太陽光発電の発電量は地域や季節でどう変わる?驚きの実態を解説!
最終更新日:2025.05.07 太陽光発電

太陽光発電を初めて導入する際、どの程度発電できるのか気になるところではないでしょうか。太陽光発電は日光を吸収し、光を電気へ変換する仕組みです。そのため、発電量は、日射量や設置場所の環境、天候などによって変わります。
そこで今回は、太陽光発電の仕組みから発電量を左右する要因、一般的な発電量について詳しく解説します。
住宅用太陽光発電の導入を考えている方や住宅用太陽光発電の発電量を把握した上で活用していくかどうか決めたい方などは、ぜひ参考にしてみてください。

太陽光発電の仕組みとは?

太陽光発電は、太陽光パネルで日光を吸収します。その後、太陽光パネル内部の太陽電池で光を直流の電気へ変換され、接続箱からパワコンもしくは接続箱一体型のパワコンへ流れます。パワコンで交流へ変換された電気は、自宅のコンセントや住宅設備などへ供給される仕組みです。
つまり、発電を担っている機器は太陽光パネルです。また、パワコンは、太陽光パネルから発電された電気の制御を担っています。
とくに太陽光パネルとパワコンが発電量を左右するため、変換効率を含めた性能を比較しながら選びましょう。
なお、FIT制度の認定を受けた住宅用太陽光発電は、余剰買取方式のみ認められています。余剰買取方式は、発電した電気を自家消費(自宅で消費)したのち余った電気のみ売電できるルールです。積極的に売電を行いたい場合は、余剰電力を多く残す必要があります。
それでは、太陽光発電の仕組み、パワコンの役割、売電の仕組みについて詳しく解説します。
太陽電池で光を電気に変換する仕組み
前段で軽く触れたように太陽光発電は、光を電気へ変換するシステムです。
電気へ変換する仕組みは、太陽光パネルに搭載されています。太陽光パネルの内部にある太陽電池は、光の吸収・電気への変換といった機能を持っています。
光を電気へ変換する仕組みは、光電効果と呼びます。光電効果とは、物質に光を当てた際、物質の表面から電子が放出される現象のことです。中でも半導体を活用した太陽電池は、より効率的に電子を取り出せる仕組みとなっています。そのため、他の物質より電気をより多く取り出すことが可能です。
太陽電池には種類があり、それぞれ変換効率などに違いもあります。
太陽電池 | 特徴 |
シリコン系 | 結晶シリコン アモルファスシリコン |
化合物系 | CIS系 CDTeなど |
有機系 | ペロブスカイトなど |
国内に流通している太陽電池は、主にシリコン系の単結晶シリコン太陽電池と多結晶シリコン太陽電池、薄膜シリコン太陽電池、ヘテロ接合型太陽電池です。
単結晶シリコン太陽電池は、変換効率20%前後と高効率で発電量を伸ばしやすい種類といえます。多結晶シリコン太陽電池は、単結晶シリコンのかけらを集めたもので、変換効率17%前後と少し低いものの安価です。
薄膜シリコン太陽電池は、熱に強く軽量で扱いやすさという点で強みのあるタイプです。ただし、変換効率10%前後と低いため、実用性という点で課題もあります。
ヘテロ接合型太陽電池は、単結晶シリコンの間にアモルファスシリコンを組み合わせたタイプで、変換効率19%前後と単結晶シリコン太陽電池に近い性能を持っています。また、高温環境下でも発電量が低下しにくく、夏場でも効率的に発電しやすいです。
太陽光パネルを選ぶ際は、パネルに搭載されている太陽電池の種類と特性を把握した上で比較してみましょう。
パワコンで家庭で使える電気に変換
太陽光パネルから発電された直流の電気は、接続箱からパワコンもしくは接続箱一体型パワコンへ流れていきます。接続箱は、複数の太陽光パネルから流れてきた電気をまとめる役割を持っています。そのため、太陽光発電において重要な機器のひとつです。
