家庭用蓄電池の容量と選び方(容量計算・使い方)
最終更新日:2023.09.13蓄電池
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「太陽光発電の買取がそろそろ終わるし、蓄電池を導入して家で使おう!」
けど・・・「うちにはどの蓄電池があっているの?」
と、お悩みの方も多いのではないでしょうか。
最初に悩むのが「蓄電池の容量」ですね。
各メーカーから販売されている家庭用蓄電池の容量は、2kWh前後のものから16.6kWhまであり、何を基準に容量を決めればいいのでしょうか?
次にお客様からよく聞かれるのは「停電時の使い方」・・・全負荷?特定負荷?100V?200V?なんのことだかサッパリ。
こういったことから、蓄電池の選び方がわからないというお問い合わせを頂戴します。
この記事は、蓄電池の検討をはじめたばかりのお客様に向けた内容になります。
お客様にあった蓄電池選びのポイントをズバリ解説していきます。
家庭用蓄電池の選び方 容量で選ぶ
“設置済みの太陽光パネルの容量”から考える
現在設置済みの太陽光パネルの容量(kW)は把握していますか?
太陽光パネルを設置した際の契約書や保証書などにアルファベット+○○〇×〇枚、と記載があると思います。〇の中には数字が入ってきます。例えば、「ECODENCHI 300×20」 といった記載を探してください。
上記の場合300kW×20枚で6.0kWの太陽光パネルが搭載されているという事が分かります。
この太陽光パネルの容量から蓄電池の容量を選ぶこともできますので後ほど説明をしていきます。
10年間のFIT期間が終了すると太陽光の固定買取価格(買電価格)が下がります。2009年にFITを開始した方の例で考えると、48円で売っていた電気を7~8円で売ることになります。
一方、あまり気にされていないケースもあるのですが、電気の購入は1kWhあたり20~35円です。電気会社に7円や8円で売って、同じ電気会社から20~35円で電気を買う…よく考えたら不思議な話ですよね(笑)そう考えると、自分の家の太陽光で作った電気を貯めて自家消費した方が明らかに経済的です。
今後も電気料金は上がっていく事が予想されている反面、売電価格は下がっていく一方というのが現状です。実際に、太陽光が日本よりも普及している欧米諸国では売電価格が3円や5円という国もあります。
できるだけ賢く自家消費に回すための蓄電池容量の選び方がこちらです!
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この方法は、売電に回っている電気量を経済的に利用するため、自家消費していくという事を目的とした考え方です。(自家消費にシフトチェンジ)
例えば「6.0kwの太陽光パネルを設置している」と仮定します。
天候や、太陽光パネル設置状況など条件によって発電量が変わりますが、1日に発電する電力量は太陽光パネルの容量に3をかけた数値となります。
この場合およそ18kWhほどと仮定することができます。
計算式はこちらです。
「6(kW)×3(発電時間)=18kWh」
太陽光パネルで発電した電気を自家消費する分は、およそ30%といわれています。
残りは売電しているという事ですね。
このことから5.4kWhは家で自家消費し、残りの約12kWhが売電分の電気量となります。
つまり、12.0kWhの蓄電池を選べばこの分を貯めるのに適した容量ということですね。
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“一日の電気を蓄電池でまかなう”から考える(固定買取終了前/後・太陽光未設置の方)
