき6km *1
2. 電力量料金単価を40.49円/kWhと仮定 *2
→年間の電気料金負担は約5万円程度増加
*1 出典:環境省「グリーンボンドガイドライン2020年版」
*2 2024年4月1日以降の東京電力EP「スタンダードS」電力量料金(301kWh~)
一方、ガソリン車で年間1万km走行する場合、ガソリン代は年間約113,000円 になります。
つまり、ガソリン価格1Lあたり80円台まで下落もしくは、電気料金の急激な高騰といった事態にならない限り、EVの方が経済的メリットがある車両といえます。
*3 1Lあたりの走行可能距離を15km、ガソリン代を170円/Lで試算
このように、EVを導入するだけでも経済的メリットはありますが、V2H+太陽光発電システムを導入することで、さらに電気代を抑えられます。

太陽光発電システムとV2Hを連携させた場合、太陽光発電で作った電気(をEV車に充電した電気)を自家消費することが可能です。
当然ですが、太陽光発電で作った電気をEVの充電に使用すれば、充電にかかる電気料金を0円にできます。
EVとガソリン車との費用対効果をシミュレーションすると、下記のようになります。

一ヶ月1,000km走行した場合の費用を比較
【 ガソリン車のガソリン代 】
・燃費:15km/リットル
・ガソリン代:170円/リットル
・1,000kmのガソリン代:11,333円 = 1,000km ÷ 15km/リットル × 170円/リットル
【 EVの充電費用 】
・電費:6km/kWh
・電気代:42.60円/kWh(昼間)・1.64円/kwh(深夜電力)
※2024年4月1日以降の東京電力EP「夜トク8」電力量料金
・1,000kmの充電費用:7,100円(昼間)・5,273円(深夜電力) = 1,000km ÷ 6km/kWh × 31.64~42.60円/kWh
【 太陽光発電の充電費用 】
・燃費:6km/kWh
・電気代:0円/kWh(自家消費)
・1,000kmの充電費用:0円 = 発電電力 –(1,000km ÷ 6km/kWh × 0円/kWh)
太陽光発電は「発電電力を使ってEVに充電できる」ため充電費用はかかりません。
◆ 10万km走行した場合の燃料費
ガソリン車:約113万円
EV:35万~55万円
費用対効果については、太陽光発電システムとV2Hの導入費用次第ですが、自宅の電気料金を大幅に節約したり売電収入を得たりできるため、経済的なメリットはさらに高まります。
2022年から続く急激な物価高や燃料費の高騰、光熱費の値上げは、2024年時点でも多くの家庭に大きな影響を与えています。
節約や節電だけでは負担を抑えきれないため、V2Hや太陽光発電による創エネ・省エネを目指してみてはいかがでしょうか。
災害時に非常用電源として活用可能でかつ蓄電池より大容量
EV+V2Hの組み合わせは、停電時に非常用電源として役立ちます。
たとえば、台風や落雷、地震などといった災害で長期停電した場合、EVに蓄えた電気をV2Hを利用して自家消費することが可能です。
EVのバッテリーは車種によって変わるものの、約10kWh~100kWh程度と、一般的な家庭用蓄電池に比べて大容量なタイプも数多く存在します。
通常時の電気使用量は、3人暮らしなら1日あたり12kWh前後です。
在宅で避難生活を送る場合、少なくとも通常時より電気使用量が少なくなるので、60kWhの電池容量なら5日ほど自家消費できる計算です。
また、家庭用蓄電池単体では、蓄電容量の関係から長期間の停電に対応できないものの、家庭用蓄電池+V2H+EVを併用すれば、1週間程度の停電でも電気を使用しながら避難生活を送れます。
なお、1週間を超える長期停電に備えたい場合は、EV+V2H+太陽光発電システムの併用がおすすめです。
晴れた昼間は、太陽光発電で作った電気を自家消費しつつ、余った電気はV2Hを利用しEVへ充電します。
雨天や夕方以降、EVに貯めた電気をV2Hを経由し使用することで、通常時と遜色ない生活を担保することも可能です。
また、EVは移動手段としても役立つので、太陽光発電システムの電気を充電しておけば、他の場所へ避難しなければいけない状況となった場合でも、遠方への飲料水補給・物資の調達といった場合でも迅速に移動できます。
