災害時に蓄電池は役に立つ?メリットや導入時のポイントを解説
最終更新日:2023.10.10蓄電池
日本は災害の多い環境で、停電を伴うケースもあります。蓄電池は、災害時における在宅避難生活を支える住宅設備で、食事や生活の他、情報収集の手段を確保する上でもメリットがあります。
しかし、蓄電池が災害時にどう役立つのかわからない方も多いかと思います。
そこで今回の記事では、災害時に蓄電池がどのように役立つのか、メリットや導入時のポイントについて詳しくご紹介していきます。
災害対策を進めている方や防災として蓄電池を検討し始めた方はぜひ参考にしてください。
目次
災害時に蓄電池が役立つ理由
冒頭でも触れたように日本は災害の多い環境で、場合によって停電を含む被害を受けてしまうケースもあり得ます。
また、在宅で避難生活を送る際は非常用電源を確保しておくことで、冷蔵庫やIHクッキングヒーター、エアコン、電気ポットなどを使用できるようになります。このような生活家電を稼働できれば、夏場や冬場の停電中でも快適に過ごせますし、熱の必要な調理も行えます。
さらに、ラジオやスマートフォン、テレビを通じて情報収集を続けられるので、被害状況やインフラなどに関する復旧状況を逐次確認することが可能です。
そのため、災害時において蓄電池は、あらゆる面で役立つ設備です。
災害時に備えてどの蓄電池を選ぶべき?
蓄電池と一言で表しても小型~大型まで幅広く製造販売されているため、災害時にどのタイプを選べばいいのかわからない方も多いかと思います。
続いては、災害時に備えて選ぶべき蓄電池を紹介します。
小型機器ならモバイルバッテリーでも対応可能
いわゆるモバイルバッテリーは、主にアウトドアの際に活用されている小型の蓄電池です。
スマートフォンや充電式ラジオや照明のために蓄電池を購入したい場合は、モバイルバッテリーでも十分といえます。値段は数1,000円単位なので、家計負担を抑えながら災害対策を進めたいご家庭にもおすすめです。
また、モバイルバッテリーより少し容量の大きいポータブル電源は、蓄電容量500kWh前後のタイプから1,000kWh以上のタイプまであり、消費電力の少ない家電製品に対応しています。
サイズ感は炊飯器に近く、数万円から10万円以上の価格帯となっています。アウトドア好きな方は普段から活用できますし、災害時にスマートフォンや扇風機、炊飯器など一部の家電製品へ電力供給することが可能です。
生活家電や住宅設備なら定置型蓄電池
冷蔵庫や電気ポット、電子レンジなど複数の家電製品を同時に使用したい方やオール電化住宅に住んでいる方、住宅設備も使用したい方は、定置型蓄電池を検討するのがおすすめです。
定置型蓄電池とは、基礎部分に蓄電池ユニットを固定させ、配線工事を行い稼働させる蓄電池のことです。また、住宅向けに作られた蓄電池は、家庭用蓄電池と呼ばれていて、蓄電容量4kWhなどの小規模なタイプから17.76kWhまでの比較的容量の大きなタイプまで製造されています。蓄電容量の最大が17.76kWhの理由は、消防法で定められているためです。
このように家庭用蓄電池の蓄電容量は、ポータブル電源より大きく、なおかつ住宅設備にも給電できるため、在宅避難生活の際に役立つ機器といえます。
災害時に備えて家庭用蓄電池を導入するメリット
ここからは、災害時に備えて家庭用蓄電池を導入する主なメリットについてわかりやすく解説します。
自動で充放電の制御を行ってもらえる
家庭用蓄電池にはさまざまな機能が搭載されていて、なおかつ利用者側で都度操作や設定を行わずに済みます。
一般的な家庭用蓄電池の機能は、以下の3種類にわかれています。
・売電・経済モード
・クリーンモード
・災害対策重視のモード
