太陽光発電と蓄電池を一緒に導入するメリット・デメリットや設置費用を解説
最終更新日:2025.10.28 太陽光発電

昨今、世界情勢の変化による電気代上昇や、環境意識の高まりから、多くの方々が太陽光発電システムに関心をお持ちです。
その運用方法も変化しており、以前は発電した電気を売る「売電」が主流でしたが、売電単価の低下に伴い、作った電気をできるだけ自宅で使う「自家消費」へとシフトしています。太陽光発電で得た電気を効率的に自家消費するためには、蓄電池の同時設置が非常に有効です。
お客様からは、「太陽光と蓄電池は同時に設置した方が良いの?」「一緒に設置するのと後で設置するのと何が違うの?」といったご質問を多くいただきます。
この記事では、太陽光発電と蓄電池を併用するメリット・デメリット、そして同時設置ならではの利点について詳しくご紹介します。
エコでんちを運営する株式会社エスイーライフは、太陽光発電も得意としておりますので、お客様の疑問に丁寧にお答えします。
目次
- 住宅用太陽光発電の仕組みについておさらい!
- 家庭用蓄電池の仕組みについておさらい!
- 太陽光発電と蓄電池の連携とは?
- 太陽光発電と蓄電池は何年で元が取れる?投資回収期間のシミュレーション
- 太陽光発電と一緒に蓄電池を導入するメリット
- 太陽光発電と蓄電池を一緒に導入するデメリット
- 太陽光発電単体で導入するメリット・デメリット
- 蓄電池単体で導入するメリット・デメリット
- 住宅用太陽光発電と家庭用蓄電池の設置費用
- 太陽光発電と蓄電池に関する補助金について
- 既に太陽光発電を設置している場合はどうする?
- 太陽光発電家庭用蓄電池の将来性は?
- 太陽光発電と蓄電池の販売店を探す際に注意すべきポイント
- 蓄電池と太陽光発電は同時設置でかつ併用するのがおすすめ!
- まとめ
住宅用太陽光発電の仕組みについておさらい!

住宅用太陽光発電とは、一般的に出力10kW未満の小規模な太陽光発電システムを指します。住宅の屋根やカーポートに設置されることが多く、その発電の仕組みは以下の通りです。
1.太陽電池(太陽光パネル)での光吸収
太陽光パネルに搭載された太陽電池が、太陽光を吸収します。

2.直流電力への変換
吸収した光エネルギーを直流の電気に変換します。

3.パワーコンディショナによる交流変換
太陽光パネルで発電された直流電力は、パワーコンディショナに送られます。家庭で使う家電製品は交流電力で稼働するため、パワーコンディショナで直流から交流へと変換されます。パワーコンディショナは、太陽光発電システム全体の制御も行う重要な機器です。
4.家庭内への供給
交流に変換された電力は、分電盤を通じて照明設備や各部屋のコンセントへ供給されます。
なお、住宅用太陽光発電単体には電気を貯めておく機能がないため、後述する蓄電池との併用が、自家消費を最大化し、災害対策を強化するうえで非常に重要になります。
太陽光発電の具体的な仕組みや特徴については、以下の記事でも解説しています。関心をお持ちの方は、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:太陽光発電の仕組みをわかりやすく解説!基礎知識やメリット・デメリットも紹介 | エコでんち
家庭用蓄電池の仕組みについておさらい!
家庭用蓄電池とは、太陽光発電で作った電気や電力会社から購入した電気を充電し、必要なタイミングで放電して利用できるようにするための機器です。モバイルバッテリーとは異なり、冷蔵庫や電子レンジ、テレビなど複数の家電製品を一度に稼働させられるのが大きな特長です。
サイズ感はエアコンの室外機に近いものが多く、コンクリート基礎などでしっかりと固定します。

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そのため太陽光発電と同様に、専門の施工販売会社による設置工事が必要です。
蓄電池の内部には正極と負極という電極があり、この電極間を電子が移動することで、充電や放電が行われます。電解液がその電子移動をスムーズに促します。