特に、小さなお子様や、体の不自由な家族がいる家庭の場合、長期停電は命に係わる可能性もあります。
V2H+EV+太陽光発電システムで、停電時でも電気のある生活を送れます。
環境に配慮した生活を始められる
気候変動問題への関心が高い方にとって、V2H+EVは導入メリットのある設備です。
現在、温室効果ガスの二酸化炭素は、気候変動および温暖化の原因とされています。そのため、日本政府では、2050年のカーボンニュートラル(二酸化炭素の排出量実質ゼロ)目標を掲げ、さまざまな政策を進めています。
もし、気候変動を改善できなければ、社会を保つことができませんし、台風などの災害リスク増加につながります。
そのため、二酸化炭素の排出量削減は、私たちの生活にとっても重要な課題です。
電EVとV2Hは電気で稼働するため、化石燃料不使用です。
また、太陽光発電システムと連携させれば、二酸化炭素を排出せずに発電した電気を使用できるようになります。
持続可能な社会の実現や、脱炭素社会に関心を持っている方は、この機会にV2HやEV、太陽光発電システムについて検討してみてはいかがでしょうか。
V2Hシステム導入前に知っておきたいこと・注意点
対応車種が決まっている
V2H対応車種は限定されています。
また、同じモデルの車両であっても、新型モデルはV2H非対応というケースもあるため、常に最新の情報をベースに比較検討する必要もあります。
これからEV車の購入を検討する方は、まずV2H対応車種かどうか必ず確認してください。
なお、弊社で特に人気の高いV2Hスタンドに関して、下記に対応可能な車種が確認できるリンクを貼ってあります。
ご自身のEV車が対応可能か、今後購入予定の車が対応しているか確認してみてください。
エコでんちで特に人気の高いV2Hスタンド
V2Hのコストパフォーマンスは使用環境によって変わる
EVとV2H、更に太陽光発電システムを導入すれば、太陽光で発電した電気を車に貯めて、夜間など太陽光による発電量が少ない時間帯に使うことで、電気料金の削減効果を上げることが可能です。
ただし、V2H自体に電気を貯める機能がないため、EVを値蓄電池代わりにしたいのであれば、EVを自宅に置いてておく必要があります。
セカンドカーとしてのEV導入や、長距離運転はしない…など、日中に車が自宅にあるご家庭ならメリットを得やすいものの、車通勤の方や、車で出かける方などは十分に太陽光の電気を車に貯めることが出来ず、メリットが出にくいです。
ライフスタイルとEVの使い方は、一度ご家族で相談されると良いかもしれません。
日中に車をよく使われる方は、V2Hだけでなく家庭用蓄電池を一緒に導入するのがおススメです。
昼間、余った電気は蓄電池にいったん貯めておき、車が戻ってきたら蓄電池に貯めておいた電気を充電をする…このように、任意のタイミングで太陽光発電で作った電気を活用できるので効率的です。
バッテリーは年々劣化してゆく
家庭用蓄電池と同じくEVのバッテリーには寿命の問題もあります。
正確には寿命ではなく交換目安の年数となりますが、メーカーによって保証内容は異なります。
一般的な保証は5年、もしくは10万kmという内容で、EVメーカーのテスラなどは「8年の走行無制限」の保証付きです。
また、BMWも「8年または10万kmでバッテリーの交換が必要な場合は無償で対応」といった保証をうたっています。
他にも、日産のリーフなら有償(65万円から)で新品にバッテリー交換をおこなうプログラムも開始しました。
通勤や旅行などでEVを利用する方や、長期保証のある蓄電設備を求めている方は、特に注意の必要なポイントといえます。
また、蓄電機能を重視する場合は、まず家庭用蓄電池から比較検討するのがおすすめです。
家庭用蓄電池には10年~20年の保証があるため、EVと比較して保証期間が長いのが特徴です。
また、サイクル数という目安があるため、購入前に交換時期の目安を確認できるようになっています。
瞬間的な停電が起こることもある
V2Hの仕様によって、EVから給電している状況で電力会社からの電気を使用できないケースもあります。