そして、パワコン(パワーコンディショナー)は、主に電力の変換や制御、システムの保護といった役割を担っている重要な機器です。
太陽光パネルから発電された直流の電気は、家庭でそのまま使用できません。なぜなら、家電製品や電子機器、住宅設備のほとんどは、交流の電気で稼働するよう設計されているからです。つまり、直流から交流へ変換させなければ、自家消費できない状態です。
そこでパワコンが必要になります。
パワコン内部にはインバーター回路が搭載されています。インバーター回路は直流の電気を交流変換する機能を持っており、家庭で電気を使用するために必要不可欠なシステムです。
また、パワコンでは、全ての電力を変換できるわけではありません。直流の電気は、熱など別のエネルギーへ変換してしまうため、わずかに損失してしまいます。
そのため、パワコンのカタログには変換効率が記載されています。一般的な変換効率は、95~98%です。製品を比較する際は、なるべく変換効率の高いものから検討していきましょう。
余った電気は売電と蓄電の仕組み
住宅用太陽光発電を導入する場合は、通常FIT制度の認定を受けて運用していきます。
FIT制度(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)とは、再生可能エネルギーの導入を支援する国の制度です。たとえば、住宅用太陽光発電(出力10kW未満)でFIT認定を受けた場合は、認定した年から10年間、固定の単価で電気を買い取ってもらえます。また、電力の買取については、余剰買取方式となります。
つまり、発電した電気を自家消費(自宅で消費)したのち、余った電気のみ電力会社へ売電できるのが、余剰買取方式の特徴です。
認定を受けた年から10年を過ぎたあとは、電力会社から提供されている卒FITプランへ加入するか、全量自家消費へ切り替え、もしくは設備の撤去を検討していきます。
太陽光発電で自家消費したのち余った電気を残しておきたいときは、家庭用蓄電池の準備が必要です。家庭用蓄電池は充電・放電機能を持つ設備で、太陽光発電と連携できます。
たとえば、日中に発電した電気のうち余った電気を家庭用蓄電池へ充電しておけば、発電できない夜間や早朝、電気使用量の多い時間帯に放電・自家消費することが可能です。
このように自家消費率を高められるのは、蓄電池との併用メリットといえます。
太陽光発電の発電量を左右する要因は?

太陽光発電の発電量は、以下の要素によって左右されます。
● 太陽光パネルの仕様
● 太陽光パネルの設置枚数
● 太陽光パネルの設置角度、向き
● 日照時間
● 季節
前段で紹介したように太陽電池には種類があり、それぞれ変換効率や特性に違いもあります。また、同じ太陽電池でもメーカーによって性能は異なります。
そのため、太陽光パネルを選ぶ際は、変換効率や発電効率を低下させない技術の有無や内容などについて確認しておくことが大切です。
ほかには、太陽光パネルの設置枚数も発電量を左右する要因のひとつです。つまり、太陽光パネルを屋根に敷き詰めているケースと、屋根の一部に設置しているケースであれば、前者の方が発電量を伸ばしやすいといえます。ただし、1枚あたりの出力はメーカーや型番によって異なるため、面積あたりの出力についても比較しておきましょう。
太陽光パネルを決めたあとは、設置角度や向きにも気を付ける必要があります。一般的に設置角度30度が、発電に適した角度とされています。また、南向きに設置できれば、より効率的に発電を行うことが可能です。南向きの発電効率を100とした場合、南東や南西で95前後、東西で85前後となります。
太陽光パネル以外の要素では、日照時間や季節に注目です。