家庭用蓄電池の主な機能は、以下の通りです。
●太陽光発電で発電した電気や、電力会社から送電された電気の充電
●充電した電気を、好きなタイミングで家庭内で使用(放電)
メーカーによって名称は異なりますが、蓄電池には複数の運転モードが搭載されています。
| モード | 概要 |
| グリーンモード | 太陽光発電で作った電気のうち、余剰電力を優先的に充電し、自家消費を効率的に行う |
| 経済モード | 太陽光発電で作った余剰電力は売電し、予め設定した時間帯に充電・放電を行う |
| 安心モード | 長期停電や災害に備えて放電を行わず、満充電で待機して停電に備える |
家庭用蓄電池の充放電や制御機能は年々進化しているので、なるべく最新の設備から比較検討してみるのが大切です。
エコでんちでは、様々な製品を取り扱っており、お客様に最適な製品を個別で提案しています。
色んな製品や機能を比較したいけど、時間がない・面倒くさい・分からない、という方は、下記記事を参考にしていただくことがおすすめです。
関連記事:蓄電池の人気&おすすめメーカーランキングと選び方|エコでんち
また、蓄電池のメリットやデメリットが気になる方は、下記の記事もぜひ参考にしてみてください。
関連記事:蓄電池とは?メリット、デメリットを解説! | エコでんち
太陽光発電と蓄電池の連携とは?

住宅用太陽光発電と家庭用蓄電池の連携とは、太陽光発電で発電した電気を自家消費・蓄電池へ充電し、好きなタイミングで放電するという運用方法のことです。
具体例として、日中に太陽光発電で発電した電気を自宅で使用したとします。その際、発電した電気が余った場合は、蓄電池へ充電できますし、好きなタイミングで蓄電池から放電することで自家消費が可能です。
蓄電池のモードを切り替えれば、太陽光発電で発電した電気を自家消費したのちに、蓄電池へ貯めず、電力会社へ売電することも可能です。
停電時は、太陽光発電と蓄電池を自立運転モードへ切り替えられるので、日中に発電した電気を自家消費しつつ、蓄電池へ充電し使用することで、長期停電にも強い環境を作ることができます。
また、夜間や早朝・夕方・雨の日といった発電量の少ない日は、蓄電池に貯めておいた電気で生活に必要な家電製品を稼働できます。
つまり、太陽光発電と蓄電池の連携を行うことで、電気の「自産自消」が実現し、電力会社への依存度を下げたライフスタイルを送ることができます。
太陽光発電と蓄電池は何年で元が取れる?投資回収期間のシミュレーション

住宅用太陽光発電の初期費用は、経済産業省の「令和7年度以降の調達価格等に関する意見」によると1kWあたり約29.5万円です。
また、太陽光発電の投資回収期間は、設置から10年前後とされています。
次項では、具体的な電気代削減額(自家消費)と売電単価について説明していきます。
自家消費とは?
太陽光発電で作った電気を、直接お家で利用することを「自家消費」と言います。
一般的な家庭における太陽光発電の自家消費率は、約30%程度と言われています。
毎月300kWhほど電力を使用する家庭の場合、適切な容量の太陽光発電を設置することで、約90kWhの電気を削減することが期待できます。
売電単価とは?
再生可能エネルギー設備で作った電力を、電力会社などに買い取ってもらう事を「売電」と言います。
この際、1kWhあたりの売電価格の単価を「売電単価」と言います。
国の制度として、定められた期間中に一定の単価で電力を買い取ってくれる「固定買取価格(通称:FIT)」では、申請時期によって売電単価が異なります。
2025年度10月以降の固定買取価格は、1kWhあたり24円/kWh(4年間)、以降8.3円/kWh(6年間)です。
参照:経済産業省 資源エネルギー庁 買取価格・期間等(2025年度以降)
太陽光発電の投資回収期間は?
上記の情報を踏まえ、5kWの太陽光発電を設置していると仮定した事例で説明していきます。
※モデル電力プラン:東京電力 従量電灯Bプラン
●5kW太陽光発電設備の導入費用…約140万円
●自家消費による電気代削減量…約5kWh/1日、約50,000円/年
●売電による収入…平均53,217円/年
(固定買取期間10年)
5kWの太陽光発電の投資回収期間は13.5年程度となります。
蓄電池の投資回収期間は?
蓄電池を単体で設置することによる投資回収は現実的ではありません。
太陽光発電と組み合わせることで、初めて大きな経済効果を生み出すことができます。
その際の太陽光発電+蓄電池の投資回収期間は18年程度です。
蓄電池1kWhあたりの価格は、経済産業省の「2024年度第5回 定置用蓄電システム普及拡大検討会」によると17.5万円(15~20万円)程度とされています。(+工事代1kWh/2万円)
また、投資回収期間が長いため、補助金制度の活用を検討してみることをおすすめします。
たとえば、東京都の「令和7年度 災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」では、蓄電容量1kWhあたり12万円の補助金が交付されます。
また、太陽光発電の設置費用については、1kWにつき10~15万円の補助金が交付されます。
補助金の条件は自治体により様々のため、必ず事前に確認をしましょう。
このような制度を活用した場合、前段のケースであれば投資回収期間を10年程度短縮することも可能です。
出典:資源エネルギー庁ウェブサイト(買取価格・期間等|FIT・FIP制度|なっとく!再生可能エネルギー)
出典:「定置用蓄電システムの目標価格および導入見通しの検討」(経済産業省)
太陽光発電と一緒に蓄電池を導入するメリット