具体的なケースとして、自宅で使用している電力量がEVからの給電量を上回ると給電が停止する、などです。
給電停止後は、電力会社から電気が供給されるので、長期停電にはつながりません。ただし、供給される電気が切り替わる際、瞬間的な停電につながり、パソコンをはじめとした精密機器に影響を与えます。
EVに貯めた電力を積極的に自家消費している場合、消費電力量や電気自動車の残量に注意する必要があります。
テレワークでパソコンを使用している方は、突然の瞬停でデータ消失や破損につながるため注意が必要です。
その他にも、機種によっては停電時にシガーソケットからV2H本体に専用ケーブル繋ぎ、一度V2H本体に電気を送らないとV2Hが起動できない場合もあります。
自動的に車からの電気供給に切り替わらないため、夜中に地域一体が停電してしまうと、暗い中車に向かい本体と車を操作する必要がでてきます。
使い方によっては劣化しやすくなる可能性も
EVとV2Hの使い方によって、電池が劣化しやすくなってしまう可能性もあります。
たとえば、急速充電スタンドによる充電を毎回するよりも、数回に1回は普通充電器からの満充電が推奨されている車種もあります。
以下は、三菱アウトランダーPHEVのページから抜粋したものです。
『コンセントから充電される場合は、満充電付近※でのつぎ足しを続けると性能低下が早まりますので、出来るだけ避けて下さい。性能を長持ちさせる為には、残量目盛りが半分以下になってから充電するようにしてください。
また、急速充電のみを繰り返し行うと、駆動用バッテリーの寿命が短くなることがあります。
駆動用バッテリーの性能を維持するため、2週間に1回程度は普通充電を行い、満充電することをお勧めします。』
※駆動用バッテリー残量計の目盛りが全て表示されている状態
引用:三菱 よくある質問 駆動用バッテリーを長持ちさせる充電のコツを教えてください。[アウトランダーPHEV(GG*W)]
つまり、そこまで電池容量が減っていない状況で何度も充電を行うと、充電容量などに影響が出て経年劣化してしまう可能性があるという事です。また、急速充電のみを繰り返し行うのはバッテリーに負荷がかかる充電方法です。
なぜなら、バッテリーであるリチウムが熱に対して脆弱という点が影響しています。
V2Hで急速充電を行う時は、車種ごとの特性を把握し、なおかつ充電方法と劣化に関する注意点について確認しておくのが大切です。
V2Hを選ぶ際のポイント

導入時に必要な工事の期間と初期費用
V2Hを導入する際は、施工期間や初期費用について確認しておきましょう。
V2Hの導入時に行われる設置工事は、一般的に1日で完了します。
別途、本基礎工事が必要な場合は、さらにもう1日必要なケースもあります。
工事内容は、簡易基礎工事(コンクリートブロックの設置および固定)から始まり、基礎部分の上へ本体の設置、さらに配線工事や動作確認といった流れです。
なお、設置工事の前に現地調査や契約手続き、補助金制度の申請などといった手続きや確認があります。
そのため、設置工事+調査・手続きの時間が含まれる点を理解しておきましょう。
初期費用は、本体価格だけでなく設置工事費用もかかります。
V2Hを選ぶ際は、本体価格のみで比較しないよう注意することが必要です。
実際の費用は、各施工販売店の見積もりを比較すれば、相場を把握したり最も安い業者を見つけたりすることも可能です。
エコでんちでV2Hを導入する場合の価格の概算は下記記事を参照してください。
関連コラム:【2025年最新】V2Hの価格はいくら?設置にかかる費用や活用すべき補助金制度を徹底解説|エコでんち
また、費用負担を抑えたいときは、補助金制度の活用を検討してみるのがおすすめです。代表的な補助金制度といえば、CEV補助金で上限65万円の補助金が申請可能です。(R7 9/30締切予定)
施工販売店を選ぶときは、補助金制度のサポートも手厚い業者から検討してみるのが重要です。
価格と予算のバランス
V2Hの施工販売店を検討する際は、本体価格と施工費用を確認しておきましょう。
V2Hの本体価格は、メーカーや製品によって90万円台~150万円台と幅広い傾向です。そこで製品を選ぶ時は、まず予算の範囲内で負担できるのか計算した上で検討しましょう。
