V2Hは太陽光発電なしでお得に運用できる?効率的な使い方を紹介
最終更新日:2023.08.10V2H
これから電気自動車を購入する方にとって準備すべき設備といえば、充電設備です。充電設備には、V2Hと直流・交流変換機能のない充電設備にわかれています。特にV2Hは、電気自動車を蓄電池として活用しやすく注目の設備です。
中には、「太陽光発電も導入した方がいいのかわからない」、「V2Hの導入で家計負担を軽減できるのか」気になっている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、太陽光発電なしでV2Hを導入するメリット、効率的な運用方法について分かりやすく紹介します。電気料金の削減につながる方法を知りたい方やV2Hと太陽光発電を同時設置するか悩んでいる方などは、参考にしてみてください。
目次
V2Hは太陽光発電なしで運用できる?
そもそもV2Hは、太陽光発電なしで設置運用できます。
V2Hとは、自宅に供給されている交流電力を電気自動車で利用可能な直流電力へ変換できる充電設備のことです。また、電気自動車のバッテリーに充電した直流電力は、V2H経由で交流電力へ変換したのち、自宅の住宅設備やコンセントへ供給できます。
このように電気自動車+V2Hがあれば、家庭用蓄電池のように使用することも可能なのです。
休日や電気自動車を利用しない日は、バッテリーに充電された電力を自家消費することで無駄のない使い方を実現できます。
V2H単体で運用する場合のメリットは少ない
あくまでV2H単体の導入は、電気自動車の充電を効率的に行いたい方や電気自動車のバッテリーを蓄電池代わりに利用したい方にとってメリットのある運用方法です。
V2Hのみ導入した場合のメリットは、以下の通りです。
・電気自動車の充電効率アップ(普通充電設備より充電時間が短い)
・電気自動車の電気を自家消費できる
このように太陽光発電なしでV2Hを運用することは可能なものの、メリットが少ないといえます。
また、V2Hは発電設備ではないので、電力会社から供給されている電気を使用しなければ電気自動車へ充電できません。電気料金の削減効果については、基本的に得られない状況です。
なお、時間帯別プランやオール電化住宅向けの電気料金プランへ加入している場合は、夜間の電力量料金が安い時間帯に充電することで電気料金を少し削減できます。
V2Hと太陽光発電を併用するメリット
家計負担の軽減を求めている方は、太陽光発電との同時設置もしくは後付けによる併用を検討してみるのがおすすめです。
続いては、V2Hと太陽光発電を併用することで得られるメリットをわかりやすく消化していきます。
停電時でも電気自動車を稼働させられる
太陽光発電と併用している場合は、停電時でも電気自動車を充電および運転できます。
冒頭でも解説したようにV2Hの機能は、あくまで交流・直流変換です。設備そのものに発電機能はありません。停電してしまうと電力会社から電力が供給されないため、電気自動車への充電も行えません。
太陽光発電とV2Hを設置しておけば、停電時でも住宅用太陽光発電で発電した電気から充電できます。さらに電気自動車に充電しておけば、太陽光発電で発電できない時間帯でも照明や家電製品を使用することが可能です。
太陽光発電やV2H経由で自家消費や売電ができる
太陽光発電とV2Hを設置した場合、自家消費や売電によって電気料金の削減効果を伸ばせます。
住宅用太陽光発電でFIT認定を受けると、自家消費後に余った電気を自動で電力会社へ売電できます。また、10年間は固定買取価格で売電できるため、一定の売電収入を得られるのが特徴です。
一方、FIT認定を受けない場合は、発電した電気を全て自家消費できるようになります。なお、2023年時点では、固定買取価格より電力量料金の方が高い状況です。そのため、全量自家消費の方が、経済的メリットの大きい運用方法といえます。
また、V2Hと電気自動車があれば太陽光発電で発電した電気を充電しておき、消費電力の多い時間帯に活用することで効率よく電気料金を削減できます。
なぜなら太陽光発電の発電量が多い時間帯と電力使用量のピーク時は、必ずしも一致しません。電気自動車とV2Hも活用した場合は、電力使用量のピーク時に合わせて自家消費できるため、自家消費率を高められます。
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FIT期間終了後も効率よく運用
卒FIT後も太陽光発電を運用する場合、V2Hの併用によって効率よく自家消費を行うことが可能です。
FIT認定を受けて住宅用太陽光発電を導入した場合、認定年から11年目にFIT制度の適用期間が終了します。また、卒FITは、FIT制度の適用期間終了を指しています。
卒FIT後も運用したい場合は、電力会社と個別に契約を交わして売電もしくは契約せずに全量自家消費型太陽光発電という選択肢を検討できます。
電力会社と売電契約を交わした場合は、FIT制度より安い買取単価ではあるものの発電した電気を全て売電できます。
ただし、電力量料金単価は買取単価より高いため、全量自家消費の方が電気料金削減効果を伸ばせます。さらにV2Hと太陽光発電を併用していれば、発電および自家消費した際に余った電気をV2H経由で電気自動車へ充電しておき、消費電力量の多い時間帯に活用することが可能になります。
つまり、発電した電気の損失率を抑えながら、電気料金の負担を軽減できるということです。
V2Hの設置費用
V2Hの設置費用は、本体価格と施工費用で構成されています。
本体価格は一般的に100万円前後、施工費用40万円前後です。合計すると初期費用は140万円前後といえます。