太陽光発電と蓄電池の併用は、電気代の負担を抑えたい方や、非常時の電源確保などを考えている方にメリットの大きい運用方法といえます。
太陽光発電と一緒に蓄電池を導入するメリットを1つずつ確認していきましょう。
災害・停電時や夜でも電気が使える安心感
太陽光発電と蓄電池を同時に設置した場合、災害などによる停電時でも継続的に電気を使用できるようになります。
太陽光発電単体では、晴れた日に一部のコンセントからのみ電気を使用できますが、夜間や雨天時は発電できないため電力供給が途絶えます。一方、蓄電池が併設されていれば、昼間に発電して貯めておいた電気を夜間や悪天候時にも使用可能です。

太陽光発電と一緒に蓄電池が併設されていれば、夜間や雨天などでも蓄電池に貯めた電気を使用することができます。
さらに、「エコでんち」が取り扱う蓄電池には、停電時に家全体で電気を使用できる「全負荷型」と、特定の部屋や家電のみを稼働させる「特定負荷型」の選択肢があります。

全負荷型を選べば、災害時でも普段と変わらないような快適な生活環境を維持できます。また、太陽光発電と組み合わせることで、停電中でも昼間に蓄電池を再充電できるため、長期停電にも対応できる盤石な体制を構築できます。
太陽光発電の設置目的として、停電対策・災害対策を重視しているのであれば、蓄電池の同時設置は非常に有効な手段と言えるでしょう。

