太陽光発電の設置義務化はどの自治体?2024年時点の状況について解説!
最終更新日:2024.10.25 太陽光発電
最近、テレビやインターネットのニュースで新築住宅への太陽光発電設置義務化に関する話が流れています。
しかし、よくニュースを見ていない、仕事や家事で忙しいといった理由から、太陽光発電義務化に関する詳細が分からず悩んでいる方、具体的にどのような条件で設置義務化になるのかわからない方も多いかと思います。
そこで今回は、住宅用太陽光発電の設置義務化に関する詳細や2024年7月時点の状況について分かりやすく紹介します。
太陽光発電の設置義務化による費用負担が気になる方や設置義務化を確認した上でリフォームや住宅購入を進めたい方はぜひ参考にしてください。
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目次
太陽光発電の設置義務化はどこで検討されている?
太陽光発電の設置義務化を表明もしくは検討している主な自治体は、東京都と京都府、神奈川県川崎市となっています。その他にも群馬県や横浜市も再生可能エネルギー普及のため、太陽光発電設置義務化に関する動きがあります。
特に東京都の太陽光発電設置義務化に関しては、テレビやSNSなどでも大きく取り上げられ、全国的に話題となりました。
設置義務の対象となる建物や太陽光発電の出力、その他条件は、自治体によって異なります。
太陽光発電の設置義務対象地域に住んでいる方や太陽光発電の設置義務化地域へ転入する方の中で家を建てる方は、条例の内容や規制について把握しておくことが大切です。
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東京都の太陽光発電設置義務化に関する詳細
東京都は、各自治体の中でも太陽光発電の設置義務化に関する制度づくりをスピーディに進めています。
それでは、東京都の太陽光発電設置義務化に関する条例内容を確認していきます。
設置義務化となった背景
新築住宅への太陽光発電設置義務化には、世界的な脱炭素化の動きが関係しています。
2015年、COP21ではパリ協定が採択され、二酸化炭素を含む温室効果ガス削減に向けた目標なども定められました。さらに、日本では2030年に温室効果ガスを2013年度比で46%へ削減する目標も表明しました。
このような脱炭素に関する大きな流れを受けて東京都は、中小規模新築建物に対する太陽光発電の設置義務化を決めます。(レジリエンス)
また、CO2排出量の70%は建物が原因のため、延べ床面積2,000㎡未満の住宅を含む新築の建物に関する環境対策を進めている状況です。
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設置義務の対象者は設置事業者
東京都の「建築物環境報告書制度」は、2025年の4月に施行される予定です。太陽光発電の設置義務対象者は、中小規模特定建築物を建設・新築を行う建物供給事業者(建設請負事業者、建物分譲等事業者)と、新築建物の規格を定める者とされています。
つまり、都内に一定以上の新築住宅などを供給するトップランナーの施工事業者が、太陽光発電の設置義務対象事業者として定められているため、住宅購入者は細かな手続きを行わなくても設置することができます。
また、年間20,000㎡以上の住宅やビルを建築する大手事業者も、建設工事を行う際には太陽光発電の設置を進めなくてはなりません。
住宅購入者に求められること
住宅の購入者に求められることは、主に太陽光発電をはじめとした環境対策や住宅性能、太陽光発電のメリットやデメリットについて理解を深めることです。
また、太陽光発電の初期費用については、購入者(施主)が負担するため、これから東京都で住宅を建てる・購入予定の方は、太陽光発電の初期費用や維持管理費用について、しっかりと把握しておくことが大切です。
太陽光発電の初期費用は、4~5kW程度のタイプで110~140万円程度になり、維持管理費用については、出力1kWあたり年間8,000円程度とされています。
出典:「令和6年度以降の調達価格等に関する 意見)」(経済産業省)
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京都府の太陽光発電設置義務化に関する詳細
続いては、京都府で定められた太陽光発電設置義務化の内容について紹介していきます。
延べ床面積300㎡以上の建築物が対象
