カーボンニュートラルをわかりやすく解説!脱炭素との違い、取り組み例もご紹介 | エコでんち

カーボンニュートラルをわかりやすく解説!脱炭素との違い、取り組み例もご紹介

最終更新日:2025.09.18 お役立ち情報

カーボンニュートラルをわかりやすく解説!脱炭素との違い、取り組み例もご紹介

昨今、さまざまな場面でカーボンニュートラルSDGs脱炭素といった環境用語を聞くようになりました。

中でもカーボンニュートラルは国の目標でもあるため、企業や自治体でも用いられています。

しかし、「カーボンニュートラルの意味がよくわからないけど調べるのが面倒」、「カーボンニュートラルの記事を見ても難しすぎる」といった点から、わかりやすく解説されている記事を探しているのではないでしょうか?

確かにカーボンニュートラルを解説するには専門用語を用いなければいけない部分もあるため、短時間で理解することが困難といえます。

そこで今回は、カーボンニュートラルの意味や、なぜ注目を浴びているのかといった点について分かりやすく紹介します。

会社でカーボンニュートラルに関する取り組みを始めたけれどよくわからないという方や、カーボンニュートラルがなぜ必要なのか知りたい方などは、ぜひ参考にしてみてください。

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カーボンニュートラルとは何のこと?

カーボンニュートラルは、温室効果ガスという気候変動・異常気象の原因とされているガスの排出量を実質0にする取り組みのことです。日本ではパリ協定の締結国となったことで2050年までのカーボンニュートラル達成を目標としています。

カーボンニュートラルとは何のこと?

具体的には、省エネや再エネ設備などでCO2排出量を削減し、削減しきれなかったCO2を新技術で吸収もしくは除去することで、差し引きゼロにします。

温室効果ガスとは、CO2(二酸化炭素)やメタンガスといった気候変動につながるガスのことです。中でもエネルギー起源CO2の排出量が温室効果ガスの85%を占めています。そのため、CO2削減に向けた取り組みがメインになっています。

なお、カーボンニュートラルと関連したゼロカーボンについては以下記事で詳しく解説しています。気になる方は、こちらもぜひ参考にしてみてください。

関連記事:ゼロカーボンとは?簡単かつわかりやすく紹介! | エコでんち

脱炭素との違い

カーボンニュートラルと混同されがちな言葉に脱炭素がありますが、両者には明確な違いがあります。

カーボンニュートラルは、温室効果ガスの排出量と吸収量を相殺して「実質ゼロ」を目指す状態を指します。つまり、排出する量を極力減らしつつ、どうしても排出されてしまう分は吸収や除去で埋め合わせをするという考え方です。

一方、脱炭素は、二酸化炭素(CO2)の排出量を「可能な限りゼロ」にすることを指し、排出量そのものを減らすことに重点を置きます。

カーボンニュートラルを達成するための一つの手段が脱炭素であり、脱炭素化を進めることでカーボンニュートラルに近づくことができます。

脱炭素が「CO2排出の削減」という行動を指すのに対し、カーボンニュートラルは「排出量実質ゼロの状態」という目標や結果を指す、と理解するとわかりやすいでしょう。

カーボンニュートラルはなぜ必要?

カーボンニュートラルは、気候変動の影響を少しでも小さくし、人類や全世界の生態系を守るために必要とされています。

気候変動の主な原因は、CO2をはじめとした温室効果ガスの排出も関連していると考えられています。

また、温室効果ガスの排出量に関する対策を施さないと、地球環境の大きな変動によって人類の存続にまで多大な影響があるとされています。

そこでアメリカやEUなど124の国が、カーボンニュートラルという考え方をベースにした社会・経済活動を模索し始めている状況です。

このような地球規模の問題へ世界が取り組んでいることから日本も、カーボンニュートラルという考え方を導入しているということです。

日本はカーボンニュートラルとどう向き合っている?

日本はカーボンニュートラルとどう向き合っている?