関連コラム:家庭用蓄電池の機能 全負荷タイプとは?特定負荷タイプとは?
電気代の削減効果を最大限に伸ばせる
太陽光発電と蓄電池を併用することで、電気代の削減効果を大きく伸ばすことが可能です。
太陽光発電を設置した場合、発電した電気を自家消費し、余剰電力を売電できます。
しかし、日の出前や夜間、雨や雪の日などは発電量が0になり、自家消費や売電による恩恵を受けられません。
蓄電池を併用することで、昼間の余剰電力を充電し、消費電力の多い時間帯や発電できない時間帯に電気を使用することで、無駄なく太陽光発電の電気を活用することが可能です。
さらに、時間帯によって電気料金が変わる電力プラン(例:東京電力の電力プラン「スマートライフ」など)を活用することで、より効果的な電気代削減が期待できます。
たとえば、蓄電池を使用する際、電気代の安い時間帯に充電し、電気代の高い時間帯に放電という設定にすることで、電気料金負担を抑えることが可能です。
前述の余剰電力の充放電に加え、夜間電力の活用も同時に行うことで、天候に左右されず、太陽光発電との相乗効果で大きく電気代を削減できます。
また、エコでんちでは、HEMSと連携してエネルギー使用状況を可視化できる蓄電池も、数多く取り扱っています。HEMSを導入し電力制御を最適化することで、自家消費率と節電意識の向上をサポートできます。
具体的な経済効果を確認してみたい方は、エコでんちの経済効果シミュレーションぜひお試しください。
お客様のご状況をいくつか入力することで、最適な容量や使用方法がわかります。
将来のEV(電気自動車)導入を見据えた柔軟な電力管理
太陽光発電と蓄電池を導入することで、現在の電気代削減や停電対策だけでなく、将来のライフスタイルの変化にも柔軟に対応できます。特に、電気自動車(EV)の普及が進む中で、家庭での電力管理はますます重要になります。
「エコでんち」では、EVと家庭間で電力をやり取りできるV2H(Vehicle to Home)製品も取り扱っています。V2Hシステムを導入すれば、太陽光発電で発電した電気や蓄電池に貯めた電気をEVに充電したり、EVのバッテリーに貯めた電力を家庭で利用したりすることが可能になります。
V2Hシステムの導入は、家庭全体の電力自給率をさらに高め、ガソリン代の節約にも貢献します。
同時設置の方が導入コストを抑えられる場合がある
太陽光発電と蓄電池を同時に購入し、設置工事を行う場合、人件費や部材費など、単体でそれぞれ購入・設置することに比べて、あらゆる面でコストメリットがあります。
● 部材費の節約
太陽光発電を単体で導入する場合、太陽光発電用のパワーコンディショナやモニターが必要です。蓄電池も同様に、蓄電池用のパワーコンディショナやモニターが必要になります。
つまり、単体で導入する際はそれぞれ2台分の費用がかかります。
しかし、同時設置であれば、ハイブリッド型パワーコンディショナ(太陽光発電と蓄電池の両方を管理できる1台のパワーコンディショナ)を導入することで、パワーコンディショナもモニターも1台で完結するため、費用面で優位性があると言えます。
関連コラム:家庭用蓄電池の機能 ハイブリッドとは?単機能との違いについても紹介!|エコでんち
● 人件費・工事費の効率化
太陽光発電や蓄電池をそれぞれ単体で工事するのと、同時工事では人件費や工事代に大きな違いが出ます。
施工技術者の人件費はもちろん、前述のパワーコンディショナやモニター設置など、共通の工事内容を含んでいるため、一度にまとめて工事を行うことで効率的になります。
その他、配管やケーブル類なども共用できる部分があるため、同時設置は工事費用を抑える上で非常に効果的です。
筆者の体感ですが、同時施工は単体施工に比べ、5~20万円ほど安く工事することが可能です。
関連コラム:太陽光発電と蓄電池のセット価格はいくら?相場や選び方、利用できる補助金を解説

環境貢献の実感を高め、持続可能な暮らしへ
太陽光発電と蓄電池の導入は、ご家庭の電気代削減だけでなく、地球環境への貢献にも繋がります。再生可能エネルギーである太陽光を利用することで、化石燃料由来の電力消費を減らし、CO2排出量の大幅な削減に貢献できます。
エコでんちは、環境省認定「うちエコ診断士」の資格保有アドバイザーが在籍しており、お客様の家庭のエネルギー消費状況を診断し、最適な省エネ提案が可能です。
CO2削減を通じて環境保護に貢献しているという満足感を得られ、持続可能な社会づくりに積極的に参加する生き方を実践できます。
太陽光発電と蓄電池を一緒に導入するデメリット