また、設置工事にかかる費用は、施工販売店と設置場所の環境によっても異なります。
相見積もりを行ったり、項目ごとの費用を丁寧に記載したりしている販売店を候補に入れるのが大切です。
相見積もりを行えば、V2Hの平均的な施工費用を算出できますし、どこが安いのかわかります。
見積もり内容が丁寧に記載されているケースなら、どの作業や部材調達にいくらかかるのか一目で把握できるため、信頼できるポイントの1つです。
サイズ
V2Hを選ぶ際、サイズと設置予定場所のスペースに注意が必要です。
万が一、自宅の駐車場に設置スペースがなければ、V2Hを設置できませんし、設置できたとしても自動車の駐車時にぶつけてしまうリスクもあります。
また、V2Hによって充電ケーブルの長さは異なるうえ、車種によって充電口がどこにあるかも変わってきます。
製品の種類と設置場所を間違えてしまうと、いざ活用しようとしても充電しにくくなってしまい、故障させてしまうリスクもあります。
設置スペースが狭い場合は、省スペース設計のV2Hを探しましょう。
V2Hによっては本体部分と、充電するポッドが分かれている製品もあります。
また、カーポートの柱部分に括り付けるように設置できるタイプがあるので、省スペース設計を求めている方におすすめです。
充電口
EVを充電する際、充電用のコネクタを差し込む充電口過(充電ポート・イントレット)も様々な種類があります。
下記は日本の代表的な車種の充電口です。

普通充電器用のコネクター規格である「 SAE J1772」や「 IEC62196-2 type1」は、基本的にどのEVでも搭載していますが、V2Hによる充電や、急速充電器用の「CHAdeMO規格」は、車種によっては搭載されていない場合があります。
また、テスラなどの海外メーカーのEVは充電規格も異なっていることがあるため注意が必要です。

停電時の運転方式
災害時の非常用電源として電気自動車を活用したい場合は、V2Hの停電時に関する運転方式を確認しておくのが大切です。
V2Hには、停電時の運転方式に種類があります。
項目 | 特徴 |
非系統連系 | EVからV2H経由で自宅へ給電している時は、電力会社からの電気や、太陽光発電で発電された電気を家庭内で使用できない |
系統連係 | EVからV2H経由で自宅へ給電している時も、電力会社から流れている電気や、太陽光発電で発電された電気を使用できる |
特定負荷型のV2Hは、設置前に給電先の場所(部屋)を指定しておく必要があります。
設置後は、停電が起きた際にあらかじめV2Hと接続した部屋や住宅設備でのみ電気を使用できるようになります。
全負荷型は、あらかじめ全部屋のコンセントや住宅設備と接続しておくタイプなので、停電時発生時にどのコンセントや住宅設備から電気を使用することが可能です。
停電時に必要最低限の電気を使用し、なるべく電気自動車に貯めておいた電気を消費しないよう気を付けたい場合は、特定負荷型の方が合っているといえます。
オール電化住宅に住んでいる方や停電時でもさまざまな部屋から電気を使用したい方は、全負荷型の方が合っています。
太陽光発電や蓄電池を導入する際は互換性を確認する
V2H単体だけでなく、太陽光発電システムや、家庭用蓄電池の導入も検討している場合、各製品の互換性を施工販売店に確認してもらうのがおすすめです。
例として、ニチコンのトライブリッド蓄電システムは、トライブリッドパワコンにプラスして、蓄電池とV2Hを組み合わせられるシステムです。
トライブリッドパワコンとは、1台のパワーコンディショナで太陽光発電と蓄電池、V2Hを制御し、効率的な自家消費や電力制御を行える設備のことです。
ニチコン トライブリッドシリーズの詳細はこちら
特に、3種類の住宅設備を導入するご家庭にはメリットが多く、電気料金削減効果という点でも注目の設備といえます。
そして、停電時に太陽光発電で作った電気を充電ができる機種の場合、設置済みの太陽光発電に付帯されているパワーコンディショナとの相性確認が必要です。
中には、停電時に太陽光発電で作った電気をEVへ充電できない場合もあるため、各設備の互換性や規格、接続後のエラーリスクなどを確認してもらいましょう。
V2H導入後にさらに電気代を削減する方法はある?