通常、日照時間が長ければその分発電量を増やすことは可能です。ただし、気温が高すぎてしまうと、太陽光発電の発電効率低下を招いてしまう場合もあります。そのため、重タウ区用太陽光発電の設置を検討する際は、設置地域の天候についても調べておくことが大佐説です。
それでは、発電量を左右する要因について詳しく解説します。
日射量で決まる発電効率
太陽光発電の発電効率は、日射量によっても変動します。
日射量とは、一定に時間に太陽から降り注がれる光エネルギー(kWh/㎡もしくはMJ/㎡:1kWh/㎡は3.6MJ/㎡)のことです。つまり、日射量が多ければ多いほど、太陽光発電の発電量を伸ばせます。
また、日射量から発電量を計算することが可能です。計算式は、太陽電池の出力(太陽光発電システム全体の出力)×日射量(kWh/㎡、日)×システム出力係数となります。システム出力係数は、一般的に0.7~0.85とされています。
日射量については、気象庁HPなどから確認できます。たとえば、東京都の2024年における日射量は、年間13.9 MJ/m2です。
出典:気象庁ホームページ (気象庁|過去の気象データ検索)
上記の計算式に当てはめた場合は、5kW×3.86kWh/㎡・日×0.7×365日=年間発電量約4931.15kWhです。また、日射量の目安については、晴れの日で4~6kWh/㎡・日前後、雨の日で1kWh/㎡・日前後とされています。
以下に出力5kWにおける発電量の目安を紹介します。
天候 | 1日の発電量 |
晴れ(4kWh/㎡・日と仮定) | 14kWh |
曇り(2kWh/㎡・日と仮定) | 7kWh |
雨(1kWh/㎡・日と仮定) | 3.5kWh |
日射量の変動によって発電量も大きく変わるため、事前に天候の影響を調べておくことが大切です。
最適な設置方角と角度
太陽光発電の発電量は、設置角度や方角によっても変化します。
なぜなら、太陽光パネルの設置角度を適切に調整しなければ、日光を吸収できないからです。また、方角によっても太陽光パネルから吸収できる光の量が変わるため、注意すべきポイントひとつです。
設置角度については、一般的に30度が適切とされています。ただし、地域によって南中高度は異なります。南中高度は、太陽もしくは月が真南に位置したときの高度を指しています。
つまり、真南に太陽が来たとき、より多くの光を吸収できる角度に調整しておくことも大切です。また、緯度によって南中高度は変わるため、地域の高度に合わせて設置角度を決める必要があります。
そして、太陽光パネルの方角については、なるべく南向きにしましょう。南向きの発電効率を100とした場合、南東や南西で95前後、東西で85前後となります。また、北向きでは、60前後まで低下してしまいます。
住宅用太陽光発電を検討する際は、屋根の向きがどのようになっているのか確認しておきましょう。
パネルの種類による違い
太陽光パネルの太陽電池には種類があり、それぞれ特性や変換効率に違いもあります。そのため、太陽光パネルの種類によっては、発電量を伸ばしやすいといえます。
以下に主な太陽電池の種類を紹介します。
太陽電池 | 特徴 |
シリコン系 | 結晶シリコン(単結晶、多結晶にわかれる) アモルファスシリコン(ヘテロ接合型などにわかれる) |
化合物系 | CIS系 CDTeなど |
有機系 | ペロブスカイトなど |
前半でも触れたように国内で流通している太陽電池は、シリコン系の単結晶シリコン太陽電池と多結晶シリコン太陽電池、薄膜シリコン太陽電池、ヘテロ接合型太陽電池の4種類とされています。
単結晶シリコン太陽電池は、古くから使用されている太陽電池で、長い期間技術開発が進められてきました。そのため、開発当初は変換効率6%前後でしたが、2025年時点では20%前後の水準まで上昇しています。とくに変換効率が高いタイプでもあるため、発電量を伸ばしやすいのが強みです。