気軽に購入しやすい金額とはいえませんが分割払いを選択できるので、自己資金を用意できなくとも設置できます。なお、分割払いの場合は金利負担もかかります。
導入方法については、購入の他に定額利用という方法も存在します。
たとえば、東京電力のTEPCOホームテック株式会社では、エネカリというV2Hの定額利用サービスを提供しています。10年間もしくは15年間、定額の利用料を支払いながらV2Hを利用できるというサービスです。無償の修理サービスを受けたり自然災害補償を受けたりできます。また、契約期間終了後は、無償で設備を譲渡してもらえます。
太陽光発電の設置費用
住宅用太陽光発電の設置費用は、出力によって変わります。出力とは発電能力のことで、太陽光パネルの枚数を増やすと出力も増えます。
住宅用太陽光発電の出力は10kW未満なので、出力の大きな9kW程度で200万円程度、平均的な出力の5kW台で150万円前後です。
購入方法については、一括払いもしくは融資を受けて毎月返済していきます。
太陽光発電の場合は、売電収入や自家消費によって浮いた生活費を毎月の返済に充てられるので、生活費への負担を抑えながら運用を始められます。
また、売電収入、自家消費による電気料金削減額によっては、V2Hの初期費用に充てられる場合もあります。
エコでんちでは、V2Hや太陽光発電、家庭用蓄電池を各メーカーから大量に仕入れることで低価格での販売を実現しています。また、お客様のご予算に合わせて各機器をご提案いたしますので、費用面が特に気になる方はぜひお気軽にご相談ください。
設置費用の負担を抑える方法
V2Hと住宅用太陽光発電は、どちらも100万円以上の初期費用がかかります。中には、「同時設置は難しい」、「少しでも安く設置する方法はないのかな」という悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。
そこで最後は、V2Hや住宅用太陽光発電の設置費用を抑える方法を確認していきましょう。
自治体の補助金制度を確認してみる
各自治体では、独自に住宅用太陽光発電やV2Hの補助金制度を実施しています。
以下に住宅用太陽光発電やV2Hの補助金例を紹介します。
補助金制度 |
概要 |
東京都「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」(2022年度) |
新規住宅への設置 ・出力1kWにつき12万円の補助金を交付(出力3kW以下:上限36万円) ・出力1kWにつき10万円の補助金を交付(出力3kWを超える) ・出力3kWを超えて3.6万円未満の場合は一律36万円の補助金を交付 既築住宅への設置 ・出力1kWあたり15万円の補助金を交付(出力3kW以下:上限45万円) ・出力1kWあたり12万円の補助金を交付(出力3kWを超える) ・出力3kW超え3.75万円未満なら一律45万円の補助金を交付 |
東京都「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」(2022年度) |
一律50万円の補助金を交付、なお太陽光発電と電気自動車(PHEV含む)が揃っている場合は、100万円の補助金が交付される |
東京で実施されている補助金制度と神奈川県や千葉県で実施されている補助金制度は、補助金額や内容、申請条件など諸々異なります。補助金の実施状況については、年度や自治体の方針によって大きく異なる点に注意が必要です。
また、国では、住宅用太陽光発電や家庭用蓄電池、個人に向けたV2H補助金制度を実施していません。補助金制度を探す際は、自治体で実施されている制度から確認しましょう。
なお、エコでんちでは、V2Hや住宅用太陽光発電、家庭用蓄電池に関する補助金制度についても詳しくご紹介しています。
相場より安く販売している施工販売業者へ相談する
実績豊富な施工販売業者の中でも安い価格で販売を行っている業者へ相談するのが、初期費用を抑える上で大切なポイントです。
V2Hや住宅用太陽光発電、家庭用蓄電池の費用は、施工販売業者によって異なります。また、下請けに施工を外注している業者で購入すると、中間マージン分だけ費用が上乗せされてしまいます。
そのため、少しでも初期費用を抑えたい時は、施工販売業者の中で、自社施工を徹底・大量仕入れで低価格の販売・実績豊富で評判がいい・丁寧に見積もりを作成している業者から比較検討するのがおすすめです。
V2Hは太陽光発電とセットで運用するとメリットが多い!
V2Hは、太陽光発電なしで設置・運用可能な仕様となっています。しかし、V2H単体では経済的メリットが少ないので、住宅用太陽光発電と併用した方が電気料金削減効果を伸ばせます。
また、電気自動車を所有していない場合は、住宅用太陽光発電と家庭用蓄電池の併用がおすすめです。
電気料金負担に悩んでいる方や電気自動車は購入していないものの効率よく太陽光発電で発電した電気を自家消費したい方は、今回の記事を参考にしながら家庭用蓄電池および住宅用太陽光発電との併用を検討してみてはいかがでしょうか。
家庭用蓄電池は、V2Hと異なり充放電に関して「自家消費優先」「売電優先」「蓄電優先」など、状況に応じて機能を選択できます。
弊社エコでんちでは、環境省認定の公的資格「うちエコ診断士」と「うちエコ相談員」を取得した専門アドバイザーが、お客様のご予算や目的に合わせて100種類以上の家庭用蓄電池から条件に適した蓄電池をご提案いたします。
また、住宅用太陽光発電やV2Hも取り扱っているので、同時設置や後付けで太陽光発電などを設置したい方もお気軽にご相談ください。
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