太陽光発電と蓄電池の同時導入には多くのメリットがありますが、いくつかのデメリットも存在します。しかし、エコでんちではこれらのデメリットに対して具体的な解決策やサポート体制を提供しています。
初期費用の負担がかかる
太陽光発電と蓄電池の同時設置は、導入する設備の特性上、初期費用の負担が大きくなる傾向があります。
●住宅用太陽光発電の初期費用は、出力5kWで約150万円程度。
●蓄電池は容量7~10kWhで約150~200万円程度。
それぞれ設置すると、少なくとも300万円~の初期費用がかかることになります。
太陽光発電と蓄電池は、設備の普及や量産体制の確立などで年々安くなっているものの、気軽に購入できる金額ではありません。
それぞれにランニングコストかかる
太陽光発電と蓄電池の設置後は、各設備のランニングコストがかかります。長年使用していると徐々に劣化し、発電量・充電容量の低下、部品の破損や故障といったトラブルに見舞われる可能性があります。
そのため、専門業者による定期的なメンテナンスを行うことで、安心して長く設備を利用することが期待されます。
なお、太陽光発電はFIT法によってメンテナンスが義務化されています。(※住宅用は努力義務)
経年劣化による改修の他にも、地震や台風、豪雨や積雪、塩害といった自然災害、事故や第三者による盗難や破壊行為といった被害を受けた場合、破損した機器や部品の廃棄や修理、交換費用などがかかります。
また、太陽光パネルは20年~40年、パワーコンディショナや蓄電池は10年~20年の保証年数のため、FIT期間中に問題なく運用できていても、いずれ交換しなければいけません。
太陽光発電と蓄電池を設置する場合、維持管理費用についても把握して、予算を確保したり年間の収支を正確に計算しておくのが大切です。

設置スペースを確保が必要
太陽光発電に加えて蓄電池を設置する際は、ある程度のスペースを確保する必要があります。太陽光発電の設置場所は基本的に住宅の屋根ですが、蓄電池は屋内の床や屋外の地面に設置するため、事前の設置スペース確保が不可欠です。
また、パワーコンディショナなどの周辺機器は壁面に固定するものがほとんどです。屋内設置型蓄電池はエアコン室外機1台分程度のサイズが多く、重量は60kgから200kgを超える製品もあります。
そのため、設置に必要なスペースの確保に加え、重量に耐えられる場所に設置できるか事前調査が必要です。
さらに、屋外へ蓄電池を設置する場合、スペースだけでなく湿度や直射日光など、設置に適した環境か確認しておくのも重要です。
湿度の高い場所は、機器の劣化や故障リスクが高いため設置に適してはいません。
また、直射日光のある場所は、蓄電池に熱がこもりやすく、充放電の効率低下や故障リスクにつながります。
太陽光発電の出力に合わせた蓄電池の選定が必要
太陽光発電と蓄電池を併用する時は、それぞれの出力(kW)や容量(kwh)に合わせて設備を選定する必要があります。
例えば、太陽光発電の出力に対して蓄電池の容量が小さすぎると、十分な電気代削減効果が得られなかったり、停電時に電気が足りず想定していた使い方ができないといったリスクがあります。
反対に蓄電池の容量が大きすぎると、発電した電気を全て貯められるものの、初期費用が増えてしまいます。
適切な出力や容量は、お客様の環境や考え方によって千差万別です。
どのように製品が自分に合っているか、高価な買い物だからこそ必ず専門家に相談することをおすすめします。
太陽光発電単体で導入するメリット・デメリット

太陽光発電システム単体で導入する場合のメリットとデメリットについて、改めて確認しておきましょう。
太陽光発電のメリット
太陽光発電の主なメリットは以下の通りです。
太陽光発電のメリット
1.買電量の削減による電気代削減効果
発電した電気を家庭内で自家消費することで、電力会社から購入する電気の量を減らし、直接的に電気代を削減できます。
2.FIT制度の活用で余剰電力の売電収入を得られる
国の固定価格買取制度(FIT制度)を利用すれば、10年間固定の単価で余剰電力を電力会社に買い取ってもらえ、安定した収入を見込めます。(※卒FIT後は買取単価が低下します。)
3.卒FIT後も電気代削減効果を得られる
FIT期間終了後も、電力会社の新しい買取プランを利用したり、全量を自家消費に切り替えたりすることで、継続的な電気代削減効果が期待できます。
4.非常用電源として役立つ
停電中でも自立運転モードによって発電を継続することが可能です。特に大規模災害による長期間の停電時には、安定した電源として非常に有効です。
太陽光発電のデメリット
太陽光発電の主なデメリットは以下の通りです。
太陽光発電のデメリット
1.導入費用がかかる
経済産業省のデータによると、住宅用太陽光発電の導入費用は1kWあたり約28万円です。平均的な出力5kWで計算すると、少なくとも150万円程度の初期費用が必要です。
2.維持管理費用(ランニングコスト)がかかる
10~20年間の間にパワーコンディショナの交換が必要になる可能性があり、交換費用として1台あたり35~40万円程度を見込む必要があります。設置位置によっては足場代が別途発生することもあります。
3.設置に適しているか確認が必要
住宅の屋根の形状、向き、日当たりなど、設置環境が太陽光発電に適しているか事前の確認が必須です。
エコでんちでは、現地調査やシミュレーション、お客様の予算やご要望に合った製品の提案を行っております
費用や発電量などが気になる方は、まずはお気軽にご相談ください。
出典:「太陽光発電について」 2023年12月 | 資源エネルギー庁(091_01_00.pdf)
蓄電池単体で導入するメリット・デメリット