京都府では、「2050年温室効果ガス排出量の実質ゼロ」に向けて、2020年4月から延床面積2,000㎡以上の建物を建てる際に太陽光発電の設置を義務付ける条例を制定しました。
さらに2021年4月には条例を改正し、延べ床面積300㎡以上の住宅やビルなども太陽光発電の設置が義務付けられています。
条例の対象者は建物の建設業者で、設計士から購入者(施主)に対する情報提供および説明の義務も定められているのが特徴です。そのため、家を建てる際は、ハウスメーカーや工務店から太陽光発電の性能や設置に関する説明を受けることができます。
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京都府では補助金や0円ソーラー制度を実施
京都府では、新築住宅を含む太陽光発電の設置義務化に関する条例だけでなく、住宅購入者の費用負担を考慮し、補助金制度や0円ソーラーといった支援制度を実施しています。
京都0円ソーラープラットフォームは、初期費用0円で太陽光発電を設置できる支援制度です。
具体的には、太陽光発電の初期費用については、設置事業者で負担してもらえます。設置後は、10年間もしくは20年間の契約期間で、毎月リース代もしくは自家消費分の電気代を設置事業者へ支払う仕組みです。
リース代の負担を選んだ場合は、毎月の売電収入もしくは自家消費によって余った生活費を支払いに充てることで、家計負担を抑えながら運用することが可能です。
自家消費分の電気代負担を選んだ場合は再エネ賦課金の負担を抑えられるため、電気代削減効果を期待できます。
京都府の支援制度に関しては「住宅の再エネ地産地消・地域循環推進事業」という制度が実施されています。
補助金額は以下の通りです。
・太陽光発電システム+蓄電池1件につき20万円相当のポイント
・蓄電池1台追加につき10万円相当のポイント
2024年度は補助金制度に代わり「住宅の再エネ地産地消・地域循環推進事業」が実施されていますので、定期的に受付開始時期を含む最新情報を確認しましょう。
川崎市の太陽光発電設置義務化に関する詳細
神奈川県川崎市では、「再エネ義務・支援等促進事業(仮称)」という太陽光発電の設置義務化に関する条例案の議論を進めています。
川崎市の場合は、東京都や京都府のような延べ床面積を基準として、太陽光発電の設置義務に関する判断基準を設ける予定です。
対象の設備は太陽光発電のみで、ハウスメーカーをはじめとした建設業者が設備の設置を行うようになります。
条例の改正は2025年4月を予定しているものの、確定していません。すぐに家を建てる方やそうでない方も今後のニュースに関して定期的に調べることが大切です。また、川崎市に住んでいる方は、太陽光発電の設置義務化を理由にした訪問に気を付けましょう。
群馬県の太陽光発電設置義務化に関する詳細
群馬県では、2050年に向けた「ぐんま5つのゼロ宣言」で、「温室効果ガス排出量ゼロ」や「災害時の停電ゼロ」を掲げ、「ぐんま再生可能エネルギープロジェクト」の推進を行っています。
2023年4月からは、延床面積2000㎡以上の建築物を新築・リフォームする場合は、太陽光発電をはじめとする再エネ発電設備などの設置を義務付ける条例が施行されました。そのための事業者向けの支援制度も創設されています。
延床面積2000㎡以上という条件は、ビルなどを建てる法人向けに定められたものといえます。これから新築住宅を建てる個人の方であれば、太陽光発電の設置義務化について対象外とされるため、早急に住宅用太陽光発電の導入を検討しなくとも問題ありません。
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横浜市の太陽光発電設置義務化に関する詳細
平成23年、環境都市に選定された横浜市は、現在「環境未来都市構想」を打ち立てており、再生可能エネルギーの普及にも力を入れています。
また、床面積の合計が2,000㎡以上の建築物を建てる(新築や増築、改築含む)もしくは20,000㎡以上の建物を建てる場合は、施工主に対して建築計画とともに再生可能エネルギーの導入を検討し、検討結果を横浜市に報告することが義務付けられています。
太陽光発電の設置義務化に含まれる床面積は非常に広く、法人向けに定められたものといえます。そのため、横浜市に住んでいる個人の方は、2024年時点で新築住宅へ太陽光発電を設置しなくとも問題ありません。また、住宅を建てたあとに太陽光発電の設置を検討することも可能です。
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住宅用太陽光発電の設置費用を抑える方法紹介!