2020年10月に菅義偉(当時首相)が、2050年までのカーボンニュートラル達成という目標を宣言しました。

 また、カーボンニュートラルの宣言だけでなく、経済と環境の好循環とグリーン社会の実現といった目標なども設定されています。

つまり、環境対策を進めながら経済成長を止めない方針が、日本の基本スタンスです。

カーボンニュートラルに関する目標が宣言されてからは、国主導で脱炭素化へ向けた制度の作成や再生可能エネルギー設備導入の促進につなげる法整備など、さまざまな取り組みを行っています。

また、東京都では住宅用太陽光発電の設置義務化に関する条例を策定し、2025年4月から施行されました。
東京都以外の各自治体でもさまざまな条例が施行されているため、詳しく知りたい方はこちらのコラムを参考にしてみてください。

関連コラム:【2025年度対応】太陽光発電設置義務化はいつから?自治体別の最新動向と対応策|エコでんち

カーボンニュートラル実現の課題と方法

カーボンニュートラルの目標が設定されたあとは、国や企業、自治体でさまざまな取り組みを進めていかなければいけません。
続いては、カーボンニュートラルの達成につながる主な取り組みを紹介していきます。

省エネ設備でCO2排出量削減

省エネ性能の高い設備へ交換することは、CO2排出量の削減につながります。

省エネ性能の高い設備とは、従来品より少ないエネルギーで稼働できる設備のことです。たとえば、LED照明の消費電力は、蛍光灯や白熱電球の20~30%程度で済みます。

他にも設備交換だけでなく、空調設備やボイラの修理及び清掃といった行動が、CO2排出量削減につながります。

大規模なCO2削減例としては、火力発電所の高効率化によるCO2排出量削減といったケースもあるようです。J-POWERの石炭火力発電設備は、アメリカや中国などの火力発電と比較して、億単位のCO2排出量削減効果を見込ます。

参考:グリーン物流が求められる理由とは?企業が進める環境対応の全体像|コールドクロスネットワーク

再生可能エネルギー設備でCO2排出量の大幅削減

再生可能エネルギー設備の導入および主力電源として活用していく流れは、CO2排出量の大幅な削減につながります。

太陽光発電や風力発電、水力発電といった非化石エネルギーを使用した発電設備は、発電時のCO2排出量について0もしくは0に近い水準まで抑えられています。そのため、火力発電よりも脱炭素という点で、メリットがあります。

他にもCO2排出量の少ない水素発電やアンモニア発電といった新しい発電設備が、実用化へ向けて研究されています。特に太陽光発電設備は、電力会社以外の企業や中小企業、個人事業主、一般家庭の方々も導入可能な再生可能エネルギー設備です。

再生可能エネルギーの具体的なメリットやデメリットを知りたい方は、以下記事もぜひ参考にしてみてください。

関連記事:再生可能エネルギーのメリットとデメリット&求められている背景 | エコでんち

カーボンオフセットでCO2削減の難しい企業や個人も脱炭素の取り組み

カーボンオフセットという考え方があるので、CO2削減の難しい事業を展開している企業も、カーボンニュートラルへ向けた取り組みを始められます。

再生可能エネルギー設備などでCO2を削減した企業が、クレジットというCO2削減の実績を示す情報を発行します。

あとは、CO2削減の難しい企業などがクレジットを購入することで、数値上のCO2削減効果を達成できるというものです。

つまり、CO2を削減できる企業や自治体などが積極的にCO2の削減実績を残し、CO2削減の難しい企業は削減実績を購入および資金面での支援を行うことで、社会全体のカーボンニュートラルを目指すという考え方といえます。

しかし、カーボンオフセットを多用するとCO2削減および吸収を行わない企業も増えてしまう可能性があるため、注意が必要な政策の一つです。

新技術によるCO2吸収や排出量の大幅削減

カーボンニュートラルのCO2吸収・除去といった活動は、新技術によって実現しつつあります。

近年、国内外のエネルギー関連企業は、CCSやCCUSといった新技術の研究開発および検証を行っています。

CCS(Carbon dioxide Capture and Storage)は、工場や倉庫、オフィスなどから排出されたCO2を回収し、地下深くに貯留(埋める)させる技術です。また、CCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)は、回収済みのCO2を油田に圧入し、地下深くに貯留させる技術となっています。