売電・経済モードと呼ばれている機能は、夜間に充電を行い、日中に自家消費を進めてもらえます。太陽光発電で売電収入を得たい場合にメリットの多い機能が、主な特徴です。日中の余剰電力を抑えられるため、売電収入を伸ばせます。
一方、クリーンモードは、夜間もしくは太陽光発電の余剰電力で充電し、発電量の少ない時間帯に自家消費を行うモードです。自家消費量を増やせるため、電気料金削減効果を期待できます。
災害対策重視のモードは、インターネット経由で天候情報や台風など災害につながる警戒情報を収集し、事前に蓄電池を満充電にできる機能です。また、AI制御対応タイプなら、インターネットから天候情報などを収集し、自動で機能を切り替えてくれます。
モニターから蓄電池のモードを切り替えるだけで家庭用蓄電池の充放電に関する制御を変更できますし、災害対策に関するモードは自動で切り替わるタイプもあります。
モバイルバッテリーやポータブル電源にはない制御機能を活用できるのが、家庭用蓄電池の大きなメリットです。
停電時に自立運転モードで稼働可能
家庭用蓄電池は停電時に自立運転モードで切り替わるため、災害時でも稼働し続けられます。
自立運転モードは、停電時でも家庭用蓄電池を稼働するための回路で、どの定置型蓄電池にも備わっています。切り替え方法については、メーカーや型番によって異なります。
手動タイプは、仕様によって通常時のモードから自立運転モードへ切り替えます。主な流れとしては、主電源のブレーカを切り、蓄電池側の機能を変更します。一方、自動タイプの場合は停電を検知した際に自立運転モードへ切り替わるため、停電時の操作不要です。
平時なら電気料金削減交換を期待できる
家庭用蓄電池を導入した場合、電気料金削減効果を期待できます。
特にオール電化向けの電気料金プランや時間帯別プランへ加入している方は、蓄電池単体でも電気料金を削減することが可能です。
家庭用蓄電池のモードには、夜間に充電を行うモードがあります。
オール電化向けの電気料金プランや時間帯別プランは、夜間の電力量料金を安くしてもらえるプランで、さまざまな電力会社から提供されています。
たとえば、東京電力のスマートライフプランは、オール電化向けの電気料金プランで、1時~翌日の6時まで安い電力量料金を適用してもらえます。
スマートライフSプランの場合は、1時~翌日の6時まで28.06円/kWh、6時~1時まで35.96円/kWhという電力料金で、7.9円もの差額です。そこで家庭用蓄電池で夜間に充電し、6時~1時の間に自家消費すれば消費電力量×7.9円の電気料金削減効果を得られます。
また、太陽光発電を導入しているご家庭の場合は、蓄電池との連携で時間帯別プランでなくとも効率的に電気料金を削減したり売電収入を伸ばしたりできます。
ガソリンやガス式と異なり燃料の保管管理が不要
家庭用蓄電池の場合は、ガソリンやガス式の非常用発電機と異なり燃料の保管管理が不要です。そのため、燃料の保管管理スペースに悩んでいる方や燃料の安全な管理方法に負担を感じている方などは、メリットの多い製品といえます。
家庭用蓄電池は電気で稼働する仕組みなので、燃料不要の住宅設備です。また、省スペース型の製品も製造されていて、室内の空いたスペースに設置できるのも嬉しいポイントです。
エコでんちでは、100種類以上もの家庭用蓄電池からお客様のご要望、設置予定場所に合った製品をご提案いたします。設置スペースに悩んでいる方もぜひお気軽にご相談ください。
災害時の蓄電池運用を検討する際に注目すべきポイント
家庭用蓄電池が災害時に役立つことを把握したあとは、製品を選ぶ際に注目すべきポイントについて確認しておく必要があります。
特に蓄電容量と稼働方式、電圧については、あらかじめ確認しておくべきポイントです。
蓄電容量
災害対策として家庭用蓄電池を導入する際は、停電時にどの程度の電気が必要なのか整理し、条件に合った蓄電容量を選びましょう。