多結晶シリコン太陽電池は、単結晶シリコンの製造時に発生したかけらなどを集めてウェハーにしたもので、純度は低めです。そのため、変換効率は17%前後と少し低いものの、価格が抑えられています。コスト面の負担を抑えたい場合は、多結晶シリコン型太陽光パネルも比較してみましょう。
薄膜シリコン太陽電池は、1μm以下の薄さで加工されたシリコンタイプの太陽電池です。シート状に加工できるのが、単結晶シリコンや多結晶シリコン型との違いといえます。また、熱に強く軽量で扱いやすいといった点もメリットのひとつです。ただし、変換効率10%前後と低いため、発電量を伸ばしにくいタイプでもあります。
ヘテロ接合型太陽電池は、単結晶シリコンの間にアモルファスシリコンを組み合わせた太陽電池です。変換効率は19%前後と、単結晶シリコン太陽電池に近い水準となっています。また、高温環境下でも発電量が低下しにくく夏場でも効率的に発電しやすいため、気温の上昇しやすい地域で設置する方にとっても導入しやすいといえます。
季節が与える影響
太陽光発電の発電量は、季節によっても変動することがあります。具体的には、日照時間の変動による影響に気を付けましょう。
一般的に日照時間は、時間帯や天候によって変動する傾向です。さらに、冬と夏では日照時間が異なるため、発電量も変化しやすいといえます。
以下に東京都の日照時間を紹介します。
【2024年1月~12月までの日照時間】
1ヶ月の日照時間 | 1日の日照時間 | |
1月 | 198.5時間 | 約6.4時間 |
2月 | 152.4時間 | 約5.25時間 |
3月 | 201.6時間 | 約6.5時間 |
4月 | 150.3時間 | 約5.01時間 |
5月 | 185.5時間 | 約5.98時間 |
6月 | 158.1時間 | 約5.27時間 |
7月 | 199.6時間 | 約6.43時間 |
8月 | 189.8時間 | 約6.12時間 |
9月 | 160.8時間 | 約5.36時間 |
10月 | 111.7時間 | 約3.6時間 |
11月 | 158.1時間 | 約5.27時間 |
12月 | 233.8時間 | 約7.54時間 |
2024年の場合、3月や7月や8月、12月の日照時間は比較的長い傾向です。一方、2月や4月、10月、11月などは短く、1ヶ月160時間を下回っています。このように1ヶ月あたり数10時間の差が生じると、発電量に影響を与える可能性もあります。
次に出力5kW、日射量3 kWh/㎡、日と仮定した場合の発電量を季節ごとに紹介します。
【出力5kW、日射量3 kWh/㎡、日、システム出力係数0.7、1日の発電量10.5kWh/6時間程度と仮定】
1ヶ月の発電量 | |
1月 | 約347kWh |
2月 | 約266kWh |
3月 | 約352 kWh |
4月 | 約263 kWh |
5月 | 約324 kWh |
6月 | 約276 kWh |
7月 | 約349 kWh |
8月 | 約332 kWh |
9月 | 約281 kWh |
10月 | 約195 kWh |
11月 | 約276 kWh |
12月 | 約409 kWh |
比較的日照時間の長い月は、1ヶ月あたり300kWhを超える発電量を見込めます。一方、日照時間160時間に満たない月は、200kWh台まで低下する可能性があります。そのため、シミュレーションを行う際は、日照時間の少ない月も考慮した上で計算を行うことが大切です。
なお、年間の合計日照時間については、通常大きく変動しにくいといえます。そのため、太陽光発電は、年間収支や発電量などについて予測しやすく、費用回収の計算も比較的行いやすいシステムです。
システムロスが発電効率に与える影響とは?