 技術開発や空気中からCO2の分離・回収する技術およびコストなどが、主な課題とされています。

ただ、今後実用化されればCO2の吸収・除去率を高められるため、カーボンニュートラル達成につながる重要な技術といわれています。

植林活動によるCO2吸収量増加

カーボンニュートラルの宣言以前から行われている環境活動といえば、植林活動ではないでしょうか。

植林活動は、空き地などに木を植えて管理していく活動です。木々をはじめとした多くの植物には、二酸化炭素の吸収と酸素の排出機能があります。

つまり、カーボンニュートラルのCO2吸収という重要な役割を果たしていますし、他の方法と比較して自然に負荷のかかりにくい活動です。

また、個人でも参入しやすい活動なので、カーボンニュートラルや環境活動に関心を持っている方は、植林活動について調べてみるのもおすすめです。

具体的な取り組み事例

具体的な取り組み事例

カーボンニュートラル達成には、国や企業、そして個人の積極的な取り組みが不可欠です。ここでは、現在進行形で進められている具体的な取り組み事例をご紹介します。

取り組みの問題点

カーボンニュートラルは、私たちの生活と地球環境にとって不可欠な目標ですが、その達成には多くの課題が存在します。ここでは、特に重要な問題点を挙げ、その厳しい現実について解説します。

カーボンニュートラル達成は非常に厳しい

そもそもカーボンニュートラルの達成は、非常に厳しい目標といえます。それは、社会活動におけるCO2の排出量実質0という高いハードルが設定されているためです。

また、数十年単位で気候変動の状況を観測する必要があるため、自治体や企業のCO2削減に関する自社目標達成などで、カーボンニュートラルの効果を見極められません。

だからといってカーボンニュートラルをあきらめていると、地球環境の大きな変動および生態系の維持などに影響を与えてしまいます。私たちは、カーボンニュートラルの難しい現状を受け入れた上で、環境へ優しい生活を日々続けていく必要があります。

カーボンニュートラルの範囲があいまい

カーボンニュートラルの定義や範囲は、あいまいな状況となっています。

現状、カーボンニュートラルの目標は、国だけでなく企業や自治体でも独自に設定されています。さらに企業の場合は自社の企業価値を高めるため、カーボンオフセットのみの導入といった楽な方法や自社に都合のいいデータを公開している可能性もあります。

地球全体のカーボンニュートラルを達成するには、個人単位でカーボンニュートラルへの理解を深めることが大切です。

日本の取り組み

日本の取り組み

日本政府は、2050年カーボンニュートラル達成を目標に掲げ、以下のようないくつかの具体的な取り組みを進めています。

1.「グリーン成長戦略」の策定と実行

2020年12月には、経済と環境の好循環を目指す「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を策定しました。これは、洋上風力発電や水素、次世代自動車・蓄電池、原子力など14の重点分野を設定し、研究開発支援、税制優遇、規制改革などを通じて、産業構造の転換と経済成長を両立させることを目指しています。

参考:経済産業省「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」

2.再生可能エネルギー導入促進のための法整備

太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーを主力電源とするための法整備や制度改革を推進しています。FIT制度(固定価格買取制度)FIP制度(フィードインプレミアム制度)などを通じて、再生可能エネルギー設備の導入を支援し、電力系統への大量導入に向けたインフラ整備を進めています。

3.地域における脱炭素先行地域の選定

国は、2030年度までに民生部門(家庭部門・業務部門)の電力消費に伴うCO2排出実質ゼロを目指す「脱炭素先行地域」を全国で選定しています。これは、地方自治体が主導し、地域特性に応じた再生可能エネルギー導入や省エネ化、住民の行動変容を促す具体的なモデルを創出する取り組みです。