毎月の電気使用量から考える容量です。
太陽光発電システムを設置している方はもちろんのこと、設置していない方も電気使用量から必要容量を考えられます。
3タイプの考え方
①太陽光発電システムを設置している方(固定買取終了後)から容量の考え方
電気料金がわかる検針票をみていただければ電気使用量が載っています。
太陽光で発電していない時間帯の電気使用量を調べてください。
ホームタイム(朝晩)・デイタイム(昼間)・ナイトタイム(深夜)
ここでいうとデイタイム(昼間)以外です。
ホームタイム+ナイトタイムの使用量でひと月に購入している電気量がわかります。
例:月300kWh使用
ホーム(朝晩):120kWh
デイ(昼間) :30kWh
ナイト(夜間):150kWh
「ホーム+ナイト270kWh÷30(日)=9kWh」
よって蓄電池の容量は実効容量が9kWh前後のものがオススメです。
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②太陽光発電システムを設置している方(固定買取終了前)から容量の考え方
固定買取前の方でも容量は固定買取後で考えるのが良いと思います。
蓄電池の寿命から考えても前より後の方が使っている期間が長いからです。
それでも固定買取終了前で考えますと、ナイトタイム(深夜)の電力でホームタイム(朝晩)分を補う動かし方になるので、ホームタイムで使う使用量を確認してください。
例:電力プランが東京電力、電化上手、10kVA契約の場合
月300kWh使用
ホーム(朝晩):120kWh
デイ(昼間) :30kWh
ナイト(夜間):150kWh
「ナイト150kWh÷30(日)=5kWh」
よって蓄電池の容量は実効容量が5kWh前後のものがオススメです。
③太陽光発電システム未設置の容量の考え方
ナイトタイム(深夜)の電力でホームタイム(朝晩)+デイタイム(昼間)分を補う動かし方になります。
ホームタイム+デイタイムで使う使用量を確認してください。
例:月300kWh使用
ホーム(朝晩):120kWh
デイ(昼間) :30kWh
ナイト(夜間):150kWh
「ホーム+デイ150kWh÷30(日)=5kWh」
よって蓄電池の容量は実効容量が5kWh前後のものがオススメです。
ここでポイントとなるのは、電気料金プランが従量電灯など使用電気量に比例して電気代が高くなるプランの場合、この方法は役に立ちません。
停電時に使用できる容量から考える
こちらは予期せぬ停電が発生した時に、自宅で使いたい家電製品及び使用時間から考える方法です。
停電発生時に使うことができず、特に困るのが冷蔵庫。
仮に夏場に停電が起きた際は保存している食材がすぐに傷んでしまい廃棄しなければなりません。
では冷蔵庫の消費電力はどのくらいでしょう?
400Lタイプの冷蔵庫は1時間で約40W消費します。
また、停電発生時は避難場所や物資供給といった情報収集のためにテレビを使いたいという方が大変多いです。
42型のTVでしたら1時間で約60W消費します。
洗濯機は1時間で200Wの消費、炊飯器は1時間で100W消費します。
では、実際停電が起きた時にどれくらいの時間電気を使うことができるのか?
ここではわかりやすく2つのケースをモデルにすすめていこうと思います。
「停電時に使いたい家電は決まっていますか?」
蓄電池を検討されたことがある方でしたら、こういった質問を受けたこと1度はあると思います。
お客様の回答としては
この2通りの方が多いのではないでしょうか?