前述のとおり、V2Hにプラスして太陽光や蓄電池があると、本来V2Hが持つ急速充電や停電時のバックアップなどの利便性に追加して、さらなる電気代削減が期待できます。
①太陽光×V2Hの組み合わせ
太陽光発電で作った電気をV2H経由で電気自動車に貯めておき、必要に応じて自宅で自家消費できれば、太陽光発電の電気をより効率的に活用できるようになります。
V2HがあればEVを蓄電池代わりにできるため、太陽光発電が活躍しない夕方以降の電気代を削減することができれば、節電効果をさらに高めることができます。
また、従来かかっていたガソリン代or電気代もかからず無料で充電できるため、エコで経済的にドライブができます。
「家の屋根に太陽光パネルを乗せられないorのせたくない」というお悩みの方は、「ソーラーカーポート」のご検討もオススメです。
カーポートの屋根上に太陽光パネルをのせることができるタイプ、またはカーポートの屋根と一体型のパネルがあります。
紫外線などから車両を守れますし、電気代削減で家計にも優しいです。
太陽光発電システムとEVの組み合わせができる家庭は、V2H設置によってかかった費用を和らげることが出来るため、有効的と言えるでしょう。
②太陽光発電×蓄電池×V2Hの組み合わせ
前述の、太陽光発電×V2Hのデメリットは、昼間に車が無いとその恩恵を受けられないことです。
充電コスト0円で充電したり、太陽光発電の電気をいったん貯めて、夜間に使用できるのは、太陽光と組み合わせた時の大きな強みです。
ただし、あくまでも「昼間にEVが自宅にあること」を前提としたメリットになります。
車通勤の方、よくお出かけをされる方、日中にEVを使用する方は、その恩恵を十分に受けることが出来ません。
そこで、家庭用蓄電池があれば、太陽光発電で作った電気を一度貯めておき、夜間や消費電力量の多い時間帯に放電することによって、ライフスタイルに縛られることなく、ムダなく電気代削減をすることができます。
蓄電池に余った電力があれば、それを任意の時間にEVへ充電も可能です。
太陽光発電・蓄電池のことなら、エコでんち
エコでんちでは、家庭用蓄電と太陽光発電、V2Hを多数取り扱っています。
また、環境省公的資格「うちエコ診断士」を取得した専任のアドバイザーが、お客様のご予算や要望などに合った製品をご提案いたします。
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まとめ
V2H+EVは、家庭用蓄電池と同様に生活をより豊かにしてくれる住宅設備の1つです。
V2Hがあれば、急速充電はもちろん、EVに貯めた電気を自宅で活用することができます。
また、太陽光発電システムや、家庭用蓄電池などとも連携することも可能です。
太陽光発電や家庭用蓄電池と併用すれば、さらに効率よく電気料金を削減できるようになります。
EVをセカンドカーとして利用している方や、EVと太陽光発電システムの連携に関心を持っている方は、今回の記事を参考にしながらV2Hを比較検討してみてはいかがでしょうか。



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※2024年4月~2025年3月の1年間における月間平均のサイト訪問数 -
安全と品質を約束した
施工体制各種メーカーの施工ID保有の部材に
こだわったメーカー認定施工店のみと提携。 -
コールセンター完備で
充実サポートメーカーがお休みの
土日祝日も営業。
導入後のサポート体制も万全。
- どんな内容の相談でも大丈夫ですか?
- はい、大丈夫です。太陽光や蓄電池、V2Hの設置に関するお悩みをご相談ください。
- 費用が発生したり、後でしつこい営業されませんか?
- ご安心ください。完全無料でメールやLINE、電話、オンラインでのご案内になります。ご自宅への訪問やしつこい営業は一切しておりません。
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