蓄電池単体で導入する際のメリットとデメリットについても見ていきましょう。
蓄電池のメリット
蓄電池の主なメリットは以下の通りです。
蓄電池のメリット
1.時間帯別プランなら単体でも電気代削減効果を得られる
蓄電池には発電機能がないため、単体での大きな電気代削減は難しいですが、オール電化プランや時間帯別プランに加入していれば、電気代が安い時間帯に充電し、高い時間帯に放電することで、電気代削減効果を得られます。
2.非常用電源として数日程度活用可能
家庭用蓄電池単体でも停電時に非常用電源として活用できます。蓄電容量10kWh以上の大容量タイプであれば、生活に必要な最小限の電力使用で1日~3日程度の電力を確保できる可能性があります。
3.太陽光発電と組み合わせることで相乗効果が望める
蓄電池の真価は太陽光発電との組み合わせで発揮されます。自家消費率の向上、売電収入の最大化、災害時の長期的な電力確保など、大きな経済効果と効果的な停電対策が実現します。
蓄電池のデメリット
蓄電池の主なデメリットは以下の通りです。
蓄電池のデメリット
1.導入費用がかかる
家庭用蓄電池の導入には初期費用が発生します。
2.単体での導入で費用回収は難しい
発電機能がないため売電収入を得られず、時間帯別プランによる電気代削減効果も太陽光発電の自家消費・売電と比較すると小さいため、蓄電池単体での導入では費用回収が難しいのが現状です。
3.大幅な電気代削減効果には太陽光発電の併用が必要
蓄電池の経済的メリットを最大化し、大幅な電気代削減を実現するには、やはり太陽光発電との連携が不可欠です。
4.使用期間に限りがある(寿命がある)
蓄電池には寿命があり、基本的には保証年数(10年~20年程度)やサイクル数(充放電を何回行えるか)を参考に交換時期を考慮する必要があります。
住宅用太陽光発電と家庭用蓄電池の設置費用

ここからは、家庭用蓄電池と住宅用太陽光発電の初期費用について確認していきます。
住宅用太陽光発電の初期費用
住宅用太陽光発電の初期費用は、経済産業省で作成された「令和7年度以降の調達価格等に関する意見」によると1kWあたり29.5万円程度で推移しています。
1kWあたりの費用相場(2025年)
● 新築への設置費用…28.6万円/kW(中央値28.7万円/kW)
● 既築への設置費用…32.6万円
● 全体数の設置費用…29.5万円
太陽光発電の設備規模は、発電能力を示す「kW単位」で区分されています。
住宅用は出力10kW未満なので、主に4kWや5kW、8kWといった規模から検討すると良いでしょう。
また、初期費用の内訳は以下の通りです。
初期費用の内訳
● 太陽光パネル…13.6万円/kW
● パワコン…5万円/kW
● 架台…2.8万円/kW
● その他周辺機器…0.2万円/kW
● 工事費用…8.4万円/kW
初期費用を抑えるポイントとして、太陽光パネルの価格に着目してみるのも大切です。
取り扱い製品の豊富な販売店へ相談することで、安価な太陽光パネルを提示してもらえる可能性があります。
家庭用蓄電池の初期費用
家庭用蓄電池の初期費用も、経産省からの資料を紐解くと1kWhあたり17~22万円となっています。
出典:経済産業省 2024年 第5回 定置用蓄電池システム普及拡大検討会
流通している蓄電容量は、5~21kWhの間です。
初期費用の17~22万円と掛け合わせると、85万円~462万円となります。
太陽光発電と比較した場合、少し安いといえる価格帯です。
ただし、販売店やメーカー、設置場所の環境によって価格は変動するため、実績豊富な販売店に見積もりを依頼し、正確な費用を確認した上で検討してみるのが大切です。
また、費用は販売会社によって100万円以上差が出ることもあるため、相見積もりを行いながら比較検討してみましょう。
太陽光発電と蓄電池に関する補助金について