参考:環境省「脱炭素地域づくり支援サイト」

企業の取り組み

多くの企業も、カーボンニュートラルへの貢献と持続可能な経営を目指し、多様な取り組みを始めています。以下にその具体的な例を3点挙げます。

1.トヨタ自動車:クルマのライフサイクル全体でCO2排出量ゼロを目指す

トヨタ自動車は「トヨタ環境チャレンジ2050」を掲げ、クルマのライフサイクル全体でのCO2排出量ゼロを目指しています。

これは、部品調達から製造、輸送、走行、そして廃棄・リサイクルに至るまでの全段階でCO2排出量を削減するという広範な取り組みです。

より具体的には、ハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)といった電動車の普及を加速させ、走行時のCO2排出量削減に注力しています。また、工場での省エネ化や再生可能エネルギー活用を進めて生産段階のCO2を削減し、さらに部品のリサイクルや再利用を推進することで、資源の有効活用とCO2排出量低減の両面からアプローチしています。

参考:トヨタ自動車グローバルサイト「気候変動」

2.三井不動産:不動産事業における再生可能エネルギーと省エネの推進


三井不動産は、事業活動で使用する電力の100%再生可能エネルギー化を目指す国際イニシアティブ「RE100」に加盟しています。自社が保有・管理する商業施設やオフィスビルに太陽光発電設備を積極的に導入するほか、再生可能エネルギー由来の電力を購入・活用することで、CO2排出量の大幅な削減を進めています。

また、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)やZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)といった省エネ性能の高い建築物の普及を推進し、建物の運用段階でのエネルギー消費量を削減。さらに、木造・木質化建築の推進により、建設段階でのCO2排出量抑制と、建物にCO2を貯蔵する効果も狙っています。

参考:三井不動産株式会社「脱炭素社会実現への取り組み」

3.パナソニック:製品・技術を通じて社会全体のCO2削減に貢献


パナソニックは、自社およびサプライチェーンにおけるCO2排出量削減に加え、社会全体への貢献を目指す「Panasonic GREEN IMPACT」を掲げています。具体的には、2050年までに自社およびサプライチェーンでのCO2排出量実質ゼロ(RE100達成)を目標とし、製造工程での再生可能エネルギー導入や省エネ設備の導入を進めています。

さらに、省エネ家電、EVバッテリー、住宅設備(太陽光、蓄電池)といった製品やソリューションを通じて、お客様のCO2削減に貢献。事業領域を超えて外部パートナーと協業し技術提供などを行うことで、社会全体の脱炭素化を推進する多角的な取り組みを行っています。

参考:パナソニックホールディングス「Panasonic GREEN IMPACT」

個人でできること

個人でできること

カーボンニュートラルは国や企業だけでなく、私たち一人ひとりの行動も大きく影響します。ここでは、個人でできる具体的な取り組みを紹介します。

最も身近なのは「省エネ」です。日々の暮らしの中で、エアコンの設定温度を適切に保つ・不要な電気を消す・冷蔵庫の開閉を減らす・長時間の待機電力消費を避けるといった工夫がCO2排出量の削減につながります。

また、高効率な家電製品に買い替えることも有効です。次に植林活動への参加や自宅での緑化なども、手軽にCO2吸収に貢献できる活動です。

さらに一歩進んだ取り組みとしては、住宅用太陽光発電や蓄電池の導入が挙げられます。
太陽光発電で自家発電した電気を家庭で使うことで、電力会社からの購入電力量を減らし、それに伴うCO2排出量を削減できます。蓄電池を併用すれば、日中に発電した電気を貯めて夜間に使うことが可能になり、電気料金の節約効果とより高いCO2削減効果が期待できます。

エコでんちでは、住宅用太陽光発電や蓄電池、V2Hの販売・設置からアフターフォローまで一貫してサポートしています。初期費用の回収期間や経済効果に関するご相談も承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

まとめ

カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量と吸収量を差し引いて「実質ゼロ」にするための取り組みであり、地球温暖化対策の国際的な目標です。日本では2050年までの達成を目指しており、脱炭素化への動きと合わせて、国、企業、個人それぞれが具体的な行動を始めています。

省エネ、再生可能エネルギーの導入、新技術の開発、植林活動など、多岐にわたる取り組みがありますが、私たち一人ひとりの意識と行動が、カーボンニュートラル社会の実現には不可欠です。

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