マンションは停電時にトイレを流してはいけない?逆流のリスクや適切な流し方を解説
最終更新日:2025.12.04 お役立ち情報

日本は地域を問わず、地震や台風などによって停電になることも珍しくありません。特にマンションにお住まいの場合、「停電時に水道が止まること」や「トイレが使えなくなること」をご存じでしょうか?
もしもの災害時、数時間で電気が復旧すればまだしも、1週間や1カ月間もの長期にわたる停電が続いた場合、生活に大きな支障をきたします。特に、在宅避難を余儀なくされる状況では、トイレを清潔に保つことが感染症対策などの点で非常に重要です。
この記事では、マンションで停電が起きた際に水道が止まってしまうケースや、トイレを流してはいけない理由、そして適切に利用するための対策法について詳しく解説します。
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目次
そもそも停電で水道が止まる場合とは?
停電が起きた際には水道が止まる場合もあれば、通常通り使える場合もあります。
大規模災害により停電が発生し、浄水場自体が機能しなくなれば配水自体ができなくなり「断水」が起こる可能性があります。
ただ、これは浄水場の発電機が破損した場合など、非常にまれなケースです。
多くの場合、停電によって水道が止まることはありません。
そもそも水が水道管を通って各家庭に送られる方法は以下の3つの方式があり、
住宅設備によっては水道が止まりやすい環境かが異なります。
●「直結直圧方式」
●「受水槽式」
●「直結増圧方式」
それぞれの仕様がどういった住宅に使われているのか次に紹介します。
戸建ての場合
戸建て住宅の場合は「直結直圧方式」が一般的で、埋設されている水道本管から水圧を利用して直接住宅に水を引き込んでいます。
この場合は電気を使っているわけではないため、停電で断水する心配はありません。
マンションの場合
マンションのような高層住宅では「直結直圧方式」だと水圧が足りず、上層階まで水を送ることができません。そのため「受水槽式」によって、水を溜めた水槽からポンプを使い各部屋へくみ上げたり、屋上に受水槽を配置して各部屋に水を送ったりする仕組みが一般的です。また排水管からの水圧を上昇させる「直結増圧方式」も増えてきています。
これらの方式の場合、ポンプで加圧する際に電気を使うため、マンション自体が断水と似た状態になり、停電の際に水が使えない可能性があります。特に、長期停電ではポンプが停止し、トイレを含む生活用水全般が使用できなくなるリスクが高まります。
マンションは停電・断水時にトイレを流してはいけない?気を付けるべき4つのポイント
マンションで停電と同時に断水が発生している場合、安易にトイレを流してはいけない3つの理由と、さらに知っておきたい1つのポイントがあります。

①地震で配水管が壊れているときはトイレを流さない
災害時に在宅避難をした場合でも、配水管が曲がってしまっていたり、破損していたりしたらトイレを流してはいけません。
仮に流してしまうと、逆流して汚水が溢れてしまう可能性があります。
この場合だと修理が完了するまではトイレの使用を控えることをオススメします。
②トイレの仕様によっては停電時に流せないものもある
一般的なトイレの仕様として手動レバーで流すタイプと、ボタンを押して流すタイプがあります。
手動レバーの場合はタンクに貯めた水を使って流すため、電気を必要とせず数回であれば流すことができます。
タンクレストイレや、壁付けボタンを押して流すタイプは、そもそも電気制御によって流す動作を行うため、停電時に流せなくなります。
この場合、トイレメーカーによっては通電されていないときの排水方法が説明書に記載があるので確認してください。
ただし、どちらのタイプも停電が数日続けばタンクや給水管内の水が尽きて流せなくなるため、非常時にはバケツなどを用いた手動での排水が必要になります。
③復旧したらすぐにトイレを流してはいけない
停電と同時に断水も発生しているとき、給水管の中には空気が溜まっていきます。
もし断水が解消されたときに1度に大量の水を使用してしまうと「エアーハンマー現象(※)」が発生することがあります。
※水道復旧後の水圧によって給水管内に溜まった空気が圧縮され、それにより給水管の破損や水漏れなどが起きる現象
せっかく断水が解消しても結局トイレが使えないままになってしまうので、そうならないために復旧時には先にエアー抜きが必要です。
断水が解消され水道が使えるようになったら、お風呂や洗面台など、トイレと同じ給水管に接続されている蛇口を少しずつ開けて空気を抜いて水が出るようになってから、トイレを流すようにしましょう。

④断水時に浴室に水をためてはいけない
断水時には、災害対策として浴槽に水をためておくことを推奨される場合が多いですが、マンションにおいては注意が必要です。特に給水管や排水管が損傷している可能性がある地震発生後などは、安易に水をためると、万が一の配管破損時に大量の水が漏れ出し、下の階に被害をもたらすリスクがあります。
また、汚水が逆流するような状況下では、せっかくためた水が汚染される可能性も考えられます。マンションの構造や配管状況、そして災害の状況を十分に確認するまでは、安易に水をためる行為は避け、携帯トイレや簡易トイレを活用する方が安全です。
マンションのトイレにおける停電や断水に備えた対策