住宅用太陽光発電や家庭用蓄電池に関する補助金は、自治体独自で実施されていることがあります。
たとえば、東京都の「令和7年度 家庭における太陽光発電導入促進事業災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」では、住宅用太陽光発電や家庭用蓄電池を含む住宅設備の費用を補助してくれます。
以下に太陽光発電と蓄電池の補助率や上限額を紹介します。
| 項目 | 補助金額 |
|---|---|
| 新築住宅へ太陽光発電を設置 | 出力3.6kW以下:12万円/kW(上限36万円) 出力3.6kW超え:10万円/kW(50kW未満) |
| 既築住宅へ太陽光発電を設置 | 出力3.75kW以下:15万円/kW(上限45万円) 出力3.75kW超え:12万円/kW(50kW未満) |
| 家庭用蓄電池を設置 | 蓄電容量:12万円/kWh ※太陽光発電システムを設置済/同時設置が必要 または、再生可能エネルギー電力メニューの契約が必要 |
他の自治体でも、太陽光発電や蓄電池に関する補助金制度が実施されている可能性があります。エコでんちでは、国や地方自治体の補助金申請も代行しておりますので、お気軽にご相談ください。
その他、補助金制度の情報を確認したいときは、以下のコラムをぜひ参考にしてみてください。
関連コラム:【2025年最新】(令和7年)家庭用蓄電池の国・自治体の補助金制度はある?申請条件や補助金額を解説|エコでんち
既に太陽光発電を設置している場合はどうする?
先に住宅用太陽光発電を設置している場合、設置年数やパワーコンディショナの劣化状況に応じて、単機能型・ハイブリッド型どちらかを検討してみましょう。
ハイブリッド型蓄電池は、1台のパワーコンディショナで太陽光発電と蓄電池両方の制御と出力を行えるタイプの蓄電池を指しています。
電力の変換に伴う損失を抑えられるので、太陽光発電から発電された電気を効率よく活用できます。
単機能型蓄電池は、蓄電池専用のパワーコンディショナを設置します。
そのため、パワーコンディショナの設置台数は、太陽光発電用のものを含めて2台になります。
太陽光発電のパワーコンディショナを取り外す必要はないものの、電力の変換回数が1回分増えるため、ハイブリッド型蓄電池より変換効率という点で劣ります。
ただし、ハイブリッド型蓄電池より費用が安いため、コスト面のメリットは優位性があるといえます。
太陽光発電のパワーコンディショナが劣化していて、交換時期に差しかかっているタイミングであれば、ハイブリッド型蓄電池を導入する際に古いパワーコンディショナを撤去することで、スムーズに交換作業を進められます。
一方、太陽光発電の設置から数年以内に蓄電池を導入する場合、まだパワーコンディショナが劣化していませんし、費用回収も完了していません。
そのため、撤去するメリットよりコスト面のデメリットが多いといえます。
単機能型蓄電池を設置すれば、太陽光発電のパワーコンディショナを活用しつつ蓄電池の併用を始められますし、蓄電池の導入費用を抑えることが可能です。
太陽光発電家庭用蓄電池の将来性は?
太陽光発電も蓄電池も、どちらの設備も将来性が”ある”といえます。
住宅用太陽光発電と家庭用蓄電池は、FIT制度や価格低下などによって普及が進んでいます。
しかし、家庭用蓄電池の材料でもあるレアメタルは、限られた量しか採掘できないため、需要の高まりによって価格が高騰してしまう可能性もあります。
太陽光発電についても、経済産業省が公開している『第7次エネルギー基本計画の概要』では、2040年頃の見通し内容として全体のうち3~4割を国内自給を目標とし、そのうちの4~5割を再生可能エネルギーによって賄っていくことを掲げています。
また、再生可能エネルギーのうち太陽光発電電力を23~29%としています。
計算するとエネルギー全体のうち10%前後を太陽光発電で補うことを目標にしている、ということになります。
※2023年では全体のエネルギーのうち約1.5%が太陽光発電で賄われているようです。
他にも、日本はさまざまな自然災害のリスクが多く、災害によるインフラ停止のリスクが常に存在しています。
太陽光発電と蓄電池を導入しておけば、停電時でも電気を発電したり貯めておいたりできるほか、必要なときに電気を使用することが可能です。
在宅避難生活を前提とする場合、メリットの大きな設備といえます。
太陽光発電と蓄電池の導入を考えている方は、早めに検討を進めてみるのがおすすめです。
太陽光発電と蓄電池の販売店を探す際に注意すべきポイント