いわゆるシステムロスとは、発電時に損失したエネルギーのことです。
単結晶シリコン型太陽光パネルの変換効率は、20%前後とされています。つまり、光エネルギーを電気に変換できる割合は、20%前後ということです。残りの80%前後は電気に変換できず、かつ損失しています。
このように太陽光発電では、光エネルギーを全て電気に変換できません。また、システムロスの原因については、太陽光パネルの汚れ、温度上昇、パワコンなど複数存在しています。
効率的に発電を行っていくためには、システムロスの原因を把握し、それぞれの事象に合った対策を講じていくことが大切です。たとえば、太陽光パネルの変換効率を向上させたい場合は、導入の際に高効率な製品を選ぶ必要があります。
続いては、システムロスによる影響をわかりやすく解説します。
温度上昇による発電効率の低下
システムロスの原因には、温度上昇が関係している場合もあります。
通常、太陽光パネルに用いられている太陽電池は、高温に弱い傾向です。つまり、パネルの表面温度が上昇していくと、太陽電池の発電効率は低下していきます。なぜなら、シリコン系の太陽電池は、温度上昇に伴い電圧が低下してしまうためです。
そのため、夏場など気温の高い時期は、晴れていても発電量を伸ばしにくく、むしろ低下してしまうことがあります。一般的には、パネルの表面温度25℃を超えたあたりで、発電効率の低下を招きます。
気温30℃を超えている場合のパネル表面温度は、70℃を超えているケースもあり、太陽光パネルの発電効率に大きな影響を与えます。
気温上昇による発電効率の低下を防ぎたい場合は、温度特性に優れた太陽光パネルを選定してみましょう。
たとえば、長州産業から販売されているGシリーズはヘテロ接合構造セルで、夏場の高温時でも発電効率の低下を防げます。また、従来品では吸収できなかった紫外線も吸収できるようになっており、発電量を伸ばしやすくなっています。
配線とパワコンのロス率
システムロスは、配線やパワコンで起きてしまうことがあります。
配線ケーブルには電気抵抗があるため、電気を全て送電できるわけではありません。具体的には、電気抵抗によって発熱します。すると、電気の一部は熱エネルギーへ変換してしまうため、システムロスにつながります。
また、配線ケーブルが劣化したり破損したりしてしまうとさらに損失するため、注意の必要なポイントです。
また、パワコン内部の回路にも電気抵抗があるため、配線ケーブルと同じく電力の交流変換、送電時に一部損失してしまいます。なお、パワコンの変換効率については95~98%とされており、比較的システムロスの低い状態です。
よりシステムロスを抑えたい場合は、高効率のパワコンを選んだり配線ケーブルの劣化や破損について早期に対処したりすることが大切です。
パネルの汚れによる効率低下
住宅用太陽光発電を導入する際は、太陽光パネルの汚れによるシステムロスなどにも注意が必要です。
住宅用太陽光発電では、住宅の屋根に太陽光パネルを設置します。そのため、雨水による水垢や砂埃、黄砂、落ち葉などといった汚れが、太陽光パネルの表面に付着してしまうことがあります。
定期的に洗浄していれば、太陽光パネル表面の汚れを早期に除去することが可能です。また、太陽光パネルに傾斜をつけて固定しているため、落ち葉などであれば自然に落ちていきます。
しかし、定期的なメンテナンス、洗浄を怠っていると、さまざまな汚れが蓄積していき、太陽光パネルの発電量に影響を与える可能性もあります。
太陽光パネルの汚れを原因とするシステムロスを防ぐためには、施工業者などの専門業者へ定期点検・メンテナンスを依頼することが大切です。太陽光発電のメンテナンス作業は、専門資格を取得した作業員でなければ対応してはいけません。また、屋根に登ることは危険なため、必ず専門業者へ相談しましょう。
地域による発電量の違いは?徹底比較

太陽光発電の発電量は、太陽光パネルの種類や性能、パワコンの変換効率、設置角度や方角のほか、設置地域によっても変わります。
内陸部や太平洋側に面している地域で太陽光発電を導入すると、発電量を伸ばしやすいといえます。たとえば、山梨県や長野県、群馬県、静岡県などは、他の地域と比較して発電量が多い傾向です。
以下にそれぞれの発電量を紹介します。
都道府県庁所在市町村 | 地域別発電量係数(30°) (kWh/(kW・年)) 建物系(戸建住宅等) |
群馬県前橋市 | 1,441 |
山梨県甲府市 | 1,522 |
長野県長野市 | 1,428 |
静岡県静岡市 | 1,431 |
年間の発電量は他の地域と比較して100kWh以上多く、効率的に発電しやすい環境といえます。
なぜなら、内陸部や太平洋側に面している地域の多くは、日照時間が長いためです。日照時間の長さは、発電量を左右する大きな要素でもあります。そのため、地域によって発電量に差が生じています。ほかにも日当たり、地形、積雪量などの要素が、発電量に影響を与えています。