蓄電容量を選ぶ際は、1日にどの程度電気を使用するのか計算し、数日や1週間程度の停電に耐えられる容量を目安に考えるのが大切です。
たとえば、1日あたりの消費電力量が1~2kWhの場合、蓄電容量6kWhの家庭用蓄電池を設置すれば3日~6日の停電でも電気を使用し続けられます。
1日の消費電力量は、各家電製品や電気機器に記載されている消費電力(W)×使用時間の合計で求めることが可能です。
特に消費電力の多い製品は、エアコンやIHクッキングヒーター、電子レンジ、食器洗い機で、いずれも1,000Wを超えます。一方、洗濯機や冷蔵庫、パソコンやテレビは、500W前後の消費電力です。
なお、災害時ではなく通常時の消費電力量は、1人暮らしで1日約6kWh程度、2人暮らしなら約10kWh程度です。停電した場合は、充電不足に陥らないよう節電を心がける場合もあります。そのため、通常時より消費電力が抑えられる可能性もあり、1日あたり5kWh前後の消費電力量で想定することも可能です。
まずは、災害時にどのような製品を使用し続けたいのか整理し、1日あたり何時間程度使用するのかシミュレーションしてみましょう。
特定負荷か全負荷どちらにするか確認
家庭用蓄電池を調べる際は、特定負荷型と全負荷型を確認するのが大切です。
特定負荷・全負荷は、停電時の給電方式に関する内容を指しています。
特定負荷型とは、設置前に給電したい場所を指定しておく方式のことです。たとえば、少しでも充電量を残すためにリビングのみで電気を使用したい場合は、設置工事の際にリビングのみに配線接続してもらいます。
一方、全負荷型は、全部屋のコンセントや住宅設備に給電できる家庭用蓄電池のことです。蓄電容量の大きな家庭用蓄電池を設置する方や太陽光発電と併用するため充電量を気にせず電気を使用できる方などは、使いやすい方式といえます。
どちらが優れているということではないので、停電時の過ごし方に合った方式を選びましょう。
200V対応機器にするか確認
オール電化住宅に住んでいる方や200V機器を使用したい方は、200V対応の家庭用蓄電池から検討するのがおすすめです。
家庭内の住宅設備や家電製品の中には、200V電源でのみ稼働する製品もあります。たとえば、IHクッキングヒーターやエアコン、エコキュートなどは、200V電源で稼働します。
停電時にどの電源へ給電できるかは家庭用蓄電池によって異なるため、あらかじめ100Vのみ対応、100V・200V対応かどうか施工販売店の担当者へ相談しましょう。
災害時に備えて蓄電池だけでなく太陽光発電も導入するのがおすすめ
災害時に備えて家庭用蓄電池を導入する場合は、太陽光発電の併用も検討してみるのがおすすめです。
家庭用蓄電池は数日間の停電に対応できるものの、外部電源がなければ充電できません。住宅用太陽光発電には家庭用蓄電池と同じく自立運転モードがあるので、停電時でも発電を継続できますし、家庭用蓄電池へ給電することも可能です。
さらに、普段は住宅用太陽光発電と家庭用蓄電池の併用で、毎月数1,000円以上の電気料金削減効果を期待できますし、余剰電力による売電収入も得られます。
なお、モバイルバッテリーやポータブル電源は住宅用太陽光発電に対応していないので、家庭用蓄電池から比較検討するのも大切です。
まとめ
家庭用蓄電池は、災害時の停電といった状況でも使用し続けられるので、停電対策としてもメリットのある住宅設備です。また、住宅用太陽光発電と併用して発電した電気を定期的に充電すれば、長期停電時でも夜間や発電量の少ない日に自家消費できるようになります。
災害時を想定した対策を進めている方や停電対策として蓄電池を検討し始めた方は、この機会にエコでんちで家庭用蓄電池を検討してみてはいかがでしょうか。
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