そこで、次の2パターンから実際に停電になった際、蓄電池の容量の違いでどれくらい動かせる家電に違いが出るかを検証してみましょう。
パターン①「最低限の家電が動けばいいよ!」
冷蔵庫(40W)、携帯電話の充電(10W)、Wi-Fiルーター(10W)、リビングの照明(30W)、テレビ(60W)
これらが使えれば一時的な停電でしたら問題ないと仮定してみます。
パターン⓶「普段と変わらないように使えるのがいいよ!」
冷蔵庫(40W)、携帯電話の充電(10W)、Wi-Fiルーター(10W)、リビングの照明(30W)、テレビ(60W)、エアコン(500W)、IH調理器(1400W)を加えると仮定します。
4.0kWhの蓄電ができる機能があるケースでみていきます。
①冷蔵庫、携帯電話の充電、Wi-Fiルーター、リビング照明、テレビ、これらを1時間使用してみましょう!150Wの消費です。
4.0kWhであれば、約26時間は停電をしのげる計算になります。
安心できますね。
②冷蔵庫、携帯電話の充電、Wi-Fiルーター、リビングの照明、テレビ、エアコン(500W)、IH調理器(1400W)を1時間使用してみましょう。
2050Wの消費です。
4.0kWhあれば、2時間弱の停電をしのげる計算になります。
いかがでしょうか。使用する家電を増やすことで消費電力に大きな差が出ます。
いつも通りの生活を考えると蓄電池の容量を大きくした方が安心なのは間違いないですね。
↓大容量の蓄電池メーカーはこちら!↓
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HUAWEI 製品ページ
長州産業 製品ページ
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夏や冬などに停電が起きた際、エアコンなどはライフラインとして非常に重要な役割を担っています。
また、長期停電が起きた時は近くのスーパーやコンビニで食料品などはすぐに売り切れてしまうため、電子レンジやIHクッキングヒーターなどで冷凍庫の中の食材を調理することも必要です。
※各家庭で使用されています家電によっては消費電力の違いなどがあるため、必ず上記の結果になるという事はございません。
また、蓄電池ごとに出力の関係で同時に使える家電に制限がありますので、必ず事前に蓄電池の性能を確認することをおすすめします。
あくまで参考までに考えていただけると幸いです。
ご自身を取り巻く環境をよく考えてみると小さなお子様がいるご家庭、お父様お母様と同居されているご家庭もあると思います。
特に夏や冬に動かないと困る家電もあるのではないでしょうか。
各家庭に合わせた停電対策が必要というわけです。
参考までに下記の資料を参照ください。
※資料 スマートスターL9.8kwhの家電使用イメージ
この様に停電時に使いたい家電と使用時間によって容量を選択することをおすすめします。
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定格出力(容量・kWh)と実効容量の違い
メーカー | 定格容量(kWh) | 実効容量(kWh) |
シャープ | 4.2 | 3.3 |
パナソニック | 5.6 | 4.4 |
長州産業 | 6.5 | 5.4 |
シャープ | 8.4 | 6.7 |
スマートスターL | 9.8 | 8.8 |
HUAWEI(ファーウェイ) | 15.0 | 15.0 |
ニチコン | 16.6 | 14.4 |
蓄電池は定格容量の全てを使用できるかというとそうではありません。
上記資料で記載しているように実効容量というものがあり、これは蓄電容量が0%にならない為に設けてあるセーフティー容量です。
※機種によっては残量0%になってしまうと停電のときに自立起動できずに使用不可になるものもございます。
定格容量・・・蓄電池自体の容量
実効容量・・・蓄電池で使用できる容量
上記のことから蓄電池の容量を選ぶ基準は実効容量で選ぶことをおすすめします。
他にも停電時に備えることを主に考えられている方は、少し容量の多い蓄電池をおすすめします。
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家庭用蓄電池の選び方 停電時の違い
100V対応と200V対応
蓄電池は主に100V対応機器と200V対応機器の2種類の機器があり、導入する機器によっては停電時に使える家電製品が制限される場合があります。
・100V対応・・・冷蔵庫、TV、照明、携帯の充電など
・200V対応・・・冷蔵庫、TV、照明、携帯の充電+200V対応エアコン、IHクッキングヒーターなど
ひと昔前は100Vの家電製品が中心でしたが、近年では200Vを利用した家電製品が増えてきました。