それでは、地域による発電量の違いを確認していきましょう。
都道府県別の年間発電実績
都道府県庁所在市町村 | 地域別発電量係数(30°) (kWh/(kW・年)) 建物系(戸建住宅等) |
札幌市 | 1,225 |
青森市 | 1,162 |
盛岡市 | 1,234 |
仙台市 | 1,288 |
秋田市 | 1,108 |
山形市 | 1,219 |
福島市 | 1,267 |
水戸市 | 1,392 |
宇都宮市 | 1,364 |
前橋市 | 1,441 |
さいたま市 | 1,361 |
千葉市 | 1,352 |
新宿区 | 1,345 |
横浜市 | 1,366 |
新潟市 | 1,140 |
富山市 | 1,163 |
金沢市 | 1,189 |
福井市 | 1,190 |
甲府市 | 1,522 |
長野市 | 1,428 |
岐阜市 | 1,368 |
静岡市 | 1,431 |
名古屋市 | 1,382 |
津市 | 1,392 |
大津市 | 1,271 |
京都市 | 1,255 |
大阪市 | 1,337 |
神戸市 | 1,388 |
奈良市 | 1,304 |
和歌山市 | 1,386 |
鳥取市 | 1,183 |
松江市 | 1,177 |
岡山市 | 1,346 |
広島市 | 1,332 |
山口市 | 1,279 |
徳島市 | 1,401 |
高松市 | 1,348 |
松山市 | 1,330 |
高知市 | 1,407 |
福岡市 | 1,224 |
佐賀市 | 1,262 |
長崎市 | 1,276 |
熊本市 | 1,309 |
大分市 | 1,263 |
宮崎市 | 1,345 |
鹿児島市 | 1,256 |
那覇市 | 1,217 |
太陽光発電の一般的な発電量は、1kWあたり年間1,000kWh前後とされています。
とくに発電量の多い地域は、群馬県前橋市と長野県長野市、静岡県静岡市、山梨県甲府市、徳島県徳島市、高知県高知市で、いずれも1kWあたり年間1,400kWhを超えています。前段でも触れたように内陸部もしくは太平洋側の多くは、日照時間が長い傾向です。そのため、他の地域より発電量を伸ばしやすい環境といえます。
日照時間の多い地域ベスト10
以下に日照時間の多い地域を紹介します。
都道府県庁所在市町村 | 年間の日照時間(時間) |
熊谷市 | 2545.5 |
前橋市 | 2497.2 |
甲府市 | 2484.1 |
静岡市 | 2459.3 |
水戸市 | 2454.4 |
横浜市 | 2410.0 |
名古屋市 | 2378.4 |
津市 | 2373.3 |
千葉市 | 2345.7 |
岐阜市 | 2342.4 |
とくに上記の地域は、日照時間の長さという点で太陽光発電を導入しやすい環境です。前段でも触れたように日照時間が長ければ長いほど、発電量を増やしやすく、かつ電気料金削減効果や売電収入を伸ばしやすいといえます。
たとえば、前橋市の年間発電量は1kWあたり1441kWhと、平均より400kWh以上多く、効率的に発電しやすい地域のひとつです。また、甲府市に関しては1kWあたり1,522kWhと、とくに発電量の多い地域となっています。
このように日照時間の長さは、発電量に影響を与える要因のひとつとして捉えることが可能です。そのため、これから太陽光発電を導入する方は、自身の住んでいる地域の日照時間や天候についても調べておくことが大切です。
地域別発電量ランキング
続いては、年間発電量の多い地域を紹介します。
都道府県庁所在市町村 | 地域別発電量係数(30°) (kWh/(kW・年)) 建物系(戸建住宅等) |
甲府市 | 1,522 |
前橋市 | 1,441 |
静岡市 | 1,431 |
長野市 | 1,428 |
高知市 | 1,407 |
徳島市 | 1,401 |
水戸市 | 1,392 |
津市 | 1,392 |
神戸市 | 1,388 |
名古屋市 | 1,382 |
このように年間発電量の多い地域を見てみると、いずれも内陸部もしくは太平洋側であることがわかります。とくに山梨県甲府市や群馬県前橋市、静岡県静岡市、高知県高知市などは、1kWあたり年間1,400kWhを超えており、より多くの発電量を確保しやすい環境といえます。
なお、発電量に影響を与えている要素については、日照時間の長さだけでなく、日当たりや気温、地形なども含まれている可能性があります。とくに気温が高すぎてしまうと、晴れの日でも発電効率の低下を招いてしまいます。そのため、気温の高い地域で住宅用太陽光発電を導入する場合は、高温環境下でも発電効率が低下しにくいタイプの太陽電池を検討してみましょう。
発電量を最大化するコツとは?