前述のとおり、各自治体は太陽光発電を含む環境関連の取り組みを実施しています。今後も太陽光発電義務化が策定される自治体は増えていく可能性があり、情報収集と早めの対応も大切です。
しかし、太陽光発電設置の初期費用は、多くの方にとって、負担になるのが現実です。
そこで、住宅用太陽光発電の設置費用を抑える方法について紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
PPAやリースモデルを検討する
京都府でも導入されているPPAやリースモデルは、初期費用0円で太陽光発電を設置できるサービスの1つです。
PPAモデルは、PPA事業者に太陽光発電を設置してもらい、設置費用や維持管理費用も同事業者に負担してもらうことができます。そのため、費用負担を抑えながら住宅用太陽光発電を導入、運用できるようになります。
発電した電気に関しては、原則自家消費のみ可能です。また、毎月一定の料金、もしくは自家消費分の電気料金をPPA事業者へ支払うことになります。
一見するとお得に感じませんが、再エネ賦課金や燃料費調整額の負担を削減できるため、光熱費を抑えたい場合にメリットの大きい方法です。
リースモデルで導入した場合は、初期費用を分割払いで設置事業者へ支払うサービスで、発電した電気を自家消費したり売電したりすることが可能です。
売電収入を重視している方はリースモデル、自家消費による電気料金削減を考えている方はPPAを検討してみるといいでしょう。
【2024年最新情報】補助金制度を活用する
自宅の近くにPPAやリース関連のサービスがない・面倒に感じる時は、補助金制度を調べてみるのがおすすめです。
2024年時点、国による住宅用太陽光発電単体の補助金制度は、実施されていません。
ただし、太陽光発電の設置が必要なZEH関連で補助金制度はあり、新築住宅もしくは購入を検討している方であれば費用負担を軽減できる可能性もあります。
しかし、住宅用太陽光発電単体の補助金制度はないため、自治体独自の制度を調べてみるのがおすすめです。
自治体によっては独自で補助金制度を実施している場合があり、活用できれば初期費用を数10万円以上削減できる可能性があります。
たとえば、東京都や都内の区や市では、太陽光発電に関する補助金制度を実施しています。2024年度の最新情報をいくつかまとめました。
自治体・事業名 |
補助金額
|
東京都 【令和6年度 家庭における太陽光発電導入促進事業】 |
・新築住宅:太陽光発電の出力3.6kW以下:1kWあたり12万円※上限36万円 ・新築住宅:太陽光発電の出力3.6kWを超える:1kWあたり10万円(50kW未満)※太陽光発電システムの助成対象経費の合計金額が上限 ・既築住宅:太陽光発電の出力3.75kW以下:1kWあたり15万円※上限45万円 ・既築住宅:太陽光発電の出力3.75kWを超える:1kWあたり12万円(50kW未満)※太陽光発電システムの助成対象経費の合計金額が上限 |
中央区 【住宅・共同住宅用自然エネルギー・省エネルギー機器等導入費助成】 |
・1kWあたり10万円※上限35万円
・中央エコアクト認証取得した場合:1kWあたり15万円※上限84万円 |
港区 【港区創エネルギー・省エネルギー機器等助成事業】 |
・機器の出力数(kW)×15~20万円※上限区民最大80万円 |
一般的に太陽光発電の補助金制度は、太陽光発電の出力1kWを基準に金額が設定されています。また、上限額も設定されているので、最大いくら補助されるのかという点も含めて各要件を確認しておきましょう。
エコでんちでは、太陽光発電や蓄電池の補助金制度に関する情報も確認しているので、管轄の自治体でどのような補助金制度を実施しているのか気になる方もお気軽にご相談ください。
相見積もりで設置費用の安い業者を探す
新築住宅もしくは既築住宅へ太陽光発電の設置を検討する場合は、必ず相見積もりをとるようにしましょう。
相見積もりとは、複数の施工販売業者へ同時に見積もりを依頼し、それぞれの業者から提示された見積り内容を比較していく作業のことです。
住宅用太陽光発電の設置費用は業者によって異なるため、1社のみに見積り依頼し、かつ比較せずに契約してしまうと割高な費用で設置してしまうリスクもあります。
また、一部の悪徳業者は、割高な費用で低品質な施工を行うケースもあり注意が必要です。
費用を含むリスクや負担を抑えるためにも複数の事業者から見積もりを取り、キチンと比較してみるのが大切です。
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まとめ
太陽光発電の設置義務化は、東京都や京都府では決定しています。
東京都の場合は、新築住宅を建てる場合に住宅用太陽光発電の設置が義務付けられます。
また、初期費用は、購入者で負担しなくてはいけません。
東京都に住んでいる方や京都府や川崎市に住んでいる方は、今回の記事を参考にしながら住宅用太陽光発電や蓄電池の設置を早めに検討してみてはいかがでしょうか?
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太陽光発電の設置義務化に伴い購入を検討し始めたものの何から準備すればいいか分からない方は、この機会にお電話やメール、公式LINEよりぜひお気軽にお問い合わせください。
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