マンションで停電や断水が発生した際に、トイレが使えなくなる事態に備えることは、住民の安全と衛生を守る上で非常に重要です。ここでは、個人と管理組合の両方で実施すべき対策を紹介します。
災害用の簡易トイレの備蓄
災害用の簡易トイレは、水が使えない状況下で排泄物を処理するための重要なアイテムです。便器に被せる袋と凝固剤がセットになっており、使用後はそのまま密封して捨てることができます。
マンションで断水が発生した場合、トイレが使えなくなるため、簡易トイレは衛生環境を保つ上で欠かせません。一人あたり1日5回程度の使用を想定し、最低でも3日分、できれば1週間分の備蓄が推奨されます。
種類も豊富で、コンパクトに収納できるものや、消臭効果が高いものなどがあるため、ご自身の家庭に合ったものを選びましょう。
管理組合で実施すべき対策

図面の確認
マンションの管理組合は、停電や断水といった災害時に備え、建物の給排水設備の図面を事前に確認しておくことが重要です。具体的には、どのポンプがどの系統に水を供給しているのか、排水経路がどうなっているのか、非常用電源で稼働する設備は何かなどを把握します。
これにより、停電時にどの範囲で断水が発生するのか、どこに迂回経路があるのかなどを迅速に判断できるようになります。また、後述するマンホールトイレを設置する場所の確認にも繋がります。
現地確認
管理組合は、定期的に建物の給排水設備やマンホール周辺の現地確認を行う必要があります。ポンプ室の状況、受水槽・高架水槽の点検状況、非常用電源設備の稼働状況などを確認し、緊急時に備えます。
特に、マンションの敷地内にある汚水マンホールの位置や状態を把握しておくことは、マンホールトイレを設置する上で不可欠です。これらの確認作業を通じて、設備の老朽化や異常を早期に発見し、適切なメンテナンスを行うことで、災害時のリスクを低減できます。
管理組合でマニュアルを作成
災害時に住民が混乱しないよう、管理組合は停電・断水時のトイレ使用に関する具体的なマニュアルを作成し、周知しておくべきです。マニュアルには、トイレが使えない場合の対処法(簡易トイレの使用方法、水の流し方など)、共同利用可能なトイレの場所、情報の入手先、緊急連絡先などを明記します。
また、エアーハンマー現象防止のための注意喚起や、排水管破損時の対応についても記載することで、住民の安全を確保し、適切な行動を促すことができます。定期的な見直しと、新入居者への説明も怠らないようにしましょう。
マンホールトイレの準備
マンションでの長期的な断水に備え、管理組合としてマンホールトイレの準備を検討することは非常に有効です。
マンホールトイレは、災害時に下水管が利用可能な場合、既存のマンホールの上に設置して使う簡易的な仮設トイレです。通常の便器と同様に利用でき、汚物を下水道に直接流せるため、衛生的に保ちやすいというメリットがあります。設置場所の選定や、必要な部材(便器ユニット、目隠しテントなど)の備蓄、設置訓練などを事前に計画しておくことが重要です。
マンホールトイレの仕組みを示す図(別途用意を促す文言)を住民に提示し、理解を深めることも大切です。

個人で実施すべき対策
管理組合による対策と並行して、各世帯でも個人でできる対策を講じることが重要です。
まず、最低3日分、できれば1週間分の飲料水とは別に、生活用水を確保しておきましょう。ペットボトルやポリタンクに水をためておく、浴槽に水をはっておく(※ただし、配管破損リスクを考慮し、緊急時のみに限定するなど注意が必要)などの方法があります。
また、携帯用簡易トイレや凝固剤、消臭剤の備蓄も欠かせません。これらの備蓄品は、いざという時にすぐに使えるよう、手の届く場所に保管しておくことが大切です。家族で災害時の行動について話し合い、役割分担を決めておくことも、個人でできる大切な備えです。
停電・断水でトイレが流せなくなった時の対処法
タンクの水が無くなってしまった場合や、リモコンで流せない場合のトイレの流し方を解説します。
1.あらかじめ浴槽などに水を溜めておき、バケツ1杯(5~6リットル)の水を用意します。

2.バケツの水を一気に便器に流し込みます。流しきれない場合は再度バケツ1杯の水を流し込みます。
※水ハネに注意してください。
3.洗浄後は、におい防止のために3~4リットルの水をゆっくり流します。
※普段、便器内にたまっている量を目安に水を溜めてください。
太陽光+蓄電池ならトイレの停電対策も可能
自宅に太陽光設備と蓄電池を併用すれば、電気の自給自足が可能になります。
雨の日が数日間続くということがなければ電気を蓄えることができるので、停電でトイレが使えない問題も対策ができます。
もちろん他の家電製品を使いすぎると、トイレに使う分の電気が不足してしまう可能性もあるので、各家庭の電気使用量に応じた蓄電池を選ばなくてはいけません。
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