太陽光発電の発電量を最大化するためには、まず太陽光発電の製品選びについて慎重に行う必要があります。
前半でも触れたように太陽光パネルの変換効率は、メーカーや太陽電池の種類などによって異なります。とくに性能の高いタイプは、変換効率21%を超えている場合もあります。また、ヘテロ接合型などは高温環境下に強く、温度上昇による発電効率低下を防ぐことが可能です。
このように変換効率の高い太陽光パネルや、発電量向上に関する技術が盛り込まれたパネルを選ぶことは、発電量の最大化を目指す上で欠かせないポイントといえます。
また、パワコンを選ぶ際は、少なくとも変換効率95%以上の製品から比較検討しましょう。なぜなら、パワコンの変更率が高ければ、その分自家消費・売電量を伸ばせるからです。
ほかにも発電量を最大化させる上で押さえておくべきポイントはあります。
それでは、発電量の最大化を目指す際に押さえておくべきポイントを3つ紹介します。
定期清掃で維持する発電効率
発電量を最大化させたい場合は、定期点検と清掃を欠かさないようにしましょう。
太陽光パネルの清掃や洗浄を怠ってしまうと、汚れが少しずつ蓄積していきます。すると、パネル表面に付着した砂埃などの影響で、発電量が低下してしまいます。
汚れは洗浄などで除去できるため、システムロスを防ぎやすいポイントのひとつです。
また、定期点検を実施しない状況では、太陽光パネルやパワコン、配線ケーブルなどの劣化、異常などに気付くことができません。仮に配線ケーブルが劣化したり破損したりしてしまうと、電気抵抗の増加などによってシステムロスの増大を招くほか、発熱による火災リスクも生じます。
ほかの機器も故障や発熱などのリスクが生じるため、定期点検は欠かせません。さらに、点検を行っているとFIT認定を取り消される可能性があります。
そのため、住宅用太陽光発電を導入したあとは、施工販売店で提供されている定期点検・メンテナンスサービス、その他専門業者の点検サービスを利用しましょう。点検の頻度については、まず設備を導入した初年度に1回実施する必要があります。その後は、少なくとも4年に1回以上行うべきとされています。
具体的な点検・メンテナンス頻度については、施工販売店の担当者へ直接相談してみるのがおすすめです。
最適な設置角度の選び方
前半でも解説したように太陽光パネルの設置角度や方角は、発電量に影響を与えるポイントのひとつです。
たとえば、設置角度については、30度が適切とされています。ただし、適切な設置角度は、南中高度や屋根形状、方角などによって変わる場合があります。
また、発電効率を伸ばせる方角は南向きです。南向きの発電効率を100とした場合、南東や南西で95前後、東西で85前後と少し低下します。また、北向きでは、60前後まで低下してしまうため、なるべく南に設置できるよう調整することが大切です。
なお、実際の設置角度などについては、施工販売業者側でサポートしてくれます。太陽光発電を導入する方は、施工実績豊富でかつノウハウを持つ施工販売店を探しましょう。
影の影響を抑える設置方法
太陽光発電の発電量を低下させないためには、影の影響についてあらかじめ確認したり対策を講じたりする必要があります。
太陽光パネルの一部でも影がかかってしまうと、発電量の低下を招いてしまいます。そのため、施工販売店による現地調査を依頼する際は、屋根に影がかかる可能性はあるか、どの程度の影響を受けるかどうか調べてもらいましょう。
また、屋根の一部に影がかかってしまう場合は、オプティマイザーの導入を検討してみるのも大切です。
通常、太陽光パネルの一部に影がかかった際、同じストリングの太陽光パネルも影響を受けてしまいます。ストリングとは、太陽光パネル同士を直列に接続させた状態のことです。
オプティマイザーを各太陽光パネルに取り付けると、影の影響を受けたパネルのみ発電量が低下します。また、同じストリングの太陽光パネルは影響を受けないため、本来の発電量を維持できます。
影の影響を抑えることは可能なので、ノウハウを持つ施工販売店へ1度相談してみるのがおすすめです。
発電量の正確な把握方法は?