200Vの機器の例を挙げるとIHクッキングヒーター、エコキュート、エアコン、電子レンジなどがあり、停電時にもこれらの機器を使用したいとお考えの方は200V対応の蓄電池をおすすめします。
ただし、容量の説明でも紹介したとおり200V対応の家電は消費電力が大きいため、停電時に使うとすぐに蓄電池の容量がなくなるため使用方法には注意が必要です。
全負荷型と特定負荷型
蓄電池には「全負荷型」と「特定負荷型」があります。
「全負荷型」とは、停電時に家中の電気を全て蓄電池の電力でまかなうことができ、停電時であっても普段と同じように生活することができます。
※電気のご契約容量が大きい場合は全負荷を選択していても特定負荷のように電気を使えない部屋を選ぶ必要があります。
詳しくはエコでんちちゃんネルで説明しているのでご覧ください。
※電気のご契約容量が大きい場合は全負荷を選択していても特定負荷のように電気を使えない部屋を選ぶ必要があります。
「特定負荷型」は停電時に蓄電池から電気をまかなう回路を事前に選択していただき、選択された場所のみ電力をまかなうタイプです。
例えば、リビングの電気回路を指定した場合、リビングのTVやコンセントなどは使用できますが、トイレが別回路である場合トイレの電気は使えません。
そのため、必要最低限の回路を停電時に使用できます。
蓄電池の100V対応の機種は特定負荷となっており、200V対応の機種はほぼ全負荷タイプとなっています。(一部例外あり)
家庭用蓄電池の充電時間について
蓄電池は容量により充電時間に違いがありますが、簡単に分かる方法として商品カタログに充電時間の記載があります。
もしくは蓄電池と一緒に設置するパワーコンディショナーの仕様書を見てみましょう。
メーカーによって記載名は様々ですが「自立運転時の定格容量」や、「定格出力」といった単語があると思います。
これらは、パワーコンディショナーからどれくらい電気を送る力があるかの目安となります。
実際に例を挙げてみてみましょう。
蓄電池の容量が9.8kWhで、自立運転出力が3KVAの場合
9.8÷3=3.26つまり約3時間で満タン充電が可能という事になりますね!
このKVAという数値はメーカーや機種、取り付けるパワーコンディショナーによってとても差がありますので、一度チェックすることをおすすめします。
この数値が高ければ高いほど停電時により多くの家電製品を同時に動かすことができるという風にいう事もできます。。
夏場や冬場などは使用する家電が春や秋に比べ多くなるのが一般的です。
万が一、そんな時期に長期停電が起きた場合どれくらいの家電を同時に使用できるのか、家族が多い方やご高齢のご両親、小さなお子様がいるご家庭では特に知っておいていただきたい情報の一つです。
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まとめ
太陽光発電の有効活用として注目の蓄電池ですが最近の災害状況を思い返すと、いつ停電が発生するかわからない状況です。
ご存知ないかもしれませんが、毎日日本のどこかで停電は起きています。
“うちのところは今までなかったから大丈夫”といっても100%ならないという保証はありません。
また、大きな災害が多いため停電が長期間に及ぶ可能性があります。
私たちの生活に電気は欠かせないものです。
被害はなくても、停電していれば家での生活が不便ですので、わが家で安全に過ごすには電気の備えも必要です。
太陽光の活用+災害への備え。両方の面を重要視する必要があるかと考えられます。
蓄電池導入の際は、最適な製品を相談することはもちろん、アフターサポートもしっかりしたお店で購入する事がおすすめです。
最適な製品は、太陽光のご利用状況や蓄電池のご使用方法などによって機種が変わってきます。
設置する家の状況によっては設置できない蓄電池もございます。
使用目的をご家族で検討し、私たちのような専任アドバイザーを交え最終的にピッタリな蓄電池をお選びいただけるよう、全力でサポートさせていただきますのでお気軽にお問合せください。
よくある質問
A. 電気代が、毎月5,000円未満なら5kWh前後、5,000~10,000円なら5~10kWh、10,000以上なら10kWh以上の蓄電池がおすすめです。
A. 定格容量は、蓄電池に貯めることができる容量です。ですが、定格容量全てを使用できるわけでなく、蓄電が0%にならない為に設けてあるセーフティー容量が実効容量です。つまり実効容量が、蓄電池で使用できる容量となります。
A. 大容量が得意なメーカー、ハイブリッドが得意なメーカーなど、一部の機能に特化したメーカーが多いです。ご家庭に欲しい機能をまず選んで、そこが得意なメーカーから、蓄電池を探すといいでしょう。
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