太陽光発電や蓄電池の販売店を探す時は、価格の安さだけでなく、実績、専門性、サービス対応、そして信頼性を総合的に検討するのが重要なポイントです。
販売価格の安い販売店は、一見魅力的に見えますが、施工品質に問題があったり、必要なコストを削っていたりする可能性があり、注意が必要です。
金額や項目について質問した際に、スムーズかつ具体的な情報で応えてくれる販売店の方が、信頼性や知識量という点で安心できます。
そのため、太陽光発電や蓄電池の製品の取り扱いが豊富なところ、アフターフォローの充実しているところを中心に比較していくのも大切です。
また、以下のコラムでは、販売店選びの注意点やポイントを詳しく解説しています。こちらも参考にしてみてください。
関連コラム:太陽光発電・蓄電池・V2Hの見積もりで失敗しない完全ガイド!チェックポイントを徹底解説|エコでんち
蓄電池と太陽光発電は同時設置でかつ併用するのがおすすめ!
太陽光発電と蓄電池を同時に設置すること、もしくは蓄電池を後付けすることによって、電気代削減効果の改善、非常用電源として活用しやすくなるといった多くのメリットにつながります。
特に太陽光発電と蓄電池の同時設置はコストを抑えやすいため、費用面でメリットのある設置方法です。
「エコでんち」では、お客様のご要望や予算、設置場所の環境に合わせて多数の蓄電池から条件に合った製品を選定いたします。
また、専任のアドバイザーが、各家庭の省エネ対策、CO2対策といった光熱費削減のアドバイスについても対応しております。
蓄電池、太陽光発電の購入を検討されている時は、まず無料見積もりサービス、お電話、公式LINEをお気軽にご利用ください。
まとめ
住宅用太陽光発電と家庭用蓄電池は、連携しながら運用することで、電気料金削減効果を大きく伸ばせるため、同時設置のメリットは非常に大きいといえます。災害・停電時にも電力の心配がなくなり、将来的にはEVとの連携も可能になるなど、安心で持続可能な生活を支えるインフラとなります。
導入費用については、国や自治体の補助金制度を活用することで、投資回収期間を短縮できる可能性もあります。エコでんちでは、補助金申請の代行やアフターフォローなど、お客様の負担を軽減するサポートを充実させています。
物価高や電気料金負担に悩んでいる方は、今回の記事を参考にしながら太陽光発電と蓄電池の比較や検討を進めてみてはいかがでしょうか。エコでんちは、お客様一人ひとりに寄り添い、最適な提案を行っております。まずはお気軽にお問い合わせください。
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お客様の期待を超えるサービスをご提供します。
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月間12万人(※)がサイト利用
グループ会社で多数の工事実績とメーカーとの
研修で知識も経験も豊富。
※2024年4月~2025年3月の1年間における月間平均のサイト訪問数 -

安全と品質を約束した
施工体制各種メーカーの施工ID保有の部材に
こだわったメーカー認定施工店のみと提携。 -

コールセンター完備で
充実サポートメーカーがお休みの
土日祝日も営業。
導入後のサポート体制も万全。


- どんな内容の相談でも大丈夫ですか?
- はい、大丈夫です。太陽光や蓄電池、V2Hの設置に関するお悩みをご相談ください。
- 費用が発生したり、後でしつこい営業されませんか?
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