事前に太陽光発電の発電量を把握したい場合は、計算もしくはシミュレーションツールで確認することが可能です。
計算で求めたい場合は、以下の流れで確認を進めていきます。
- 太陽光発電の容量を確認する
- 日射量のデータを調べておく
- 年間発電量を計算する
太陽光発電の容量については、太陽光パネルの枚数×1枚あたりの出力で求められます。たとえば、1枚あたりの出力300W×10枚であれば、容量3kWになります。
次は、自身の住んでいる地域に関する日射量データを調べておきます。日射量のデータについては、気象庁HPなどで確認することが可能です。
あとは、発電容量(kW)×日射量(kWh/㎡)×損失係数で年間の発電量を計算できます。損失係数については、前半で解説したように0.7~0.85です。
より正確に発電量を予測したい場合は、施工販売店へ相談してみるのがおすすめです。施工販売店には専用のシミュレーションツールがあり、より効率的かつ正確に計算してもらえます。
ここからは、太陽光発電の導入後に発電量を把握する方法を紹介します。
パワコンでの確認手順
太陽光発電の導入後は、パワコン(パワーコンディショナー)もしくは太陽光発電専用のモニターから発電量を確認することが可能です。
たとえば、パナソニック製のパワコンには、本体表面に発電電力や発電量が表示されています。また、リモコンや専用のモニターにも発電量が表示されているので、簡単に把握できます。
とくに扱いやすいのは太陽光発電専用モニターで、発電量だけでなくパワコンのエラー通知を含め複数の情報がまとめられています。そのため、早期に異常を確認したり消費電力量や売電収入なども把握したりすることが可能です。
住宅用太陽光発電を検討する際は、各メーカーの太陽光発電モニターについても調べておきましょう。
スマートフォンでの管理方法
太陽光発電のメーカーによっては、スマートフォンアプリで管理できる場合もあります。
シャープの住宅用太陽光発電システムには、COCORO HOMEというスマートフォン専用アプリがリリースされています。COCORO HOMEは、クラウドHEMSサービス「COCORO ENERGY」から提供される情報を確認したり、発電量や売電量などのモニタリングを行ったりしてくれます。
たとえば、機器に異常が発生した場合は、アプリに通知を届けてくれるため、早期に対処できます。また、修理交換を依頼したい場合は、通知に記載されているリンクから申し込むことが可能です。
さらに、モニタリング発電診断(有償:月220円(税込))というサービスを利用すれば、住宅用太陽光発電の発電量や売電量を継続的にモニタリングしてくれるほか、発電量が低下した際に通知を届けてくれます。
より簡単かつスピーディに発電量を確認したいときは、スマートフォンアプリと連携可能な太陽光発電メーカーから比較検討してみるのが大切です。
発電量低下時の対処法
もし、発電量が低下した場合は、すみやかに施工販売店へ相談し、点検・メンテナンスを行ってもらう必要があります。太陽光発電の点検・メンテナンスは、国家資格を取得した専門技術者のみ認められています。無資格者が点検を行ってしまうと、罰せられる可能性もあります。
そのため、太陽光発電に異常が発生した場合は、施工販売店へ状況を説明し、点検や修理などを依頼しましょう。
太陽光発電のシミュレーションを行った上で導入を決めたい方や太陽光発電で電気料金を削減できるか知りたい方は、今回の記事を参考にしながらエコでんちで太陽光発電システムを検討してみてはいかがでしょうか。
エコでんちでは、さまざまな住宅用太陽光発電システム、ソーラーカーポート、家庭用蓄電池、V2Hを取り扱っています。
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